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写楽 閉じた国の幻 の商品レビュー

3.7

120件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    4

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2011/01/03

写楽の謎と聞いても多くのひとはピンとこないと思うし、自分もそうだったが、本作では写楽の謎やその背景事情などをストーリー仕立てで魅力的に紹介していくので、読んでいくうちにすっかり写楽の謎に魅入られてしまった。 島田荘司は推理小説家だから、写楽の謎の紹介や追求も、まるで推理小説のよう...

写楽の謎と聞いても多くのひとはピンとこないと思うし、自分もそうだったが、本作では写楽の謎やその背景事情などをストーリー仕立てで魅力的に紹介していくので、読んでいくうちにすっかり写楽の謎に魅入られてしまった。 島田荘司は推理小説家だから、写楽の謎の紹介や追求も、まるで推理小説のように書かれていてガンガン読める。 写楽の謎をバッチリ理解し、その謎にはまり込んでいったところで、明らかになる写楽の正体には傑作ミステリの真相を読んだ時のような衝撃があった。

Posted byブクログ

2011/07/16

新年早々いい読書ができて大満足です。 読むのにかなりの時間を要しましたが、良質な学術書と骨太な時代小説を同時に読んだ感じがして、読後の爽快感がたまりません。 江戸時代のごく短い時期だけ活躍した謎の浮世絵師・東洲斎写楽。 本書は島田氏の自説に基いて書かれた、写楽の正体に迫る学者の...

新年早々いい読書ができて大満足です。 読むのにかなりの時間を要しましたが、良質な学術書と骨太な時代小説を同時に読んだ感じがして、読後の爽快感がたまりません。 江戸時代のごく短い時期だけ活躍した謎の浮世絵師・東洲斎写楽。 本書は島田氏の自説に基いて書かれた、写楽の正体に迫る学者の物語です。 江戸時代の庶民文化が好きなので、前々からこの本には興味を持ってたのですが、読み始めて出だしのストーリーの重い展開にビックリ。 学者である主人公のバックボーンが不幸で暗くて、なかなか写楽まで到達しない。 そしていざ話が写楽に辿り着いたと思ったら、結構学術的な話がくどくど続いたり、一見写楽と関わりのなさそうなところに話が飛んだり…。 半分くらい読んだところで挫けそうになりました。 でも最後まで読んでほんと良かったです。 前半の一見くどいような文章は全部このための伏線だったのか!という驚きの連続です。 少しずつ明かされる裏づけ資料には主人公と一緒になって興奮してしまいました。 一番良かったのは、その新説に基いて描かれた江戸時代の物語が挿入されているところです。 江戸の版元・蔦屋ととある人物の友情に胸が熱くなり、こんな壮大な物語がこの時代の日本にあったら素敵だなと心底思いました。 この作品全体から感じたのは、なんといっても島田さんの熱意と強いメッセージ性です。 なんというか、私たちを無意識のうちに拘束する習慣や考え方への反骨精神、みたいなものをひしひしと感じました。 ミステリーの文壇で長年奮闘してきた島田さんだからこそ、この作品の結末やメッセージには説得力があるのだと思います。

Posted byブクログ

2010/12/28

大変読み応えがありました。  写楽についての謎解きも、スト-リ-も夢中になって読み進められました。  論文ではないのを承知で希望をいえば、年表や諸説を分類したものが載っていたらと思いました(私の頭が悪いだけです。ごめんなさい)。   残された謎の説明、早く読みたいですね。 そして...

大変読み応えがありました。  写楽についての謎解きも、スト-リ-も夢中になって読み進められました。  論文ではないのを承知で希望をいえば、年表や諸説を分類したものが載っていたらと思いました(私の頭が悪いだけです。ごめんなさい)。   残された謎の説明、早く読みたいですね。 そして久々にまた、写楽について書かれた本をいろいろ漁ってみたくなりました。

Posted byブクログ

2010/12/26

現代編、この描写だと、僕はいらない。 「閉じた国」だけなら蔦屋だけでいいのでは、その方が苛烈だろうし。 というか、夜興行と江戸湾の印章が強すぎ。 主人公にとっての謎と意欲は、と考えるとなんか残念。

Posted byブクログ

2010/12/20

これは圧倒的に面白いっ!もはや島田荘司作品に 興奮することないと思っていた自分を戒めつつ 構想20年という時間を使ってここまで書き上げて 作品した信念に感動すらします。全671Pですが 「写楽は誰か?」という最大の謎に向かって全ての 事がその為の前振りになってるというもはや病的と...

