ふがいない僕は空を見た の商品レビュー

窪美澄【著】

2023/04/26

聞いていた通り、なかなか人前で読めるような本ではないし、人に薦めるのも難しい。

目を背けたいことが世の中にも、自分の心の中にもあって、でも、それを直視することの困難さこそが生きることなのかも。

ものすごく心にも頭にも残る本。

2023/04/24

どこにでもいる、という訳ではないけれど、若くて年頃の主人公が妙にリアリティを感じた。抑えきれない欲望、反対にある理性と必死に戦っている。そんな彼が最初と最後では命の重さを実感したように、生命の誕生を心から待ち望んでいる。彼の中で芽生えた感情が誠実に成長していったんだなぁと感じた。
それぞれ苦悩があるけど、どれも一人ではなかった。自分ひとりだけじゃ生きられないし、誰かがそばにいてくれ、誰かのために自分も生きている。生きるとはそういうことなのかな。読んでいてそう感じた。

2023/04/12

読み始めてから、映画化されたことがある作品と知った。
初めの方は、性描写があまりに多くて、どういう作品？って思ったけど、周辺の様々な人の描写があり、その人たちにも貧困で犯罪を悪いとも思ってない育ち方、カルト集団に入ってしまうなどの過去がある中、今どう生きるのか。。徐々に引き込まれた。
明るさが感じられる最後がよかった。

2023/04/17

読み始めてすぐに官能小説？！って思うくらいの
表現で書かれていて少しびっくりしたが、
とても読みやすい文書で、すぐに読み終わってしまった。

物語によって、どんどん先が気になるものと、
少し読むのがしんどいものがあり、
個人的にはムラあり、、

でも全体通して、楽しく読めた。

作者の他の作品も読んでみたい！

2023/04/25

窪美澄さんは、なんでこんなにいろいろなことを知ってるのだろうか。窪さんの本は4冊目。すばらしく、面白い本に出会えた。性的な描写はかなりどぎついけど最初のうちだけで、思った以上に深い人間の物語。
最後に出てきた、助産師の母のセリフ「自然に産む覚悟をすることは、自然淘汰されてしまう命の存在をも認めることだ」私が自分の出産経験から得た認識にピッタリ。妊娠したからと言って健康に産まれてくるのが当然なわけじゃない。
自然出産、素晴らしい！と言うのは簡単だけど、だったらあなたの子どもが淘汰されても平気なのか⁈と問いたい。現代の医療技術なら難なく助かった命が、自然出産にこだわったばかりにもし失われたとして、現代人に簡単に諦めがつくものだろうか。こだわりさえ捨てれば簡単に助けられた命…私なら絶対に無理。子どもの命はこの世の何よりも一番大事。母になった今、どうしてもそう思ってしまう。
自然出産への安易なこだわりは本当に危険だと思う。

2023/01/15

はじめ、生々しい性描写にびっくりしたけど、登場人物それぞれに感情移入してしまうくらい切ない話だった。
読み終わったあとの余韻がよかったなあ。

2023/01/14

冒頭の性描写には驚いたけど、個々の暮らしぶりとと心理描写には、深く考えさせられる。
後半に行くにつれ、キャラが愛しくもあり、不可解でもあり幸せになって欲しいと願ってしまう。終わり方が唐突だったので、もう少し何かが動く兆しが見たかった。

2022/12/20

感想
男女での性欲のズレ。遺伝子によって組み込まれたものなのか。それでも人間は対話による歩み寄りが可能。経験することで大人への道を歩み始める。

2022/11/15

始めから性描写が多くて、私が読みたいのと違った感じがした。それでも、読み終えて良かったと言う感想に励まされて読了した。内容は感じるところがあったが、これ何でR指定じゃないのか、はたまた私の読解力がないのか、そんな、作品。

2022/10/16

最初、性描写が多くて「あぁ…そっち系か」と暗澹たる気持ちになったけど、お出掛けのお供だったため、仕方なく読み進めたら、なんと、とても良い本だった。
登場人物のオムニバス緩やかに繋がる短編集なんだけど、好奇心やエロのフェーズから段々に…性から生へ深くなっていく構造が深イイ！