最後の命 の商品レビュー
バックパッカー 冴木 サルトルの翻訳 新宿南口 7年振りの再会 一万余分に渡すとやらせてくれるデルヘリ嬢 エリコ ソニークラーク バドパウエル 香里 ビルエヴァンス やっちり 知的障害 ホームレス 秘密基地 バスケ 単純な善悪の二元論で細部をすっきりと切り捨てることをしない 明...
バックパッカー 冴木 サルトルの翻訳 新宿南口 7年振りの再会 一万余分に渡すとやらせてくれるデルヘリ嬢 エリコ ソニークラーク バドパウエル 香里 ビルエヴァンス やっちり 知的障害 ホームレス 秘密基地 バスケ 単純な善悪の二元論で細部をすっきりと切り捨てることをしない 明瞭でいること 擬似体験 もっと先に 罪と罰が釣り合わない 悪を感じない人間 悪を恐れるなら、それを取り込めばいい
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自分は世間の「普通」と違うんじゃないか、おかしいんじゃないか、そう考えているような人に読んでほしい本です。きっと救われます。一度でも周りに馴染めないと思った人はきっと救われる。そんな本です。
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人の悪意を主題とする作家だが、今回は悪というよりももっと命にフォーカスしてる印象です。ああ、タイトルがそうか。 酷いトラウマから命と性の価値観をえぐり出す。キッツいと言えばまあそうだが、それでも読者を離さない引力があるのは何なんでしょう。 他の作品以上に五感に迫り来るものがあ...
人の悪意を主題とする作家だが、今回は悪というよりももっと命にフォーカスしてる印象です。ああ、タイトルがそうか。 酷いトラウマから命と性の価値観をえぐり出す。キッツいと言えばまあそうだが、それでも読者を離さない引力があるのは何なんでしょう。 他の作品以上に五感に迫り来るものがあります。数ある作品の中でこれが映画化されるのもなんとなく頷ける。 聴覚にくるのは、眼下の踏切やジャズのレコードだったり。 嗅覚は、あの現場が放つ異臭、その体験をかき消したいかのように「私」が吸い続ける煙草。 性体験や雨に打たれる「私」からは、濃密な体感覚が。 五感に響くディテール描写に、一気に引きずり込まれる。 「私」が今まさに鉄棒を降り下ろさんとする時の畳み掛けるような描写には、身体の火照りを感じた。体温が1度くらい上がったんじゃないかっていう。 ミステリー色も、少し謎を残しつつみたいな絶妙なバランス。「去年の冬~」みたいにあんまりトリッキー過ぎるのより、これくらいのほうがいい。 これは中村作品のベスト3に入る。俺ランキング。
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ある事件がキッカケで疎遠になった幼なじみの冴木。 そんな冴木から突然連絡が入る。 冴木に会った直後、自分の部屋でデリヘル嬢が死体となって転がっていた。 警察の調べが進む中、部屋に残された指紋が指名手配中の冴木のものだということが判明する。 集団レイプを止められなかった自分は卑...
ある事件がキッカケで疎遠になった幼なじみの冴木。 そんな冴木から突然連絡が入る。 冴木に会った直後、自分の部屋でデリヘル嬢が死体となって転がっていた。 警察の調べが進む中、部屋に残された指紋が指名手配中の冴木のものだということが判明する。 集団レイプを止められなかった自分は卑怯者なのか。 或いは不可抗力なのか。 生きていれば性犯罪を繰り返す可能性のある人間を見殺しにするのは論理上許されることなのか。 それが罪ならいかにして償えばいいのか。 そもそも論理とは何か。 ~解説より~
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その後に読んだ、悪と仮面のルールが面白すぎて、内容を忘れてしまったが、今ちょっと読み返してみて、これもまた好きだなと再確認。 性に対して、正面から言語化している作品でもあると思う。 何かが起こる度に自分の行動を思い返す癖がいつの間にかついてしまった。 小さい頃抱いた、性に対...
その後に読んだ、悪と仮面のルールが面白すぎて、内容を忘れてしまったが、今ちょっと読み返してみて、これもまた好きだなと再確認。 性に対して、正面から言語化している作品でもあると思う。 何かが起こる度に自分の行動を思い返す癖がいつの間にかついてしまった。 小さい頃抱いた、性に対する根源的な恐怖感、嫌悪感。整理することが出来ないと言うこと。
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P18の、 彼がそう言って笑ったので、私も笑うことにした。 って一文、やられたよね。 これもおもしろかったよ。煮え切らないところもあったけど、まあ途中まではよかったよ。
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うううよくわからなかった…! なんだか村上春樹っぽい?とも思った(村上春樹あまり読んでない&得意ではないけど) 本の感想は人それぞれ!
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なんか、モロにドストエフスキーやサルトルの影響を受けとるなあ、というのが率直な印象。「何もかも憂鬱な夜に」同様、生と死の狭間、正常と病気の狭間でギリギリ繋がっている登場人物たちの話なのだが、ちょっと世界自体が狭すぎて苦悩に奥行きが出ていない。 死へと向かう刹那に生への渇望を実感する主人公に対し、冴木は性的に女性を襲う瞬間に自分の欲望を実感する。歪んだ形でしか生の実感を味わえない二人。しかし、そのような二人の歪みが、幼少時のエピソード、例えば未必の故意に対する悔恨の結果として生じたものだとするのは、冴木の回想にもあるように無理がある。トラウマを与えるに値する関係性ではない、いかにも偶然目撃した凄惨なシーンだけでは、このストーリーの強度を保つには弱いと思う。 動物的な欲望を嫌悪し内向するのではなく、際限のない欲望を可視化することは、精神の健康を維持する必要条件である、というのがひとまずの感想。そのような欲望を抑制するためのものとして、倫理という概念を持ち出すのではなくて、家庭や社会という共同体が存在するのだ、とは言えまいか? アメリカの都市計画では、多様なライフスタイルから家、職場(学校)とは別のthird place というcommunity building が盛んに行われているという。それはカフェであり、本屋であり、farmer's marketである。強固ではない緩やかなコミュニティーが、抑制的で協調的な日常の営みに一番フィットしているのかもしれない。 それにしても、ピース又吉は中村文則の小説が読める限りは生きていられる、と言い放っていたが、この世界観はお笑い芸人の対極と思うんだが。。ちょっと彼のことがよくわからなくなったな。綾部とどんな会話してるんだろ?
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"レイプの最高刑は懲役"強姦という事案に関与した事がないため、現実味が無いように感じた。 思春期時に性犯罪に関わる事は、今後の人生にどう影響するのか?"重い"と思えばそれで終了だけれど、正義が生まれる狭間と思えば希望が持てる内容だと感じた。 CHICHI KATSUKIさんのカバーデザインも素敵です。
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結局、犯人は冴木じゃないのか? 真相がわからないまま終わってしまった。 性犯罪と、性と生について考えさせられた。 女のホームレスなんて実際に見たことはないけど、確かにこの世界には、この話と同じようなレイプの被害者がいるんだということ。それがとても痛い。 殺されたエリコに関して...
結局、犯人は冴木じゃないのか? 真相がわからないまま終わってしまった。 性犯罪と、性と生について考えさせられた。 女のホームレスなんて実際に見たことはないけど、確かにこの世界には、この話と同じようなレイプの被害者がいるんだということ。それがとても痛い。 殺されたエリコに関しては、犯人がどちらか決定に欠けるので、なんとも言えないが、冴木じゃないとしたら、冴木はなんの為に逃げ続けたのか。 今後、主人公はどうやって生きるのか。 その判断を読み手に任せる中村さんは凄いな。
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