これは圧倒的に面白いっ!もはや島田荘司作品に 興奮することないと思っていた自分を戒めつつ 構想20年という時間を使ってここまで書き上げて 作品した信念に感動すらします。全671Pですが 「写楽は誰か?」という最大の謎に向かって全ての 事がその為の前振りになってるというもはや病的とも 言える壮大な作品。主人公の「佐藤」の大切な 一人息子をああいった悲しい目に会わせる必要が あったのか!??という事も、恐らく今作では 表面に出ない部分では必然だったというあとがきに 更に唖然。これ続きって書けるんですか? 島田先生w。 写楽の正体ってのは凄く薄らですが、高橋克彦氏の 作品を読んでから興味はあったんです。今回の作品の 中にある諸説もなんとなくは知っていました。その 諸説で語られる事のなかった、あのトンデモ説に 近い形を今作は説得力と膨大な資料を紐解いて、 提示してくれました。まさかと思いつつも、後半の この説の熱と展開に思わず鳥肌が...。 流石宝島社の「このミス」2位ですな。個人的には 1位の作品より全然面白かった! 何年かかってでも、この続編、お待ちしてますよ!

Posted byブクログ

2010/12/13

構想がとにかくすごい。浮世絵の知識も勉強になる。 あえていうなら、江戸時代編は個人的にはいらないと感じる。現代の浮世絵研究家が現存の資料だけで革新的な説を導き出す、という方がシンプルに面白いと思うのだが…。伏線がわかりやすいのかなんとなく結末や推理の部分が予想できてしまうのも玉に...

構想がとにかくすごい。浮世絵の知識も勉強になる。 あえていうなら、江戸時代編は個人的にはいらないと感じる。現代の浮世絵研究家が現存の資料だけで革新的な説を導き出す、という方がシンプルに面白いと思うのだが…。伏線がわかりやすいのかなんとなく結末や推理の部分が予想できてしまうのも玉に傷。

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2011/01/21

◎ミステリが読みたい2011年版第3位。 ◎このミステリーがすごい!2011年版第2位。 2011年1月21日(金)読了。 2011-4。

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2010/11/14

眼から鱗の落ちるような、そんな写楽像。面白かったです。 ただ、現代編は理解できないです。たった一人の息子が死んで、それも自分の後悔の残る形で、、それについての反応があり得ないです。

Posted byブクログ

2010/12/14

写楽は誰なのか?邪馬台国はどこなのかに次ぐ定番ミステリーである.子供を回転ドアの事故で死なせ妻からは離婚を迫られる主人公.元々歌麿の研究者だった彼は,子供の事故の調査の過程で知り合った美貌のオランダ人とのハーフの女性教授と知り合う.始めは写楽平賀源内説に傾くが真相はその教授の力を...

写楽は誰なのか?邪馬台国はどこなのかに次ぐ定番ミステリーである.子供を回転ドアの事故で死なせ妻からは離婚を迫られる主人公.元々歌麿の研究者だった彼は,子供の事故の調査の過程で知り合った美貌のオランダ人とのハーフの女性教授と知り合う.始めは写楽平賀源内説に傾くが真相はその教授の力を借りて意外な方向へ.緻密な文献考証もさることながら当時のお上に反感を持つ江戸っ子気質も見事に描いている.

Posted byブクログ

2010/11/07

写楽の正体を巡り、現代と江戸の話で構成される 江戸の話は面白かったが、現代は息子を事故で亡くしたことから全てを無くし云々という人物背景が不要だった気がする。読んでいて、子供よりも写楽への情熱が強く感じられてしまい、読後感が悪い

Posted byブクログ