野川 の商品レビュー
+++ 両親の離婚により転校することになった音和。野川の近くで、彼と父との二人暮らしがはじまる。新しい中学校で新聞部に入った音和は、伝書鳩を育てる仲間たちと出逢う。そこで変わり者の教師・河合の言葉に刺激された音和は、鳥の目で見た世界を意識するようになり…。ほんとうに大切な風景は、...
+++ 両親の離婚により転校することになった音和。野川の近くで、彼と父との二人暮らしがはじまる。新しい中学校で新聞部に入った音和は、伝書鳩を育てる仲間たちと出逢う。そこで変わり者の教師・河合の言葉に刺激された音和は、鳥の目で見た世界を意識するようになり…。ほんとうに大切な風景は、自分でつくりだすものなんだ。もし鳥の目で世界を見ることが、かなうなら…伝書鳩を育てる少年たちの感動の物語。 +++ とても好きな一冊である。期待以上に――と言ったら失礼極まりないが――素晴らしかった。著者の作品は好きなものが多いのだが、これはその中でもいちばんと言っていいほど心に添う物語だった。両親の離婚に伴う新生活に、表面上はともかく不安定に揺れ動く中学生の音和。転向先の中学で出会った国語教師・河井の型にはまらない親身の教えは音和の心をどれほど安定させ、未来を明るいものにしたことだろう。そして、新聞部のメンバーや鳩たち、ことに世話を任された飛べない鳩・コマメが、どれほど音和の助けになったことだろう。野川やその周辺の成り立ちや植生を淡々と描きながら、この物語はどれほど大切なことを伝えてくれるのだろう。しみじみと深く胸に届く一冊である。
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高等学校の読書感想文課題図書と背表紙に貼ってあるのを見て読み出す。野川は東京に住む我々には身近な河川。出てくる地名、関東平野のでき方などに引き込まれて読み出す。 主人公の中学生が両親の離婚で転校した中学で出会う教師、部活動の仲間、鳩(?)が皆、いい感じ。 心の中の世界と実際の...
高等学校の読書感想文課題図書と背表紙に貼ってあるのを見て読み出す。野川は東京に住む我々には身近な河川。出てくる地名、関東平野のでき方などに引き込まれて読み出す。 主人公の中学生が両親の離婚で転校した中学で出会う教師、部活動の仲間、鳩(?)が皆、いい感じ。 心の中の世界と実際の世界、上手く折り合いをつけて理解したり受け入れたりして生きていくんだね。ふたつの世界の調和するところが優しくて味のあるポイントなんだね。 主人公と一緒に涙したくなった。 普段は、すっ飛ばして読みそうな自然描写自体が大切な要素の物語。 くどくならない程度に自然が語られている。 人間関係がサラっとしているようで熱い! 久々にシンプルに動かされたかんじ。 星5つ
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中学、高校の頃、勉強よりも試験に出ない、先生の薀蓄のある雑談が好きでした。思春期って苦しいばかりでないのかもしれない、と希望が持てました。
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家庭環境が一変した主人公が新たな出会いをする中で成長していく物語。似た話に繋がりそうな場面が多々でてくるので、感想文は書きやすいと思う。影響を受けた先生や友達のこと、体験が重要視されている世の中で体験以上に感じることができた本や映画の話、人から聞いた話などを入れてみよう。飛ぶこと...
家庭環境が一変した主人公が新たな出会いをする中で成長していく物語。似た話に繋がりそうな場面が多々でてくるので、感想文は書きやすいと思う。影響を受けた先生や友達のこと、体験が重要視されている世の中で体験以上に感じることができた本や映画の話、人から聞いた話などを入れてみよう。飛ぶことができなかったコマメと主人公は重なる部分があるので、コマメとコマメを見つめる主人公の関係を考えてみるとおもしろい展開になりそう。伝書鳩に託す君の言葉を書き出しや結びに書くのもいいかも。
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青少年読書感想文全国コンクールの課題図書。 主人公の音和は、担任の河井や、先輩の吉岡との出会いで、徐々に変わろうとしています。 鳩を通じて、主人公の心の変化や成長をしるした、感動的な作品です。
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両親の離婚で生活が一変した中2の音和。父親と一緒に生活することを選択し、引越し、転校・・・。学校ではちょっと風変わりな先生に、先輩との出会いがあった。 河合先生がとてもいい味を出しています。学校の授業も大切かもしれない。しかし、時には、それ以前に教科書には決して載っていないけれど...
両親の離婚で生活が一変した中2の音和。父親と一緒に生活することを選択し、引越し、転校・・・。学校ではちょっと風変わりな先生に、先輩との出会いがあった。 河合先生がとてもいい味を出しています。学校の授業も大切かもしれない。しかし、時には、それ以前に教科書には決して載っていないけれど、人生において、これからを生きていく学生たちに、しっかりと中身があり、心にじんと染み入る話ができる先生がたくさんいたらもっと何かが変わっていくのではないかと感じさせられた一冊でした。 ゆっくり、ゆったりな感じで情景描写がされている点も、文章を読み進めながらイメージすることができました。先生はもちろん、音和の父や軽い感じがするけれど、どことなく憂いを感じさせる吉岡先輩も素敵です。
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よく野川沿いを散歩する私はタイトルに惹かれてこの本を読んだ(この著者のことは知らなかった).実際,この本の舞台は小金井あたりの野川沿いのハケの上にたつ中学のようだ.野川の風景描写はなじみ深かったのだが,主人公の担任の先生のお話が最初の蛍のもの以外は物語のなかで浮いてしまっているのが残念だった.
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見たことのない風景を淡々と思い浮かべながら読み進めていたら読み終わっていた、というような本。 コマメが飛ぶところとか、あっけないのがよいのかなと。
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確かに風景が浮かんでくるようなとても良い物語なのだけれども、設定がもの凄く中途半端に感じられた。 離婚のこと、新聞部のこと、鳩のこと。 ちょっと残念。
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都心からほど近い武蔵野の自然を礼賛する節が伺えたのだけど、その描写というか説明が多過ぎて、読み進めるのが若干しんどかった…。武蔵野で育ったんだけどな。
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