さくらの丘で の商品レビュー
小路さんっていつの間にか、多作の作家さんになっておられたんですね。(*^_^*)穏やかな筆致はいっしょながら、物語の内容ではいろんな方向性をお持ちの方のようで、その意味では出るたびによくも悪くも新しい世界を見せられている気がします。「さくらの丘で」は戦後すぐの山の集落に住む仲良し...
小路さんっていつの間にか、多作の作家さんになっておられたんですね。(*^_^*)穏やかな筆致はいっしょながら、物語の内容ではいろんな方向性をお持ちの方のようで、その意味では出るたびによくも悪くも新しい世界を見せられている気がします。「さくらの丘で」は戦後すぐの山の集落に住む仲良しの女の子3人と、現代のその孫の女の子たち3人を中心として話が進んでいきます。さくらの丘、「学校」と呼ばれる西洋館、遺言でなぜか孫たちに贈られていたその丘と学校、というミステリー仕立ての優しい物語でした。大人も子どもも、皆、魅了的なキャラ付けで面白く読めたし、戦争に絡めた小路さんのメッセージも無理なく伝わってきて、落ち着いた小品になっていたと思います。現代の主人公の女の子の叔父さんである楓さん(大学卒業と同時に宝くじを当ててしまい、そのまま正職につかずに風来坊として生きている)が好きだった。宝くじなんていう、荒唐無稽な設定がうん、こんなことってどこかではあるのかも、と思え、またその後の彼の生き方にも惹かれるものがあって。(*^_^*)ただ・・・ちょっと後半は端折りすぎかな。もうちょっと書きこんでくれてもよかったような。そして、この表紙はちょっといただけない気がする。赤、ではないんだよね・・・この丘は。ピンクでもって、もっとゴージャスな桜をイメージしてもらいたかったな。
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戦後まもなく、同じ時間を同じ場所で同じ秘密を抱えて生きていた3人の祖母たち。3人の最後の一人のおばあちゃんがこの世から去ったとき、孫達に伝えられた、遺された大切な「秘密」。 この物語に出てくる人がみんな、素敵な人でよかったなぁと思う。 おばあちゃんたちが遺した大切なものたちを、...
戦後まもなく、同じ時間を同じ場所で同じ秘密を抱えて生きていた3人の祖母たち。3人の最後の一人のおばあちゃんがこの世から去ったとき、孫達に伝えられた、遺された大切な「秘密」。 この物語に出てくる人がみんな、素敵な人でよかったなぁと思う。 おばあちゃんたちが遺した大切なものたちを、守っていける素敵な人たち。少しミステリアスなところのあるさわやかな本でした。
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安心して読めるいつもの小路さんらしい登場人物たち。 「戦争は大嫌いなんですよ」死ぬほど嫌いだと吐き捨てるように言った。 ここなのかな。
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今回の作品は、現代と第二次大戦直後の二つの時期にまたがる祖母とその孫たちの奇跡のような物語。山に囲まれた谷間の小さな集落を見下ろす丘に、大きな桜の木と昭和の初めにたてられたという洋館が残されている。一人の老女が息を引き取り、可愛がっていた孫娘に一通の手紙が遺された。その古びた封筒...
今回の作品は、現代と第二次大戦直後の二つの時期にまたがる祖母とその孫たちの奇跡のような物語。山に囲まれた谷間の小さな集落を見下ろす丘に、大きな桜の木と昭和の初めにたてられたという洋館が残されている。一人の老女が息を引き取り、可愛がっていた孫娘に一通の手紙が遺された。その古びた封筒の手紙には一本の鍵と、すぐに連絡を取るべき人たち二人の名が記されていた。謎が謎を呼ぶ展開で、手紙を託された主人公が一体どこに導かれていくのか先が見えない。読者の好奇心を笑うかのように、物語は謎を明かそうとする現代と物語の発端となる事件の起きた戦後の村を交互に描いていく。それぞれに手紙と鍵を託された平成の孫娘三人の活躍と戦後の村の三人娘の勇気と意気込みがかみ合って面白い。さすがに元ゲーム作者の構成というストーリー展開だ。まあ、いろいろご都合主義的な設定と、ややあっけない結末は小路さんだから許してしまう。とにかく一気に読み終えてしまうお話だ。それにしても派手なカバーの装丁だ!
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好きです。小路幸也作品らしい、さらっと読めて、読後感もよくて、ふんわりしてて~って作品なんだけど、深い。いろいろ考えさせられます。そして私も「戦争、大嫌いなんですよ」
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桜の咲く丘に建てられた洋館にまつわる物語。 戦後間もない頃、そこの管理を任されていた女の子3人の回想。 それぞれの孫娘たちがおばあちゃんの死をきっかけに 洋館に揃って訪れることになって、初めて知る事実。 それらが交互に語られて物語は展開。 やっぱり小路さんの本にはいい人しか出て...
桜の咲く丘に建てられた洋館にまつわる物語。 戦後間もない頃、そこの管理を任されていた女の子3人の回想。 それぞれの孫娘たちがおばあちゃんの死をきっかけに 洋館に揃って訪れることになって、初めて知る事実。 それらが交互に語られて物語は展開。 やっぱり小路さんの本にはいい人しか出てこない。 その点は別に不満ではない。というか、むしろ好き。 でも、ちょっと今回の話は少し現実味がないかなー。 主人公たちにもうまく感情移入できませんでした。
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ロンさんとけい子さんの最後の決断は 残念でならないけれど、それも時代・・・なのかな。 やわらかくあたたかい小品。
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