1,800円以上の注文で送料無料

最後の命 の商品レビュー

3.5

84件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2014/11/15

映画化につき読み直し。中村氏の作品に必ず描かれている、悪の追求が好きです。なぜならだれにでも心の奥底に潜んでいるものだから。

Posted byブクログ

2014/10/22

ページ数はそれほど多くないので、さくっと読みきることはできましたが内容は重いですね。 2人の同級生が小学生時代に体験したあるレイプ事件に端を発し、その後その事件が大きく2人の人生観を歪めていき、大人になってから新たな事件を起こしてしまうという話ですが、そこには悲しい結末が待ち受け...

ページ数はそれほど多くないので、さくっと読みきることはできましたが内容は重いですね。 2人の同級生が小学生時代に体験したあるレイプ事件に端を発し、その後その事件が大きく2人の人生観を歪めていき、大人になってから新たな事件を起こしてしまうという話ですが、そこには悲しい結末が待ち受けていることになります。 罪と罰、生と死という難しいテーマを扱った作品ですが最近映像化もされているようなので、この話をどう映像化しているのかは気になるところですね。 また、どことなく道尾秀介チックな作風の小説だと思ったのは私だけでしょうか?

Posted byブクログ

2014/10/17

著者の「悪意の手紙」と作風というか、読んだ後に感じるものが似ている。今作で言えば、主人公は死という事柄に対してそれほど強い思いはないのだが、取り巻く環境は常に歪んでいる。普通であることから不条理的に外され、自分の”普通”と、不特定多数の当たり前な”普通”が全く違う、環境の違いに苦...

著者の「悪意の手紙」と作風というか、読んだ後に感じるものが似ている。今作で言えば、主人公は死という事柄に対してそれほど強い思いはないのだが、取り巻く環境は常に歪んでいる。普通であることから不条理的に外され、自分の”普通”と、不特定多数の当たり前な”普通”が全く違う、環境の違いに苦しみ、周囲と違うことに傷つく、やはり生きにくいことを照らし、それをミステリー風に味付けを行ない、作者は登場人物をただ見ているような、曖昧にも感じる物語だが、根本的な軸は動かずに、それでも伸びる振れ幅は文学とエンタメを両立出来るのではという予感を感じた。

Posted byブクログ

2014/09/28

暗さはどの著書でも貫き通されてますね。 著書を読み漁って慣れたせいかもしれないが、こういう人が実際にいるんだろう、というぐらいのリアル感でした。 程度の差はあれ、原因は違えど、同じ様に悩み苦しんでる人は少なくないだろう。 極端な例えだが、生まれながらにして犯罪者としてしか生きら...

暗さはどの著書でも貫き通されてますね。 著書を読み漁って慣れたせいかもしれないが、こういう人が実際にいるんだろう、というぐらいのリアル感でした。 程度の差はあれ、原因は違えど、同じ様に悩み苦しんでる人は少なくないだろう。 極端な例えだが、生まれながらにして犯罪者としてしか生きられない人がいたとして、健全な社会で生きることがはたして可能なのだろうか。 本能ともいえるほど強い内なる欲求に抗えなくなりはしないか。 自分がかつて蔑んでいた存在になっていくのに耐えられるのか。 親友といえる存在、理解者との出会いがあったとして、それははたして救いになり得るのだろうか。 その存在が抑止力になればいいが、自分の存在を否定するまでにならないだろうか。 そもそも救いとはどういうものなんだろうか。 なんてことを考えさせられました。 もちろん、想像することしかできないので、答えは出ませんが…。 もうすぐ映画が公開されますが、影響されやすい、メンタルの弱い人にはお勧めしかねます。

Posted byブクログ

2014/09/25

【ネタバレ含む】 少年時代に目撃したある事件を機に、その出来事を拒否し続ける主人公と、快楽に変換した親友「冴木」の2極性が描かれている。 罪を犯した人間は死んだ方がいいのか。 答えのない矛盾に対し主人公の「命とは厄介だ」という呟きが、重く印象に残った。

