小袖日記 の商品レビュー

柴田よしき【著】

2014/03/17

源氏物語を題材にした、軽いタッチの小説です。
不倫相手に振られた、３０前のごく普通のOLが主人公。

本気であるようなないような感じで自殺を考えていたら～落雷に遭い、なぜか平安時代にタイムスリップ！
気づいたら小柄なおかめの集団に囲まれ、異様な香りにびっくりという。お風呂には入らないし、そこに色々な香を焚き染めているから。
源氏物語を執筆中の香子（紫式部）に出会います。
小間使いの侍女・小袖として、ネタを提供する役割をするのでした。

正確には過去に戻ったというより～パラレルワールドに来たのかも？という設定になっていて、まあ細かいことはいいじゃないっていうことですかね。

源氏物語のもとになったという想定の、当時の恋愛事情を幾つか語る趣向。
末摘花のモデルが実は美人で、わざとブスに見せた理由があったりと、金持ちの男性の哀れみを受けるだけじゃないのよっという面白いひねりを効かせています。
食欲のない姫にアイスクリームのような物を作ってあげたり、ちょこっとずつタイムスリップ物の楽しさも入れてあります。
紫式部は賢いので、タイムスリップのことも理解するわけです。

源氏物語に最初は不満を感じるようなポイントを、うまく突っ込んでいるところもなかなか。
縁のあった女達を自分の屋敷にみんな引き取るのは、慈悲深いようだが、所詮ハーレムじゃないのか、とか…
これは、敷地が想像以上に広大なので、一ヵ所に集めた感じはしないということに。
源氏の評価としてはどうかと思う点もないではないですが、元気でとっつきやすく、読みやすい。
楽しめました☆

2014/02/11

少しだけ幸せを取り戻しつつあった。
死ぬのは取りやめ。
明日は明日の風が吹く。
死ぬなんてやめとこ。得なことなんて１つもない、考えてみたら。

2014/01/30

読み終わっての第一声は・・・
「源氏物語を先に読めばよかった！！！」です。
これから読まれる方は先に源氏物語を読むことをお勧めします。

けど、源氏物語を読まなくても面白い一冊でした。
ときどきホロリ、ときどきクスリ。
時代は変われど、悩みは尽きません。
この時代を精一杯生きようと思いました。

源氏物語読んでみようかな。

2013/11/09

たまたまですが、「十二単衣を着た悪魔」に続いてタイムスリップ源氏物語。「十二単衣」が視点の問題であるのに対し、こちらは描かれた背景の新解釈。発想としてすごいと思うのはこちらの小袖日記ですが、「十二単衣」があらすじを細かく書いてくれてたから後の小袖日記が読みやすかったはずで、読む順番には恵まれていました。

2013/09/15

軽い気持ちでサラっと読書したい時にお薦めです。源氏物語という日本人なら誰しも知っているような主題なので親しみやすく、物語も軽快に進みます。

2013/09/07

タイムスリップもの。
平安時代にタイムスリップした主人公が戸惑いながら暮らす様子が語られる。女性の機微が印象に残る。いつの時代、どこにいても、そこで頑張ろう、そんな気持ちになった。

2013/07/13

主人公は落雷によって平安時代に精神だけタイムスリップしたOL。
しかも体の持ち主は紫式部らしき方の女中だった！
主人公は源氏物語のネタ探しのためにあちこちを奔走し、男女の情に呆れたり嘆いたり驚いたり感動したりする。
いやぁ、面白かった！
柴田さんの「男って本当にだめっ！」節もかなり炸裂してますが、他の作品に比べて精神的に来ないのはその後に「でもしょうがないわよね。こういうもんだもん。」っていう諦めの言葉が続いてるから苦笑いで済むんだよなぁ。
花摘里がビアンだったり、葵の君が自ら汚名をかぶったり、明石の君は駆け落ちした上に他人に変わられるわと源氏物語の原作にはない展開で飽きることのない一冊でした。
そして、小袖の性格の良さに涙した。
いい子や。

2013/06/26

雷にうたれてタイムスリップした主人公が源氏物語執筆のお手伝いする話。源氏物語は「あさきゆめみし」でしか完全に読んでないけれど、授業に出てくるような有名どころの話なので安心して読めた(^^;まあまあの身分で皆に優しくされて楽しく過ごせるなら、タイムスリップも良いかもね(^^)♪

2013/05/23

失恋でやけになったヒロインが雷に撃たれたショックで平安時代にタイムスリップ！
源氏物語を執筆中の紫式部に協力する、という筋は面白い。
単なるタイムスリップではなく、少しづつ違いのあるパラレルワールドで
その時代に生きていた小袖と入れ替わっているのが特徴か？
源氏物語全編を網羅するのは長さ的に無理があるので仕方ないが
エピソードが断片的で少々物足らない。
エンディングもなんとなく無理やりな感じが。
設定がユニークなだけに残念。

2013/05/02

不倫相手に捨てられて自暴自棄になったＯＬが、
雷に打たれて平安時代にタイムスリップ！？
そんな突拍子ない話だが、
ライトな感覚で面白かった。
紫式部らしき人物の参謀となり、執筆途中の源氏物語の題材を提供する役目となった主人公が、
源氏物語の裏に隠された真相を紐解いてゆく。
実際は源氏物語自体架空の小説なのだから、
矛盾点は多々あるも、
細かいこと抜きにしてもサラッと楽しめる。