写楽 閉じた国の幻 の商品レビュー
面白かった~! 塾教師で元々は北斎の研究家・佐藤貞三が、しだいに仕事も家庭も上手くいかなくなっていくという状況の中、ある日、悲劇に… 一緒に連れて出かけた幼い我が子が勝手に走り出てしまい、事故にあったのだ。六本木の茂木タワーの回転ドアで。 妻と義父は激怒、佐藤は言われるままに家...
面白かった~! 塾教師で元々は北斎の研究家・佐藤貞三が、しだいに仕事も家庭も上手くいかなくなっていくという状況の中、ある日、悲劇に… 一緒に連れて出かけた幼い我が子が勝手に走り出てしまい、事故にあったのだ。六本木の茂木タワーの回転ドアで。 妻と義父は激怒、佐藤は言われるままに家を出る。 絶望の日々、ふと手に入った一枚の古い絵。江戸時代の肉筆画はデフォルメがきつく、写楽を思わせる筆致。 まさか、これは…? それをきっかけに、写楽の正体をめぐって、思いがけない探求の旅が始まる。 回転ドア事故の調査委員会に一人だけ呼ばれた佐藤は、東大工学部の教授だという美しい女性、片桐に出会う。 妻と義父がビルやドアの会社を訴えたため、訴訟に使うためではないのでと調査委員会では除外されたのだ。 佐藤はその後に自殺しかけた所を様子を見ていた片桐教授に救われ、ほのかな交流が始まる。 突然、雑誌に、佐藤がいぜん出した本の批判が載る。 訴訟を巡ってイメージダウンを狙った相手方から、インチキ学者のような悪評を立てられ、危機に陥れられそうになるとは。 それを跳ね返すためにも新説の本を出そうと、出版社に応援されることに。 江戸時代の描写も挟まり、筆力があって、生きがいい。 写楽は魅力がありますからねえ! 春信、歌麿、北斎と絵柄は区別がつくけれど、年代や性格の違いなど、よくは知らないので、とても面白く読みました。 わすか10ヶ月ほどの間に140点もの多作。 能役者だったという説があるが、それは似た名前の別人との混同らしいと解き明かされます。 版元の蔦屋重三郎がいきなり上等の刷りで新人の作品を出したのはなぜか? 異版が多く、売れて増刷されたのは確かだという。 どうして誰も写楽の正体について言及していないのか。 歌麿が悲憤に満ちた言葉を書き残していた意味は? 平賀源内に目を付けた佐藤は研究を進めるが、もう亡くなっていたとわかり、がっかりする。 しかし、さらにオランダの資料まで調べていくと・…? とんでもない展開なのに~いくつか見落とされがちな点に整合性を通した推理で、説得力があります。 子供の事故死はむごいけど、回転ドアの不備がいかにして起こったかを具体的に描き、告発的な意味があるようです。 そして、日本で起こりがちなことに警鐘を鳴らしている点では… 真面目に研究し工夫するうちに、経済や見栄えが優先されて、大事なことをどこかで見落としてしまうという。 原発の事故も思い起こさせますね。
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恥ずかしながら歌麿、北斎の錦絵を並べても、どれが誰の手によるものなのか正直わからない浅学のボクですが、島田の「写楽」は、読んでいるうちにどんどん引き込まれました。写楽の謎も、今回初めて知りましたが、作者後書にある「謎ときの仮定」を読んで、そりゃ仮定がこれだけ事実として実証されれば...
恥ずかしながら歌麿、北斎の錦絵を並べても、どれが誰の手によるものなのか正直わからない浅学のボクですが、島田の「写楽」は、読んでいるうちにどんどん引き込まれました。写楽の謎も、今回初めて知りましたが、作者後書にある「謎ときの仮定」を読んで、そりゃ仮定がこれだけ事実として実証されれば信じたくもなるよね、って思います。どこまでが史実で、どこからがフィクションなのかは判明しませんが、この歴史ミステリーは、歴史好きにはかなりの傑作です。ただし読み物としては、さまざまに積み上げた、推理小説作家ならではの、人物設定や小道具が中途半端でした。 小説の冒頭に登場する 高層ビル用の回転ドアが日本とオランダの技術の融合から生まれたとする設定は憎いです。
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私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2011.4.15読了 大作です。面白いですが、長い。 でも、その長さががイヤになるような事は無かった。 この分野の知識は殆ど無いようなものでしたが、とても興味が湧いてきて、写楽も見たいし、歌舞伎もまた見たくなりました。 ノンフィクションの写楽の謎と、それを解明していく物語のところと、二度美味しいのは、作者の力量の成せる技の所為でしょうか。こういう謎物を小説仕立てにして、面白いものは少ない様に思います。 ただ、そのために尻切れとんぼだったり、謎のように見える所がほっぽりっ放しだったり、此処で論ってやろうと思って読んでいましたが、後書きにその辺の事情ばかりか、更なる背後のストーリーまで用意されていたとのこと、この後書きに書かれている出版にまつわる話だけでも、ひとつの物語になりそうです。 江戸編がすごく良かったこともあり、現代編と分けて、同時出版、なんて云うのが良かったんじゃ無いかと。そして、別冊として、ノンフィクションとしての考察と資料、出版顛末記などというのは、如何かと。どうでしょう、現在の蔦屋さん。 江戸編が良かったからか、蔦屋重三郎のファンになりました。この人の物語も読めるといいな。 未完の部分があるようで、星ひとつ減らしました。IIに期待
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とても面白かった。写楽に関しては、ほとんど知識を持ち合わせていなかったのですが、俄然興味が湧いてきました。続編を希望します、強く。
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2011.4.1 写楽がオランダ人ではないかとというミステリー? 意外性はあるけど 最初の子供の回転ドア事故の方がインパクトが強かった。 回転ドアから江戸時代の写楽にスライドするとはびっくり
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ミステリー・タッチで写楽の正体を追いかける手法は、なかなかにワクワク感を味わえるし、ある種の知的好奇心をかき立てられる。 僕は浮世絵などにまるで無知なので時代考証や論理構成等にどれだけ実証的なのかわからないけど、飛躍するストーリーには物語的な説得力が存していることは間違いない...
