ロング・グッドバイ の商品レビュー
(本格)ミステリとして読むのならば、あまり期待に応えられないかもしれない。巻末の村上春樹の解説にあるように「準古典」として向き合うのがいいだろう。 恥ずかしながら、20年越しの読了となった。村上春樹に多大な影響を与えたアメリカ文学の名作。避けるわけにはいかない。しかし、清水訳で...
(本格)ミステリとして読むのならば、あまり期待に応えられないかもしれない。巻末の村上春樹の解説にあるように「準古典」として向き合うのがいいだろう。 恥ずかしながら、20年越しの読了となった。村上春樹に多大な影響を与えたアメリカ文学の名作。避けるわけにはいかない。しかし、清水訳でも村上訳でも、挫折した。だいたいが、レノックスからの手紙が届いて、プールのシーンになってからだ。別の依頼案件に話題が移るのだが、いっこうに物語のドライブがあがってこない。二つがからんで動き出すのが、だいたい450ページぐらいから。ここまでちびちびと読んできたが、そこからは一気にいけた。(これからトライする読者は、まずはここまで踏ん張ることを目標にするといいだろう) 村上春樹の原点というべき、ことこまかな描写、どうでもいいことへのこだわり、社会や組織、男や女へのクールな目線などなど、味わい深い言葉に出会える。特によかったのが終盤。ネタバレになるので詳細は控えるが、以下のような表現だ。 「さよならは言いたくない。さよならは、まだ心が通っていたときにすでに口にした。それは哀しく、孤独で、さきのないさよならだった」(p592) 巻末の詳細な、愛のこもった村上春樹の解説と合わせて読んで、星4つ(作品だけなら星3つ)。
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最後まで主人公のマーロウは好きになれなかったが、登場人物は魅力的な人ばかりだった。そして推理を明かす場面はお見事。前半、マーロウの心情がよく理解出来なかったが、読み進めていくうちに彼の言動の意図がようやくわかってきた。「さよならは小さな死」という言葉がお気に入り。村上春樹訳は見事...
最後まで主人公のマーロウは好きになれなかったが、登場人物は魅力的な人ばかりだった。そして推理を明かす場面はお見事。前半、マーロウの心情がよく理解出来なかったが、読み進めていくうちに彼の言動の意図がようやくわかってきた。「さよならは小さな死」という言葉がお気に入り。村上春樹訳は見事にこの時代特有の言い回しを表現している。
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長かった…読み終わるまでにめっちゃ時間かかった… 話の展開はよかったし、名作と言われる所以もなんとなく分かったけど、でもわたしにはマーロウの考え方が全然分からなかった。 肉体をあんなに酷使してまで、守りたいモノがあるんだなあ。 あとはこれはスコアには含めていないけれども、ハード...
長かった…読み終わるまでにめっちゃ時間かかった… 話の展開はよかったし、名作と言われる所以もなんとなく分かったけど、でもわたしにはマーロウの考え方が全然分からなかった。 肉体をあんなに酷使してまで、守りたいモノがあるんだなあ。 あとはこれはスコアには含めていないけれども、ハードボイルドまじで苦手民のわたしには、この作品は正直しんどかった…蹴ったり殴ったり、暴行はやめて……
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古典的な名作を読んでみた。 まず当時の1ドルは現在のどれくらいになるのかと下世話な疑問から入ってしまった。村上春樹さんとしてはどうでも良いのかもしれないが。 翻訳を直すならもう少し分かりやすくして欲しかった。 こんな時代から道徳心のない女性、金持ちが描かれていたとは知らなかった。...
