ロング・グッドバイ の商品レビュー
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自己陶酔 カッコいいムード ハードボルド文体は、タフな主人公の平熱の一人称。 「ギムレットを飲むには少し早すぎるね」 自分がテリーであることを認めて、一緒によく飲んだあの酒を飲むにはまだ早い時間だよね、を端的に表した。
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私立探偵フィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、そ...
私立探偵フィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、その裏には哀しくも奥深い真相が隠されていた…大都会の孤独と死、愛と友情を謳いあげた永遠の名作が、村上春樹の翻訳により鮮やかに甦る。アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞受賞作。
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どこが好きなのか分からないけど、どうしても惹かれる人がいる。そんな男を友人だと思い、彼の無実を晴らすためだけに、無報酬で方々走り回り、やっぱりボコボコにされるマーロウ。 なんだろう。マーロウが本当にさよならを言いたかったのは、きっと彼なんだろうと思うんだけど。そこであーだのこーだの言わないのは、マーロウのポリシーなのかそれとも職業柄なのか。でもそれって、あまりにもマーロウが報われないじゃないか…。 タフで皮肉屋で、よくボコボコにされるけど。 多分きっと、マーロウが一番やさしい。
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数ページで村上春樹がいかに影響をこの本から受けているのかがありありとわかる。 孤独、反権威主義、シニカルな主人公。それだけ聞くとただの嫌な人間だけど、マーロウは一貫して自分の行動指針を変えない。そこがただただかっこいい。
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ものすっごく長かった‼︎めちゃロングでした。 初読みの作家さんで、ハードボイルドといえばフィリップマーロウだと思っていたけど…期待が大き過ぎたのか、わたしはハマりませんでした。 そもそも、これってハードボイルド⁇わたしはマーロウの言うことや行動に理解出来ない浅学モノです。 あらす...
ものすっごく長かった‼︎めちゃロングでした。 初読みの作家さんで、ハードボイルドといえばフィリップマーロウだと思っていたけど…期待が大き過ぎたのか、わたしはハマりませんでした。 そもそも、これってハードボイルド⁇わたしはマーロウの言うことや行動に理解出来ない浅学モノです。 あらすじも、浮気ばっかりしてるふしだら女が殺されて、その夫が逃亡、国外で自白した手紙を残して死亡、でも本当は別に真犯人がいて…って話。わりと最後はこうなんじゃないの⁇ってのはすぐにわかった。 なのにすごい長い。読むの疲れた。傍話が長いのかなんなのか… 最後は意地で読みました。
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"ミステリアスで終わらない、ちゃんとオチのある村上春樹"。めちゃくちゃ村上春樹なのに全然村上春樹じゃない不思議な感覚。ストーリーは特筆するようなところはない王道ミステリーでしたが、面白かったです。一気に読みました。
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僕が知る限り、最も気取っていて、それでいて心地いい文章表現をした小説。 どのページをめくっても手が込んだ表現がちりばめられている。 村上春樹の訳はキザで冗長なのに奇跡のようなバランスで、渇いた世界観に自然と溶け込んでいる。 この小説の好きな表現をここに書き連ねようと思ったけ...
僕が知る限り、最も気取っていて、それでいて心地いい文章表現をした小説。 どのページをめくっても手が込んだ表現がちりばめられている。 村上春樹の訳はキザで冗長なのに奇跡のようなバランスで、渇いた世界観に自然と溶け込んでいる。 この小説の好きな表現をここに書き連ねようと思ったけれど、多すぎて書ききれないことに気付いた。 ストーリーやキャラクターは映画やドラマでも楽しむことはできるけれど、文章表現は小説でしか楽しむことができない。 そんなことを実感させてくれた作品。
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今年は海外のミステリー傑作に何度か触れたけど今作もまたとんでもないクオリティを誇る作品であった。チャンドラーはミステリー作家として有名だが、訳者の村上春樹が言及しているようにミステリ以外の多くの作家に影響を与える文体を発明した。 村上春樹が訳しているので、彼の文体がいかにチャンド...
今年は海外のミステリー傑作に何度か触れたけど今作もまたとんでもないクオリティを誇る作品であった。チャンドラーはミステリー作家として有名だが、訳者の村上春樹が言及しているようにミステリ以外の多くの作家に影響を与える文体を発明した。 村上春樹が訳しているので、彼の文体がいかにチャンドラーから影響を受けたのかと安易に錯覚するが、清水俊二訳のものと比べてもチャンドラーの文体は現代に通じる、魅力的で影響を受けない方が難しい程の力強さを持ち合わせていることがわかる。 タイトルの意味を示唆する場面には痺れた…
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正月にダラダラ読んだ。 主人公がハードボイルド気取りになのに、 情に弱くきな臭いことに巻き込まれて、ボコボコにされるギャップがなんと愛おしいなと思った。 この辺りが村上春樹のキャラクターっぽい。 けど、強大な資本主義的なシステムに絡めとられそうになるけど、ずっと「友情」というも...
正月にダラダラ読んだ。 主人公がハードボイルド気取りになのに、 情に弱くきな臭いことに巻き込まれて、ボコボコにされるギャップがなんと愛おしいなと思った。 この辺りが村上春樹のキャラクターっぽい。 けど、強大な資本主義的なシステムに絡めとられそうになるけど、ずっと「友情」というものを信じて、 自分の筋を通そうとするところが非常に魅力的だった。 「ギムレットを飲むのはまだ早すぎる」はじめ名文・名台詞が次々と出てくる。 「さよならを言うのは少しだけ死ぬことだ」というのは本作に限らず、 普遍的な友や知人との別れに関する金言だなと改めて思う。 あと、ロバートアルトマンの映画版と比べると、フィリップマーロウとレノックス出会い、3人の医師を尋ねるくだりやハーラン・ポッターのお金やシステムに関する説法などカットするにはもったいない描写が数多くあったなあ。
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時間は元には戻らない。あの頃の友には、もう会えない… 村上春樹の訳で文体が心地良い。ハードボイルド。 ミステリー劇もさることながら、人間関係の無常さが胸に刺さりました。
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