ラットマン の商品レビュー
二転三転
間違いなく傑作でした!
道尾作品では1番面白かったです。
ラットマン
気持ちいいほどミスリードに踊らされていた。新事実が出るたびに思い込みを裏切られ展開が二転三転していくけれど、全体的に散らかった印象を受けないのが凄い。
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事件の犯人が二転三転する物語に、どんでん返しがあると分かっていてもやはり驚いた。全ての疑問、残された謎がしっかりと回収されきる快さを感じた。エピローグも、良い方向に物語が進んでいきそうな明るさがあって爽やかな終わり方となっていた。姉の事故とひかりの事件を重ね、父と自分、母と桂、姉とひかりを重ねて、過去と現在に繋がりを持たせながら登場人物の内面を描いて進んでいく構成が見事だった。 やはり、道尾秀介の書く作品は単なるどんでん返しミステリでは済ませられないと思う。「方舟」や「十角館の殺人」、「葉桜の季節に君を想うということ」など、素晴らしいどんでん返しがあるミステリを読んできたが、本作を読んで改めて、道尾作品は同じミステリでもまた違うジャンルであると感じた。前者の3作は、ラストで世界が鮮やかに反転することに重きを置いた、ラストの仕掛けに向かって進むよく考えられた作品だ。しかし、本作や「シャドウ」などの道尾作品(「向日葵の咲かない夏」は個人的には含まれない)は、ラストにどんでん返しがありつつも、登場人物の内面や心情描写に重きを置いた、読み終わってからも余韻が尾を引くような良い物語であると感じる。(自分自身はどちらも好みであるし、どちらが良いと言いたいわけではないことを断っておく。) 特に桂の中の葛藤や、母親との関わり方が見つからない苦悩、ひかりが父親と再会した時のひかりの心情描写は見事だった。
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ツイストの効いたひっくり返しが物凄い勢いで行われるため終盤はついていくのが大変だった。納得したそばからそれを否定される上に、それらのひっくり返しが想像起点で行われるため結果的に納得感が希薄になる(だから"ラットマン"なわけだが)。それでいて最終的な結末が超面白...
ツイストの効いたひっくり返しが物凄い勢いで行われるため終盤はついていくのが大変だった。納得したそばからそれを否定される上に、それらのひっくり返しが想像起点で行われるため結果的に納得感が希薄になる(だから"ラットマン"なわけだが)。それでいて最終的な結末が超面白い!というわけではないのもやや弱点か。 しかし全体を通して見ると綺麗にまとまっているし読後感が非常に良いため好きな作品だ。
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面白かった。 割と初期段階で犯人や殺人の隠蔽工作の種明かしがあったのでこのまま終わるとは思わなかったけど、終盤にかけてのどんでん返しで、えっ!と声が出た。予想だにしない展開だった。伏線が丁寧に回収されていて、トリックの説明も分かりやすく情景を思い浮かべやすく、読みやすかった。 特...
面白かった。 割と初期段階で犯人や殺人の隠蔽工作の種明かしがあったのでこのまま終わるとは思わなかったけど、終盤にかけてのどんでん返しで、えっ!と声が出た。予想だにしない展開だった。伏線が丁寧に回収されていて、トリックの説明も分かりやすく情景を思い浮かべやすく、読みやすかった。 特にすごいと感じたのが、心の機微を丁寧に描いていること。ほんの些細な言動や仕草、間などから相手の心を汲んだり読み取ったりして、そこから物語が広がったりそれぞれの人物像が今どう考えどう感じているのかがよく分かって、こうした描写がこの物語に深みを出していると感じた。この著者の作品は本作が初めてだったが、他のジャンルの作品もあれば読んでみたいと思った。
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文章が読みやすくてサクサク読めた。 ひっくり返されひっくり返され、、 私はラストの1個前の結末が一番納得感あったなあと思ったから、最後がちょっと気持ち悪かった笑 思い込みは危険!というか、関係値に関わらず自分の知らないことはあると思っていろんな可能性を考えなくては、と思う、、
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一応は青春小説になるのかな。10年ぶりくらいの再読だったが、ほぼ覚えていなかったけど、面白かった。 端的に言うと壮大な大勘違いの話。ただし姫川が自分で納得しているから、よしとするか。良しとして良いようなレベルでは無いように思うけど、勘違いも含めて父親と同じ行動だったから、良かったんだろう。 ただし解せない点がある。 ひかりが子供を堕ろすのに姫川の子供と言い切ったこと。嘘を付くなら、こっそり堕ろしたら良いのに。。。それから姫川がモテる理由も謎。そして姫川はひかりのことを本当に好きではなくなってしまっているんだと感じてモヤモヤした。好きじゃなくなる理由は? あと女性同士は初体験をしたことがすぐ分かってしまうのは本当なのだろうか。
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面白くてさくさく読み進められた。 読みやすかった。 亮がひかりを殺したのか!? 姉は父親に性的虐待をされていたのか!? といろいろ考えていたが、最後にどんでん返しに次ぐどんでん返し。 ただ結末自体はとても面白い展開というわけではなく、ほぉーそうくるかといった感じで、めちゃくちゃ納得できる内容ではなかった。 あと、プロローグのエレベーターの話に出てくる野際と、スタジオオーナーの野際に何か関連があるのかめちゃくちゃ気になった。 ネットで調べたけど特に何も出てこず。 特に意味がないなら同じ苗字にしない方がいいんじゃないかと思った。
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題名になっている『ラットマン』とは、思い込みにより同じ絵なのに人によって別のものに見えるという錯視を利用した有名な騙し絵のこと。 高校時代に結成し活動を続けるアマチュアバンド“Sundowner”、ライブに向けスタジオで練習中に事件が起きる。事故か?作為によるものか? バンドの...
題名になっている『ラットマン』とは、思い込みにより同じ絵なのに人によって別のものに見えるという錯視を利用した有名な騙し絵のこと。 高校時代に結成し活動を続けるアマチュアバンド“Sundowner”、ライブに向けスタジオで練習中に事件が起きる。事故か?作為によるものか? バンドのギタリストである主人公の姫川は平常を装いつつ淡々と無機質な生活を送っている。それは23年前に起きた父と姉の死に起因している。 父の遺した最後の言葉『俺は正しいことをした…』 その言葉を自分に言い聞かせ、父の行動を模倣する。姫川は何を正しいと考え、何をしたのか? 物語の核心となる23年前の過去の真実を小出しにしつつ、現在の事件と交錯させることにより見事に話に惹き込まれていく。そして、大きな思い違いこそが全ての誘因であったことが判るのだが、登場人物ほぼ全員がなんらかの勘違いをしていたことにビックリ。。まさに全員ラットマン状態! ただ、思い違いをすることにより起こす行動は、みんなその人を大切に思うが故に生じているんだと分かり心温まる気持ちになれる。 でも…犯人の犯行動機だけはどうしても理解できない、ここだけはマイナス点。 そして、最後に気づくことがある、、、それは一番思い違いをさせられてたのは自分(読者)であったことに……やられた。
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