古典的な名作を読んでみた。 まず当時の1ドルは現在のどれくらいになるのかと下世話な疑問から入ってしまった。村上春樹さんとしてはどうでも良いのかもしれないが。 翻訳を直すならもう少し分かりやすくして欲しかった。 こんな時代から道徳心のない女性、金持ちが描かれていたとは知らなかった。 事件の解決方法は今時ではないけど、キャラクターは楽しめたので、やっぱりいい作品なんだと思う。
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渋い。マーロウは理解できない一面もあるが男が憧れる存在感を持つ。また、その他の登場人物の描写も独特で、かなり具体的にイメージできる点が素晴らしい。主題と関係ないが、随所に訪れるバーのシーンは印象深い。
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村上春樹が受けた影響をそこかしこに感じる。細かい情景の描写、食べるシーンや酒を飲むシーンの多さとか。ストーリーも。
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セリフの返しが逸脱すぎた。 彼の語り口に惚れてしまう… おもしろくない会話がひとつもない作品に出会ったのは、初めてかもしれない。
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孤高の男探偵マーロウが、友人の死に隠された謎を解き明かしていく探偵小説。読みきった直後の感想は、長かった、、、でも、、、楽しかった。なにが一番楽しめたかというと、マーロウのハードボイルドかつウイットに富んだ長広舌だ。ミステリでありながら先の展開を待ちわびることなく(いい意味で)、...
孤高の男探偵マーロウが、友人の死に隠された謎を解き明かしていく探偵小説。読みきった直後の感想は、長かった、、、でも、、、楽しかった。なにが一番楽しめたかというと、マーロウのハードボイルドかつウイットに富んだ長広舌だ。ミステリでありながら先の展開を待ちわびることなく(いい意味で)、その場の状況に釘付けにされていしまう。また、登場人物の描写に関しては、チャンドラーの圧倒的な筆力をひしひしと感じさせられた。こういった文体の魅力は、村上春樹訳だからこそ引き出されるところがあるのかもしれない。
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話の構成がよすぎで引き込まれるし、もしかして犯人はこの人かなーみたいのも当たったり当たらなかったりで読んでて楽しい。ハードボイルドといえはフィリップ・マーロウなんですか?こりゃ読んだらシリーズ読みたくなる感じ。 私の苦手な外人名ですが、先日読んだLAヴァイスはカタカナ名に完全閉口...
話の構成がよすぎで引き込まれるし、もしかして犯人はこの人かなーみたいのも当たったり当たらなかったりで読んでて楽しい。ハードボイルドといえはフィリップ・マーロウなんですか?こりゃ読んだらシリーズ読みたくなる感じ。 私の苦手な外人名ですが、先日読んだLAヴァイスはカタカナ名に完全閉口したが、これは全然大丈夫だったのでカタカナ苦手じゃなかったみたい。 ひとつ気になるのは、訳が春樹さんな点。春樹さん以外の訳本も気になる。何故ならば。文の細やかな雰囲気はどうしても訳者さんに左右されそうで。春樹さんがこの本が好きすぎるのが分かるし、影響相当受けたのではって全体的を通じて思ってしまった。はるき節が入ってるのではと穿っているので機会があれば他の訳者さんのも読みます。原本はちょっとこの内容だと私には無理そうなので汗 中高生新聞でお勧めされていて
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文学ラジオ空飛び猫たち第二回紹介本「ギムレットにはまだ早い」 友人テリーの死について自分自身で答えにたどり着きその事実に向き合ったときの哀愁がたまりません。マーロウが持っていただろう「期待」。それがある意味、裏切られる形になってしまいますが、男の性のようなものが見えて、強い憧れを...
文学ラジオ空飛び猫たち第二回紹介本「ギムレットにはまだ早い」 友人テリーの死について自分自身で答えにたどり着きその事実に向き合ったときの哀愁がたまりません。マーロウが持っていただろう「期待」。それがある意味、裏切られる形になってしまいますが、男の性のようなものが見えて、強い憧れを抱きました。報われないことに惹かれるという不思議な感情を味わうことができるのも、この作品の良いところかもしれません。 エンタメとして本当におもしろい小説だと思っています。最初から最後までスリリングで、1950年代に書かれたものですが、今でも新鮮に読めると思います。主人公のマーロウの会話とか、次々に場面が転換していくテンポの良さとかもいいのですが、個人的には、テリー・レノックスが抱える影というか、哀しみが忘れられないです。 『グレート・ギャツビー』のような華やかさと重くのししかる影をはらんだ作品で、想像力をかきたてられます。最後まで読むと、すごくいい余韻に浸れると思います。 →https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/2-efl49f
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