チーズと塩と豆と の商品レビュー
角田光代さん、井上荒野さん、森絵都さん、江國香織さんの4人が ヨーロッパの各地を旅行し現地の食をテーマに短編を執筆。 好みなのは角田光代さん「神さまの庭」。 悲しみと背中合わせにある清々しい希望と、 “食べること”が持つ、人を幸せにする力が感じられる話でした。 http://ma...
角田光代さん、井上荒野さん、森絵都さん、江國香織さんの4人が ヨーロッパの各地を旅行し現地の食をテーマに短編を執筆。 好みなのは角田光代さん「神さまの庭」。 悲しみと背中合わせにある清々しい希望と、 “食べること”が持つ、人を幸せにする力が感じられる話でした。 http://matsuri7.blog123.fc2.com/blog-entry-180.html
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江國香織著『アレンテージョ』いがいの三作は、完成度がいまいちで(それはもちろん著者に見合ったという意味で)、こうして一冊の本に綴じられると、江國さんの文体で最終的に本の形として正されたような、そんな印象をもってしまった。 こうしたアンソロジータイプのいいところは、読者がふだんあま...
江國香織著『アレンテージョ』いがいの三作は、完成度がいまいちで(それはもちろん著者に見合ったという意味で)、こうして一冊の本に綴じられると、江國さんの文体で最終的に本の形として正されたような、そんな印象をもってしまった。 こうしたアンソロジータイプのいいところは、読者がふだんあまり読まない作家のものまで読め、それぞれの作品を比較して読むことができるところだとも思うので、誰のものが最初や最後をかざってもいいような、順番なんてどうでもいいと思えるくらいの、著者の並びを見ればそれくらい期待してもいいはずだったが、読んでこの順番しかありえないと思った。
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読まなくちゃ。って気持ちで読み進めてたので、あまり味わえなかったお話もありました。 いちばん好きなのは角田さんのお話で、とにかく食べ物がおいしそうに見えて、お腹がすきました。。。
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まさに今人気の、しかも全員が直木賞を受賞した4人の作家が、西ヨーロッパの田舎町を見聞きし、歩き、食べて書いた、短編集です。 NHK BSハイビジョンで2010年10月に放送された番組「愛と胃袋 直木作家が食べて書くヨーロッパの田舎」(10/5,12,19,26の4回)の番組中に...
まさに今人気の、しかも全員が直木賞を受賞した4人の作家が、西ヨーロッパの田舎町を見聞きし、歩き、食べて書いた、短編集です。 NHK BSハイビジョンで2010年10月に放送された番組「愛と胃袋 直木作家が食べて書くヨーロッパの田舎」(10/5,12,19,26の4回)の番組中に放送されたドラマの原作小説であり、それぞれ井上荒野(あれの)がイタリアのピエモンテ、森絵都がフランスのブルターニュ、角田光代がスペインのバスク、江國香織がポルトガルのアレンテージョを訪れ、その地域をモチーフにしながら、彼女達の生の体験をもとに、一つの作品に仕上げられています。 4人の直木賞作家を一度に読める、読み比べられる、という意味でもとても貴重な一冊と言えると思います。しかも作品は、ロケから帰ってきて2週間以内に書き上げられたそうです。番組を見ていれば、その創作過程(あの体験が、小説になるとこうなるのか、と想像できる)を想像するだけでも、読書の楽しみが何倍にもなる一冊です。DVDになればいいのに、と思ってしまいます。 それぞれの作品の主人公は、家出して難民キャンプで食事を作るNGOメンバー(角田光代「神さまの庭」)、親子ほど年が離れた夫を病院で看病し続ける女(井上荒野「理由」)、信心深い親族達との関係に嫌気がさしてシェフ(森絵都「ブレノワール」)、オープンな性格のパートナーの行動に悩む同性愛の男(江國香織「アレンテージョ」)。その土地の自然、(食)文化、慣習とは切っても切れない、登場人物達の生活と、それ故の悩みが様々な角度から描かれていきます。 個人的には角田光代の「神さまの庭」と森絵都の「ブレノワール」が印象に残ります。昔からその地域にある慣習と、それに抗おうとする若者という構図は両作品とも同じでしたが、特に角田光代の「神さまの庭」で、親のやっていたことと同じことを自分がやっていることに気づいてしまうシーンに強い共感を覚えました。
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旬の作家たちの短編集。とりどりの趣がある。 角田光代と森絵都の2作品がとくにむ印象に残った。 若い作家の書く作品は、親世代の立場で読むようになっている。
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やはり自分は森絵都さんの作風が好きです。 物語として伏線を張って全て回収してくれるあたりが自分好みです。
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母が不治の病だと発表する場にも関わらず いつも通りクラブを借り切り会食をする親族が信じられず、 大学進学を機にわたしはバスクを出た。 大学を卒業してからも家には戻らず アルバイトでお金を貯めては旅行に行きゲストハウスで料理を振る舞っていると 難民キャンプで炊き出しを行うNGOに誘...
