白蝶花 の商品レビュー
まず白蝶花を画像検索していただきたい。 儚いのに強いこの花は、大正から平成までの時代を生きてきた女たちの、あやうさと、したたかさを見事に表現している。 大正・昭和・平成と3世代を超えても男女の仲というものはさほど変わらず、クローズかオープンか後外だと思うが、「さが」というものを汚...
まず白蝶花を画像検索していただきたい。 儚いのに強いこの花は、大正から平成までの時代を生きてきた女たちの、あやうさと、したたかさを見事に表現している。 大正・昭和・平成と3世代を超えても男女の仲というものはさほど変わらず、クローズかオープンか後外だと思うが、「さが」というものを汚らしいと思わず一読してみると不思議と共感する部分がどこかそこらかにあると思う。 素直になってその部分から何をどうするかを感じ取って欲しい。
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有馬から芦屋へと売られた姉妹、菊代と妹の雛代。 雛代へ劣等感を持ち、仲の悪いまま芦屋を離れる菊代。―天人菊 家のために財閥の妾となった如月泉美。 三島章太郎の正妻の長男、吉明と出会って・・・。―凌霄葛 酒田から福岡へ奉公へいく千恵子。彼女が書生と関係を持ち、 身籠ったことで実家に...
有馬から芦屋へと売られた姉妹、菊代と妹の雛代。 雛代へ劣等感を持ち、仲の悪いまま芦屋を離れる菊代。―天人菊 家のために財閥の妾となった如月泉美。 三島章太郎の正妻の長男、吉明と出会って・・・。―凌霄葛 酒田から福岡へ奉公へいく千恵子。彼女が書生と関係を持ち、 身籠ったことで実家に戻れず雛代、菊代の飲み屋を周り子を産む。 奉公先の娘、和江と親しくしていたが裏切ってしまうも 年老いてからの和江からの手紙がから物語が始まる。―乙女椿 和江が千恵子と会わなくなってからの物語。 素直になれなかった、と綴り、喜三郎の面影のある男とも出会う。―雪割草 うわ、あらすじになってない(汗 凌霄葛で「三島」と出てきてまず雨の塔を思い出したあたし。 それ以上に、この一冊の中でさまざまな繋がりがあるのが見えてきて、 どきどきしながら読み進めていきました。 あぁ、彼女はこういう人生を送っているんだなぁと安心したというか、 あのあとちゃんと生きていたのだと感じられました。 花宵道中でも似たような繋がりがあったけど、 花宵道中よりも時代が広く、何十年という間に広がる世間と そこに生きる女性の純粋さを羨ましく思う作品で。 官能、というより恋愛、恋愛、というより生涯を綴ったお話という印象でした。
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期待外れ。 読んでいるうちに話がつながってる...とわかるけど、別に巧い演出とは思わない。それぞれの話のキャラクターの印象が薄いので名前が覚えられない。話がつながることによる必然性も特に感じられない。別にあのキャラクターがこの役目をしなくても...というのがほとんど。わき役に回っ...
期待外れ。 読んでいるうちに話がつながってる...とわかるけど、別に巧い演出とは思わない。それぞれの話のキャラクターの印象が薄いので名前が覚えられない。話がつながることによる必然性も特に感じられない。別にあのキャラクターがこの役目をしなくても...というのがほとんど。わき役に回ったキャラクターの過去を読者が知っていることによるメリットがない。 「実は連作」風味にするよりも、もっと個々の物語を深めたほうが持ち味(と思われる)濃密な雰囲気の文章ともマッチしていたと思う。
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面白かった。大正末期から戦後までの女性の物語です。子どもは愛の結晶、なんて言いますがこの時代は次の世代へ死にゆく男性の血を残すことが女性の愛だったのかも。濃密な作品です。
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図書館で借りた物を読みたくなったので文庫を購入。 やっぱり庄内弁は安心する。だって酒田なのに山形弁使っている小説・ドラマが結構あるんだもん。 きちんと調べたあや子お姉さまを尊敬します。 そして女の絆。宮木さんの持ち味はやっぱりここでしょう。たまにエロい空気(官能描写以外でです...
図書館で借りた物を読みたくなったので文庫を購入。 やっぱり庄内弁は安心する。だって酒田なのに山形弁使っている小説・ドラマが結構あるんだもん。 きちんと調べたあや子お姉さまを尊敬します。 そして女の絆。宮木さんの持ち味はやっぱりここでしょう。たまにエロい空気(官能描写以外でですよ)漂うのもいいわぁ。蝶々のりんぷんのとこ好き! ああ、実家帰ったら聖地巡礼しようかしら……。
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どろどろだけど、美しいお話だと思いました。 短編かと思いきや、連作で、こういうのが好きなのでわくわくしました。 菊代さんと雛代さんは結局…と気になります。 女性は強い。
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大正から戦後が舞台の短編集。読んでいるうちにそれぞれの登場人物たちが絶妙にリンクしていて、物語が繋がっているのが段々はっきりしていくのが面白かった。 女性の自由が限られている時代だからこその、ひたむきで壮絶な想い。「花宵道中」でも感じたけど、この作者はそういうのを描くのがとて...
大正から戦後が舞台の短編集。読んでいるうちにそれぞれの登場人物たちが絶妙にリンクしていて、物語が繋がっているのが段々はっきりしていくのが面白かった。 女性の自由が限られている時代だからこその、ひたむきで壮絶な想い。「花宵道中」でも感じたけど、この作者はそういうのを描くのがとても巧い。 そしてエロい。
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しをんさんの解説に釣られて購入。 濃厚で読み応えあって好き。「おんなのはなし」だなあ。 話としては「乙女椿」の濃さがいちばん好き。
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大正〜平成。それぞれの時代を生き抜く3人の女たち。官能も、ただ単に肉体的な官能だけでなく心の官能が丁寧に書かれてました。宮木さん大好き。
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文庫化したので再読。大正から昭和に架けて生きた女性達の話。官能的なのに清らかな美しさが特徴的な作品です。お互いを求めずにはいられない関係、そして叶わぬ儚い願いと向かい合う決意。最後の静かな幕引きが大好きです。
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