滝山コミューン一九七四 の商品レビュー
思い起こせば、どの学年かははっきりしないが小学校ときに、班競争で点数を競っていた気がする。班だと負けるから「あいつは班に入れたくない」というような言葉ももおぼえている。 ボロ班、ビリ班には覚えがないが、集団責任はよく聞いた。 軍国主義から脱却したはずが、個を抑圧する集団主義に陥っ...
思い起こせば、どの学年かははっきりしないが小学校ときに、班競争で点数を競っていた気がする。班だと負けるから「あいつは班に入れたくない」というような言葉ももおぼえている。 ボロ班、ビリ班には覚えがないが、集団責任はよく聞いた。 軍国主義から脱却したはずが、個を抑圧する集団主義に陥っているという皮肉に、改めて公教育の怖さを感じた。
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[ 内容 ] 郊外のマンモス団地の小学校を舞台に、自由で民主的な教育を目指す試みがあった。 しかし、ひとりの少年が抱いた違和感の正体は何なのか。 「班競争」「代表児童委員会」「林間学校」、逃げ場のない息苦しさが少年を追いつめる。 30年の時を経て矛盾と欺瞞の真実を問う渾身のドキュメンタリー。 講談社ノンフィクション賞受賞作。 [ 目次 ] 1 序 2 改革 3 「水道方式」と「学級集団づくり」 4 二つの自己 5 代表児童委員会 6 「P」と「T」の連合 7 6年になる 8 自由学園・多磨全生園・氷川神社 9 林間学校前夜 10 林間学校 11 追求 12 コミューンの崩壊 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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ゼミの先生曰く、「全生研の教育を一面的に描いている」らしいけど、そこまではわからなかった(そもそも自分の全生研についての理解が浅い)。少なくとも「集団づくり」の持つ危うさや当時の空気感は感じることができた。
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本当にこれだけのことを(日記をつけていたにしても)記憶できるものなのか?まずそのことが驚異だが、コミューン体験によほどのこだわりがあるのだろう。著者と自分を少し重ねて小学生時代を追憶した。
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理想を目指すのはどのような社会にあっても必要なことなのですが、それが行き過ぎると第三者の眼には奇異に、ときには恐怖すら覚えることがある。また、集団行動は美しさの内に狂気を秘めているように見えることがある。
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まず、装丁がすばらしい。 カウンターが示す1974とその数字のズレは固まった過去ではなく、つながりと変化の印。むちゃくちゃにセンスがよかったから、アヴァンギャルドな内容を若い研究者が書いているのかと思ってたんですが、読んでみると大学教授が自叙伝的に記す戦後民主主義の話でした。読...
まず、装丁がすばらしい。 カウンターが示す1974とその数字のズレは固まった過去ではなく、つながりと変化の印。むちゃくちゃにセンスがよかったから、アヴァンギャルドな内容を若い研究者が書いているのかと思ってたんですが、読んでみると大学教授が自叙伝的に記す戦後民主主義の話でした。読んでいる途中思わず背中がゾクっとしました。装丁も内容もいいなんてなんてすばらしい本なんでしょう。 民主主義の裏にある集団思想の影は、ニュータウンにある学校でのとっても局所的な、ある意味奇跡に近いような「優性な世界」。筆者は感情的な拒否しているけど、考えとしては否定も肯定もしていないように思う。僕も同じように思う。肌には絶対合わないけれど、集団を扱う上では成果を出せる主義思想なんだと思う。 民主主義とか大きな話はわからないけど、弱さについてどう向き合うべきなんでしょうか。 とにかくいい買い物でした。
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1970年代の小学校体験の反省的再構築。すでに研究者になった著者が自らの小学校時代の日記を手がかりに、自分の小学校時代のクラスのことを学級会書くという視点で組み立てなおして解釈してみるというもの。
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小さなコミュニティの中での事をつづっているが、正直あまりピンと来ない。日本の左翼がどう形成されていったのかの一端を見る事ができる。
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2013.2.5〜3.18 やっと読みおわった。新聞の書評をみて読もうと思ったのだが、書評の何に惹かれて読もうと思ったのだろうか...。でも、教育のあり方や扇動のされ方とかは興味深かった。
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東久留米市滝山団地にある小学校で、著者が生徒として体験した「集団主義教育」の実践を批判的に描いたドキュメンタリー。1970年代初めは政治的に保革伯仲だった背景を受け、自由で民主的な教育を目指すという名目で左翼的な手法が取り込む運動があったらしい。自分の小学生時代とはかなり異質な教育手法に少々驚き。
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