Posted byブクログ

2014/09/03

一度では解らず、読み終わってすぐ読み返した作品。トラウマを抱えた人間を、社会に繋ぎ止める、または適応させる手段ってなんだ?読んでて、こっちの心の中見透かされている感覚、何だか主人公にシンクロしてました。

Posted byブクログ

2014/09/07

二人は幼少期に残酷な事件を目撃し恐怖や罪悪感は共有出来たけれど、その後の人生は全く別の物になってしまっている辺りがやはり一番重要なのは自分自身の本質的な部分なのだろうな、と感じる。弱い自分に生きる価値はあるか?異常な自分に生きる価値はあるか?そんな想いがタイトルに込められている気...

二人は幼少期に残酷な事件を目撃し恐怖や罪悪感は共有出来たけれど、その後の人生は全く別の物になってしまっている辺りがやはり一番重要なのは自分自身の本質的な部分なのだろうな、と感じる。弱い自分に生きる価値はあるか?異常な自分に生きる価値はあるか?そんな想いがタイトルに込められている気がした。

Posted byブクログ

2014/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

罪悪の意識と、人として生きる是非について。 終盤、意外なミステリー要素もありエンターテイメントとしても満足度が高い印象。 無駄のない、すんなりと体に入ってくるような文章が大好きな作家さんで、主人公の思考が暗いのは恒例といえますが、この作品では特に後ろ向きで生命力が弱そうな描かれ方でした。そんな儚い彼が、親友の告白と死を経て掴んだものは確かにあったという少しの光も垣間見えます。但し、読み手として、かちっとはまる音はしなかったというか・・・最後の命という題名の示すところも含めて、作家さんの放ったものをこちらが受け止め損ねているかのようで悔しい。もう一度読み返したら、もっと解るのかな・・・

Posted byブクログ

2014/08/22

卑劣で残忍な事件。 そこからつらなる自分自身の負の部分を、何度も問い返し続ける主人公。 やっちりはもとより登場するそれぞれの人物が、苦しく切なく哀しく思えた。 光の届かない心の奥底を、探るように確かめようとするそのあたり、うまくいえないけれど何かつながるものを感じてどこかほっと...

卑劣で残忍な事件。 そこからつらなる自分自身の負の部分を、何度も問い返し続ける主人公。 やっちりはもとより登場するそれぞれの人物が、苦しく切なく哀しく思えた。 光の届かない心の奥底を、探るように確かめようとするそのあたり、うまくいえないけれど何かつながるものを感じてどこかほっとした。 以前読んだ「掏摸」もあらためて読み直したくなった。

Posted byブクログ

2014/07/31

中村文則はテーマがストレートで考えさせられる作品がおおいね 善と悪、罪と罰、生と死のはなし。 幼いころのトラウマを抱えたまま思い思いに成長し、すれ違い疎遠になり、そしてまた出会った主人公と冴木。 だが、冴木は、あのような性質を抱えながら、死ぬことなく、我慢してこの世界を生き...

中村文則はテーマがストレートで考えさせられる作品がおおいね 善と悪、罪と罰、生と死のはなし。 幼いころのトラウマを抱えたまま思い思いに成長し、すれ違い疎遠になり、そしてまた出会った主人公と冴木。 だが、冴木は、あのような性質を抱えながら、死ぬことなく、我慢してこの世界を生き続けるべきだったのだろうか。 それは、何のためだろう。 人生を使うのは、その個人の中において、彼の自由だった。(p205) いつか人を本当にレイプしてしまうのが怖いから死ぬのではなくて、捕まってしまったらお金を払って疑似体験すらできなくなってしまうのが恐ろしいから死ぬ。 一生我慢しつづけて生きるくらいなら、今死ぬ。 冴木の考え方はとてもよくわかると思う。 それをどうこういうのはすべて周りの勝手だ

Posted byブクログ