チョコレートの町 の商品レビュー
今回の飛鳥井作品は、若者のおしごと系小説に故郷のエッセンスを混ぜた感じで、著者と同年代の若者たちへ送るエールのような小説。大都市N市近郊のチョコレートの匂う町が故郷という主人公が、ひょんなことからの仕事のためにしばらく実家に身を寄せるはめに。その間の故郷での出来事が、いくつかのエ...
今回の飛鳥井作品は、若者のおしごと系小説に故郷のエッセンスを混ぜた感じで、著者と同年代の若者たちへ送るエールのような小説。大都市N市近郊のチョコレートの匂う町が故郷という主人公が、ひょんなことからの仕事のためにしばらく実家に身を寄せるはめに。その間の故郷での出来事が、いくつかのエピソードと共に描かれる。地方都市という中途半端な田舎っぽさや、やけに人間関係が密なところが嫌で、大学進学を機に故郷を捨てるように上京した主人公が、仕事がきっかけとはいえ、どっぷりと故郷の故郷らしさを体験する。その間のいくつもの出来事が、彼の故郷観を変えていく様子がなかなか良い。家族との距離の取り方や、同級生や共通の知人との関係など、、、それまで見えなかったものが見えてくるのは彼自身の成長の証しだろう。
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夢多きはずの青年、あれよあれよという間に故郷に引っ張られ・・・彼の本当の居場所は? パターン化したなんだかんだ言っても故郷大好き!的な小説に終わらずによかった。
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