あなたに贈る× の商品レビュー
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全寮制の高校で、キスを原因とする架空の病気で亡くなった女子高生を巡る物語。 この人の本を何冊も読んでるからだろうか、何が原因で誰がどういう気持ちで行動したか、だいたい分かってしまって、ふうんやっぱり、と読んでいた。だからこそ最後の何ページかのそうきたか!ていう驚きの心地よかったこと。なんか若い子向けの本にしては耽美な雰囲気が全編に漂う本だった。
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ヤングアダルトのコーナーで、まさか近藤史恵さんの著作に出会うとは。という驚きで手に取った本。 若い方が読むのとは、また違う読み方になるのでしょうね、おばちゃんは。 いいよね、キス。 しばらくしてないし、予定もないわー。 差別、多様性、近藤さんがいつもさりげなく織り込むテーマもあ...
ヤングアダルトのコーナーで、まさか近藤史恵さんの著作に出会うとは。という驚きで手に取った本。 若い方が読むのとは、また違う読み方になるのでしょうね、おばちゃんは。 いいよね、キス。 しばらくしてないし、予定もないわー。 差別、多様性、近藤さんがいつもさりげなく織り込むテーマもあって考えさせられつつ、物語性も豊かで飽きさせず、最後にはきっちりミステリー作家の本領をぶちかます、さすがの筆力。脱帽ですわ。 コロナが現れる10年も前にこんな小説が世に出ていたなんて。すご過ぎる。
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一気読み! キスをすることが禁止されている時代、故にキスというものを知らない女子高生が主人公の物語。 キスによってのみ感染する致死率100%の謎のウイルスが存在する、この設定だけでどんどん想像が膨らみました。 ヤングアダルト向けということもありとても読みやすかったです。 ラストが...
一気読み! キスをすることが禁止されている時代、故にキスというものを知らない女子高生が主人公の物語。 キスによってのみ感染する致死率100%の謎のウイルスが存在する、この設定だけでどんどん想像が膨らみました。 ヤングアダルト向けということもありとても読みやすかったです。 ラストがいい! そしてタイトルにも納得です。
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面白かったです。キスで感染する致死率の高い感染症が蔓延る世界、キスは忌まわしいものとされてしまい、男女ともに純潔が好まれている世界。 舞台は全寮制の高校で、主人公の美詩が憧れていた先輩がある日亡くなってしまう。原因はどうもあの感染症らしい…主人公は衝撃を受けながらも、他の上級生と...
面白かったです。キスで感染する致死率の高い感染症が蔓延る世界、キスは忌まわしいものとされてしまい、男女ともに純潔が好まれている世界。 舞台は全寮制の高校で、主人公の美詩が憧れていた先輩がある日亡くなってしまう。原因はどうもあの感染症らしい…主人公は衝撃を受けながらも、他の上級生とキャリア探しを始めるミステリ。 世界観、保障制度もそれに伴う階級社会も、ベーシックインカムが導入されたらこうなるんだろうな、と思って分かりやすかったです。 S的世界かな…と思っていたらがっつり同性愛でしたが好きです。砂川くんかなり良かった…先生とお幸せにと思う。登場人物たち、皆さんそれぞれ良かった。 織恵さんの絶望は計り知れないけど、大好きな美詩に殺されたと思って亡くなったんだろうか。美詩も、病で絡まり合う…って表現してたし、よく分からない感覚だけれどひとつの幸せなのかも。謎を解いていく度に見ていたものが反転していく、でも相手と実際に接した感覚が正しい、となる展開も好きでした。 終わりの展開も好きでした。PHP版には後日譚もあるらしいので読みたいです。
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女子高生モノでキスをするとウイルスに感染して人が死んでしまう世界。致死率100%とか設定がすごすぎる。女子高生のロマンチックさと全寮制、同性愛などスラスラ読めてしまった。
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表紙やタイトルで避けていたけど、読んでみるとやはり近藤さんらしく読みやすい話でした。真相も良い。 もう少し世界観の描写を強くしてくれればさらに良かった。 PHP版?には後日談が載っているらしいのでそちらも読んでみたいと思います。
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キスでのみ感染する死病っていう設定も全寮制学校の女子寮って舞台も両方好みで引きこまれた。装丁も凝ってて可愛らしい。真相はわりと読めちゃうんだけど、このホワイダニットはやっぱり好きだなぁ。最後はそれで大丈夫なの?と思ったけど。
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2013年に発見された、唇を合わせると感染し数週間で死に至る病。そのキャリアを判定する検査法は、2028年になっても実用化されていなかった。ある日、全寮制の学園で女生徒が亡くなった。彼女は、美詩が「自分を受け入れてくれる場所などどこにもない」と思っていた時に、柔らかい笑顔をくれた人だった。始めは少女漫画の様に、近未来の全寮制の学園を舞台に繰広げられる物語は、頁が残り少なくなる頃に近藤史恵さんらしい独特の香りが漂い、読者にも少女のような硬い殻を脱ぎ捨て、大人の女性として翅を広げることを促しているようだった。 これって、私が読んだ近藤史恵さんの中で、初めてのSF?いずれにしても、男性の作家さんには書けない世界、いつまでも少女の心を忘れない近藤史恵さんが、少しずつ現実を受け入れてゆかなければならない少女たちに贈る物語り。もちろん、既に現実を受け入れ逞しく生きている大人の女性の皆さんにも、あの頃の健気な自分を思い出させてくれるのではないでしょうか? 近藤史恵さんは、常に新境地を拓くように創作活動を続けられていて、凄いと思います。でも、どの世界も、結局、史恵ワールドに収斂してしまうという結末もファンにとっては嬉しいではありませんか!「何らかの理由で自分の居場所を見つけ出せないでいる少女~若い女性が、新しい出会いから出口を見出し、力強く歩きだす。」という物語りは、多くの読者に、希望と勇気を与えてくれるような気がします。
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近藤さんの作品は心のそばに寄り添って、同じ速度で進んでくれる、優しさを感じる。 時に誘導して、時に触らせて確かめる。 1人の少女。 見ない選択、行動する選択、知る選択。そして見える景色が変わる。 自分には思いどおりにならないその身に降りかかることを、嗅ぎとる嗅覚。 確かにあった...
近藤さんの作品は心のそばに寄り添って、同じ速度で進んでくれる、優しさを感じる。 時に誘導して、時に触らせて確かめる。 1人の少女。 見ない選択、行動する選択、知る選択。そして見える景色が変わる。 自分には思いどおりにならないその身に降りかかることを、嗅ぎとる嗅覚。 確かにあった愛、降りかかる愛、そこにある愛。
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[ 内容 ] 感染から数週間で確実に死に至る、その驚異的なウイルスの感染ルートはただひとつ、唇を合わせること。 昔は愛情を示すとされたその行為は禁じられ、封印されたはずだった。 外界から隔絶され、純潔を尊ぶ全寮制の学園、リセ・アルピュス。 一人の女生徒の死をきっかけに、不穏な噂が...
[ 内容 ] 感染から数週間で確実に死に至る、その驚異的なウイルスの感染ルートはただひとつ、唇を合わせること。 昔は愛情を示すとされたその行為は禁じられ、封印されたはずだった。 外界から隔絶され、純潔を尊ぶ全寮制の学園、リセ・アルピュス。 一人の女生徒の死をきっかけに、不穏な噂がささやかれはじめる。 彼女の死は、あの病によるものらしい、と。 学園は静かな衝撃に包まれた。 不安と疑いが増殖する中、風変わりな犯人探しが始まった…。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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