ηなのに夢のよう の商品レビュー

3.9

101件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2011/11/25

「λには歯がない」を読んでから、 すっごく時間を開けて、この作品を読んだら、Gシリーズの最初の方の作品内容の記憶が薄れていて、読み返しが必要だと思った(^_^;) やっぱり読み返すなら、「すべてがF〜かなぁ〜」(−_−;)

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2011/11/24

一応ミステリーであるはずが、発生した事件の顛末についての扱いのぞんざいさが新鮮というか、却って「面白いじゃないか」と思わせてくれた。 自殺であれ他殺であれ、人が死んでいくそのすぐ近くで、いつも通り生きていかなくてはならない人が無数にいる。 そして、見知らぬ人のミステリアスな死よ...

一応ミステリーであるはずが、発生した事件の顛末についての扱いのぞんざいさが新鮮というか、却って「面白いじゃないか」と思わせてくれた。 自殺であれ他殺であれ、人が死んでいくそのすぐ近くで、いつも通り生きていかなくてはならない人が無数にいる。 そして、見知らぬ人のミステリアスな死よりも、身近の大切な存在の命が終わる瞬間の方が何倍も胸に残る。 そういうものだ。

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2011/11/16

地上12メートルの松の枝に、首吊り死体がぶら下がっていた。そばには、「ηなのに夢のよう」と書かれた絵馬が。その後も特異な場所での首吊り自殺が相次ぐ。一方、西之園萌絵は、両親の命を奪った10年まえの飛行機事故の真相に近づく。これら一連の事件に、天才・真賀田四季は、どう関わっているの...

地上12メートルの松の枝に、首吊り死体がぶら下がっていた。そばには、「ηなのに夢のよう」と書かれた絵馬が。その後も特異な場所での首吊り自殺が相次ぐ。一方、西之園萌絵は、両親の命を奪った10年まえの飛行機事故の真相に近づく。これら一連の事件に、天才・真賀田四季は、どう関わっているのか―。

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2018/05/13

「いや、相変わらず、全然料理していないね…」 「してますよ、ときどき…、まあ、主にトーストことかが多いですけど」 「通常、自殺というのは、本人にとって、最も簡単な手法が選択される」 「どうして、簡単な手法が選ばれるわけ?」 「難しい手続きこそが、生きていくこと、生き続けることの...

「いや、相変わらず、全然料理していないね…」 「してますよ、ときどき…、まあ、主にトーストことかが多いですけど」 「通常、自殺というのは、本人にとって、最も簡単な手法が選択される」 「どうして、簡単な手法が選ばれるわけ?」 「難しい手続きこそが、生きていくこと、生き続けることの象徴だからだろう」 「うん、やっぱり、宗教なんですよ、これは」 「わからないものは、全部、宗教?」 「命を粗末にしている、と私たちは思いますよね。だけど、彼らにしてみれば、ああいうのが、一番命を粗末にしてない、大切にした結果かもしれないわけですし」 「なんでもできただろう。いつでも、どこでも、真賀田四季に不可能はない」 「希望がありますか?」 「希望? 希望って、何?」 「うーん、楽観的観測」 「データから目を逸らすことかな?」 「まだ得られていないデータに対する期待です」 『まったく、悲しいのだけは、どうしようもない。苛立たしいのも、恐ろしいのも、寂しいのも、なんとかできる。きっと解決ができる。けれども、悲しみだけは、解決がない。悲しいというのは、解決がない、という意味なのだ。』 「わかった。なんか、元気がないね」 「そんなことありません」 「そう?」 「ちょっと、月を見て、悲しくなってしまったの」 「今日は、月は出てないだろう」 「そのようですね。さあ…それじゃあ、行きますからね、覚悟しておいて下さいよ」 「ああ、じゃあね、出しておくよ」 「え、何をです?」 「月を」 『世の中の結びつきとは複雑なものだ。どんどん複雑になっていく。最初は、まるで蜘蛛の巣のように、その構造が成立する最適の形で構築されるのに、未来への不安からなのか、どんどん補強され、それに従って醜く糸が張り巡らされる。そのうち、自分の糸で身動きが取れなくなるのではないか。』 『苦しい夢を見ているときは、早く覚めてほしいと思う。 それは、死を願う気持ちとまったく同類だ。』 『未来の光で過去に影ができる。それだから、過去もいつも変化しているのだ。』 『どんな理由で死んだのか、どんな理由で殺されなくてはいけなかったのか、知りたいです。だって…』 『理由を知って、後悔をしたいの? そんなことだったら、こうしておけば良かった、こうしておけば死なずにすんだのにって、悔しがりたいの?』 『何だろう? 何故、理由を求めるのだ? 理由を知りたい? 知ってどうする? どんな理由なら満足できる? 否、満足など絶対にない。 どんな理由も、結局は拒否するだろう。 それなのに… 何故? 何故だろう?』 『死ぬことって、それほど特別なことかしら? そうじゃないわ。本当に、身近なことなんですよ。涙を流すことって、特別なこと? ドラマや映画を見たって、すぐに涙が出ます。本当に、日常的なことじゃない? 別れは毎日ある。生命は刻一刻どんどん入れ替わっている。人間よりも、もっともっと短い時間しか生きられないものが沢山あります。今鳴いている虫は、もう明日は死んでいるのよ。それが虚しい? でも、普通のことでしょう? とても平和で、穏やかなことなんです』 『つまり、どうせ一度死ぬのならば、自分で今と決めて死にたい、と考えるのね。そう、たとえばね、立っている場所がもうすぐ崩れ落ちるというとき、崩れるぎりぎりまで待つ人と、自分からジャンプして落ちていく人がいるじゃない? それだけの違いでしょ? どちらも生きたのです。一回生きて、一回死んだのです。同じじゃありませんか?』