母が不治の病だと発表する場にも関わらず いつも通りクラブを借り切り会食をする親族が信じられず、 大学進学を機にわたしはバスクを出た。 大学を卒業してからも家には戻らず アルバイトでお金を貯めては旅行に行きゲストハウスで料理を振る舞っていると 難民キャンプで炊き出しを行うNGOに誘われる。 「神さまの庭」/角田光代 トリノの高校時代に私とカルロは出会った。 三十歳の年の差を気にせず私たちは卒業後すぐに結婚して 大学に進学せずに山で暮らすことに決めた。 それから十四年、カルロは突然倒れ半年以上意識が戻らないままだ。 私は今日もカルロに届くようミネストローネを作って病院へ向かう。 途中で男の子と会ったりもするけれど。 「理由」/井上荒野 ブルターニュの慣習に縛られた家を飛び出して シェフを目指していた僕が久しぶりに家に戻ったのは 絶交中の母が危篤で倒れたからだった。 皮肉にもブルターニュ人らしい粘り強さを発揮して チーフシェフまで上り詰めた僕は 編集者のサラと一緒に家に戻り、母の気持ちを知ることとなった。 「ブレノワール」/森絵都 あらゆる人に誠実なマヌエルと僕はコテージを訪れた。 コテージやその周辺の食事を楽しみながら 僕は自分とマヌエルの関係性について考える。 「アレンテージョ」/江國香織 写真:源孝志、大野晋三 装丁:坂川栄治+坂川朱音(坂川事務所) NHK・BS「プレミアム8」で2010年10月に 女性直木賞作家が南ヨーロッパで取材をして 物語を作り上げていく過程を撮影した番組をやっていたのですが、 その企画で作られた豪華な4作品です。 偶然井上荒野さんの回だけ見たのですが、 南欧の自然のおおらかさ、食べ物の魅力、 そしてこの作品をもとにしたドラマが放送され 盛り沢山な番組となっていました。 「理由」の登場人物であるカルロとアリダは本当にモデルがいて、 高校の先生と生徒として知り合って山で暮らす素敵なお二人でした。 現実のカルロはまだぴんぴんしていましたがいずれこうなってしまうのかなあ。 もしモデルのお二人がこの小説を読んだら気を悪くしないか心配です。 だってカルロが意識不明の重体に陥っているのに 若いアリダは他の男にうつつを抜かしているなんてねぇ… 「神さまの庭」と「プレノワール」は少し似ている気がします。 慣習に縛られた故郷を飛び出して料理人になるけれど 実はその慣習こそが自分の血となり肉となっていたことに気づいていく。 ベタな設定ですがいい話です。「プレノワール」の方が泣かせます。 「アレンテージョ」が一番とりとめがない感じでのんびりできます。
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欧州を舞台に食にまつわる短編を角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織が書く。短編ですぐ読めるが、どれも粒揃い。十分堪能。 森絵都の母の愛に涙がこぼれそうになった。そして、歳月をかけて主人公♂が築いく家庭がちょっと羨ましい。 江國香織の男性同士ながら付き合っているうちに微妙に変わる主...
欧州を舞台に食にまつわる短編を角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織が書く。短編ですぐ読めるが、どれも粒揃い。十分堪能。 森絵都の母の愛に涙がこぼれそうになった。そして、歳月をかけて主人公♂が築いく家庭がちょっと羨ましい。 江國香織の男性同士ながら付き合っているうちに微妙に変わる主人公の心の揺れ動きの描き方に感嘆。 角田光代の家族と故郷のしがらみから逃げ、自分の役割を見つけ又戻ってくる主人公♀はカッコいい。 井上荒野の愛は濃いなあ。
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割とよく読む女性作家さんの短編集。図書館で見つけて借りる。 帯にBSハイビジョン「プレミアム8」という番組ー愛と胃袋 直木賞作家が食べて書くヨーロッパの味ーとあり、ドラマとして放映されたらしい。 それぞれ、外国(欧州ーそれもあまりよく知らない地方の土地)が舞台で登場人物主人公も外国人で設定されていて洗練された雰囲気が漂う。読み物としても、また出てくる料理それぞれもその土地のものという感じで変わった面白さ(不思議さ)を味わった。 「しあわせな食事の記憶」というものは、それにたどり着く過程や背景に関わらず素晴らしく大切な行為でなのである。
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可愛い話が多かった。 欧羅巴に憧れる私としては 幸せが詰まった作品でした。 小さな幸せと小さな不幸が 平凡のなかに溢れていて、 体験したことのない世界が 広がっていました。
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