ミステリー・タッチで写楽の正体を追いかける手法は、なかなかにワクワク感を味わえるし、ある種の知的好奇心をかき立てられる。 僕は浮世絵などにまるで無知なので時代考証や論理構成等にどれだけ実証的なのかわからないけど、飛躍するストーリーには物語的な説得力が存していることは間違いない。 残念なのは現代編のストーリー展開。伏線と思われた事件やなんやかやがウヤムヤのまま終わってしまい、結果として本書自体の印象としてスッキリしない読後感が残ってしまいます。
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写楽の謎解きとしてはとても面白い。でも、連載作品のせいで説明の重複が多く、中盤は少し飽きた。写楽や他の浮世絵の挿絵でもいれてくれたらもっと分かりやすいし楽しめたかも。 あとがきでも書いてあるように、きっかけの肉筆画の謎、登場人物たちの秘密や回転ドア事件の顛末もないし、続編がないと...
写楽の謎解きとしてはとても面白い。でも、連載作品のせいで説明の重複が多く、中盤は少し飽きた。写楽や他の浮世絵の挿絵でもいれてくれたらもっと分かりやすいし楽しめたかも。 あとがきでも書いてあるように、きっかけの肉筆画の謎、登場人物たちの秘密や回転ドア事件の顛末もないし、続編がないと話としてまとまらないかも。ともかく読み応えがあって楽しめたのは確か。
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寛政6年(1794)5月、突如として現れ、わずか10ヶ月程の間に、 140点余りの作品を描きあげて消えた謎の絵師「東洲斎写楽」。 この人物は、一体誰だったのか? その謎に挑み、構想20年以上をかけて書きあげられたのが本作。 671頁、はぁ〜、すごかったです。 写楽という絵師が、...
寛政6年(1794)5月、突如として現れ、わずか10ヶ月程の間に、 140点余りの作品を描きあげて消えた謎の絵師「東洲斎写楽」。 この人物は、一体誰だったのか? その謎に挑み、構想20年以上をかけて書きあげられたのが本作。 671頁、はぁ〜、すごかったです。 写楽という絵師が、こんなにも謎の人だとは、全然知らなかった。なので、なんの思い込みも無く、するっと世界に入り込み、 答えは島田さんの描く通りだ!と思えてしまった。 謎を追う現代編と、版元である蔦谷重三郎のいる江戸編と、 交互に描かれてゆく。 江戸編の活き活きとした感じと、蔦重の江戸気質の描き方は 読んでて気持ちがよかった。 でも、現代編は些かだらついた感じで、もっとコンパクトに出来 たのでは?と思わずにはいられない。 同じ説明が繰り返されるし、つらい状況にある主人公に同情しつつも そのぬるさがちょっと気になってしまった。 とはいえ、こんな答えを導きだした研究家は、いないのでは?? 推理小説ではないけど、謎を解き明かす、ということはやっぱりすごいことだ。 NHK特集 謎の絵師・写楽〜池田満寿夫・推理ドキュメント〜写楽の全貌 なるものも、図書館で借りてみました♪ 展覧会の開催もあるとのこと。
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写楽初心者でも楽しめる内容だと思う。しかし、小説としては、まとまりに欠け、満足感が薄い。登場人物が完結しないまま終わっている。Ⅱに期待。
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島田節炸裂。さすが大御所。でも少なくとも今の私にとって長い、重い、辛い一冊でした。波長が合わない感じ・・・。何年後かに再読挑戦します。
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