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2011/10/15

今回はGもS&MもVもシリーズが絡みあう交差点のような巻。 η関連は不可思議な首吊り事件だけれども、むしろ中盤は西之園萌絵の飛行機墜落事件の方に主役が取って変わられているような。 いつも以上に「生」と「死」を考えるキャラクター達が印象的。

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2011/10/15
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今回の事件は突飛な場所での首吊り自殺。 布地や絵馬にメッセージ「ηなのに夢のよう」があったことから一連の事件への関連が疑われる。 他シリーズの主役も登場、そちらを読んでる人には興味深い一作かも。 前作から西之園さんの過去と、それを乗り越えるというテーマが出てきた。今作もそれが主要テーマで、「両親の死を直視しないよう自分とは関係ない死を求めた」という犀川の言葉は厳しい。 "苛立たしいのも、恐ろしいのも、寂しいのも、なんとかできる。きっと解決ができる。けれども、悲しみだけは、解決がない。悲しいというのは、解決がない、という意味なのだ。" に共感。 だがその後の犀川とのやりとり、闇から一転して満月を望むシーンがまた良い。 悲しみを転化させる方法、これもまた「信号」なのだろうか。暗い道に引きずり込むよりずっと素敵な使い方だ。 トリックについてはこういう方法もある、ああいう方法もあると可能性が示されるだけだった。犯人についてもたぶんあの人じゃないか、という示唆。 なんで1ヶ所目の現場には布と絵馬2つメッセージがあったんだろう。 絵馬は彼が書いたかもって話だから、布はまた別人が置いていったのか? 反町愛に届いたメールも意味深。「大切にしろ。今は自分の中にあると認められるものを」って、これ恋人のことっぽいよなあ。金子が辞職も考えて結婚を申し込んだのは、もしかして暗にそういうメッセージを受け取ったからかと思ったんだけど…うーむ。 那古野ばかりで事件が起きるってのもなんでなんだろ。 犀川先生引きずり出し作戦実行中? そろそろ学生3人組の愉快な会話も聞きたいなあ。 足打ちって足で踏んで作る麺、あるよね。あの会話で自分の思考回路はどちらかというと加部谷さんよりなんだなとわかる。手打ちにしたのはお殿様!

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2011/10/06

本作では西之園と過去の飛行機事件(身近な死)との対面が一つの流れとしてある。犀川も言うように、西之園には「自分に近しい死から目を背け遠く離れた死に目を向ける」ところがある。そう言った内容の話の最後がトーマとの別れ。身近なものの死にしっかりと向き合い「ありがとう」と言えたことで西之...

本作では西之園と過去の飛行機事件(身近な死)との対面が一つの流れとしてある。犀川も言うように、西之園には「自分に近しい死から目を背け遠く離れた死に目を向ける」ところがある。そう言った内容の話の最後がトーマとの別れ。身近なものの死にしっかりと向き合い「ありがとう」と言えたことで西之園はまた一つ解放されたのでは。

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2011/09/04
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S&Mシリーズも、Vシリーズも、四季シリーズも、百年シリーズも垣間みれたような気がする1冊。これは単独じゃなくて、シリーズの中で読むから面白い。 ・紅子さん好き!  「建築としては、明らかに核シェルタを想定したものですね」P.192にぞくり 続きが早く読みたい。

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2011/08/22

今までの色んなシリーズが絡み合って面白くなってきた!でも絡みすぎて、収拾がつかなくなるんじゃないかとちょっと心配でもあります。でもきっと森さんの事なので、素敵な結末が待っているのでしょう。

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2011/08/18
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1冊で完結しているようでしていない… 続きが気になってしまう作品。 αは既に発売されているようなので、近いうちに購入してこようと思う。 萌絵も転換期。 やっぱり続きが気になる(笑) このところ立て続けに読んだのでこの作品だったか不明瞭だが。。。 犀川せんせが「竹橋」にいた。 …びっくり。私の勤務地の最寄り駅です。あのホテルか?と想像して にまにましてしまった。

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