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オン・ザ・ロード の商品レビュー

3.9

73件のお客様レビュー

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2024/04/03

面白いのだけれど、かつて勃興したカウンターカルチャーについて知る「古き良きバイブル」になってしまった感は否めない。 スピード感があり生命力迸る文体は魅力的であるが、諸刃の剣であり、読み手のテンションによっては「関係ないことを止め処なく言ってんなよ」となる。 とはいえ、社会に対...

面白いのだけれど、かつて勃興したカウンターカルチャーについて知る「古き良きバイブル」になってしまった感は否めない。 スピード感があり生命力迸る文体は魅力的であるが、諸刃の剣であり、読み手のテンションによっては「関係ないことを止め処なく言ってんなよ」となる。 とはいえ、社会に対する逸脱の姿勢を、放浪ならではの煌びやかさを伴いながら描ききったことは、これからも何かに閉じ込められている私たちに勇気を与えつづけてくれるのだと思う。

Posted byブクログ

2023/07/02

途中からいささか(どころではなく)マンネリを感じてしまい、だいぶ集中力を欠いてしまった。 読書に1ヶ月半をかけてようやくたどり着いたメキシコで、ようやく旅が終わることに爽快感を感じてしまった。話の後半では主人公たちはじわじわと世間の重苦しさに追い詰められていくが、そこから新天地の...

途中からいささか(どころではなく)マンネリを感じてしまい、だいぶ集中力を欠いてしまった。 読書に1ヶ月半をかけてようやくたどり着いたメキシコで、ようやく旅が終わることに爽快感を感じてしまった。話の後半では主人公たちはじわじわと世間の重苦しさに追い詰められていくが、そこから新天地のメキシコで精神が解放されゆく様子と自分の読書体験が妙にリンクしていた。 無頼者の無思慮な放蕩の物語には、プロットの起伏や叙述の洗練といった魅力は見出されない(と思う)。けど、そこに、近代社会の作り上げた美と規範のしがらみから逃走線を引くような魅力があるんだと思う。 その中心にいるディーンにどうしようもなく主人公は魅了され、救われ、一方で世間に対して彼を擁護をしながら、それでもこれは主人公サルの自己嫌悪の物語なんだと思う。 自分に憧れ、弁護してくれる(普通の男の)サルにディーンはどこか依存している。彼の造形は理解しやすい。 一方で、サルの、社会への帰属感のなさ、惨めさの根源にあるものは最後まで明かされない。 それはアメリカの1950年代と何か関係があるんだろうか。 ※ この小説をよく読んであらすじを記憶できている自信はないです。ここまで全部私的なメモです。

Posted byブクログ

2023/05/04

友人ディーンに振り回されながら、3度の横断と1度の縦断でアメリカ大陸を移動しまくる主人公サル・パラダイス。 時速100km超で移動しまくり、各地でしょーもないことをしまくります。 そんな彼らも、また成長の途上(オン・ザ・ロード)なのであるのだな〜とサクサク読めてしまいます。 ...

友人ディーンに振り回されながら、3度の横断と1度の縦断でアメリカ大陸を移動しまくる主人公サル・パラダイス。 時速100km超で移動しまくり、各地でしょーもないことをしまくります。 そんな彼らも、また成長の途上(オン・ザ・ロード)なのであるのだな〜とサクサク読めてしまいます。 "パパとママと温かい家庭"という白人中心の『大きなアメリカ』物語を斜に捉えた『ビートニク』の旗手ケルアックのポスト冷戦時代を感じる疾走感と青春感あふれる一冊。

Posted byブクログ

2023/01/07

最高な表現と剽軽な若者たち。 以下よかった表現。 まるでアメリカが裸身を洗っているような、ムッと鼻をつくきつい匂いがした とうもろこしの匂いが夜露のように溢れていた ありとあらゆる寂しい音を聞きながら割れ目の走った高い天井 疲れ切った朝の甘美さの中でセックスをした

Posted byブクログ

2023/01/02

自由を求めてアメリカ大陸を彷徨うサルとディーンの2人の目を通してみた50年代から60年代にかけてのアメリカ。 アメリカが青春だった頃の瑞々しいカルチャーが花開く直前の姿が生き生きと描かれている名著だと思う。

Posted byブクログ

2022/08/20

本書は60年代に広く読まれ、主に当時の若者世代に神聖視され別格の文学的評価を与えられています。邦訳出版元でもある河出書房新社刊『世界文学全集』の第1回配本にも選ばれているほどです。本書はそのシリーズの文庫版で新訳です。 カウンターカルチャー自体が時代の徒花的に理解される向きもあり...

本書は60年代に広く読まれ、主に当時の若者世代に神聖視され別格の文学的評価を与えられています。邦訳出版元でもある河出書房新社刊『世界文学全集』の第1回配本にも選ばれているほどです。本書はそのシリーズの文庫版で新訳です。 カウンターカルチャー自体が時代の徒花的に理解される向きもありますが、アメリカは自由主義の国であるが保守主義もまた強く根付いています。50年代にはまだ徹底した人種差別社会で、女性は経済的に独立しておらず、離婚率は極めて低い水準で、創作物からは道徳や宗教を軽視する内容が徹底的に除外されていたました。そうした時代にあって、ニューヨークを飛び出してデンヴァー、サンフランシスコ、メキシコへと縦横無尽にヒッチハイクで移動する若者たちの放浪生活を肯定的に描いた本作は恭順の50年代から反逆の60年代をブリッジする作品と言えます。登場する人物はいずれも若く、未熟で、新しい物好き。彼らの動物的な美的感覚が会話の中で示されて行きます。スピードや移動、スリルや快楽と言うものは肯定され、とどまることや定住する事、規律や法律は否定的に描かれます。また、無機質な道路の旅の随所にハッとするような美しい表現が挿入されます。それはかつて大陸の移動を阻んだ、広大なアメリカ大陸がもはや道路と自動車で制圧された事実と、人間を威圧する大自然が若者の感傷の領域に収まる矮小な存在と化したことを表しています(例えば、スタインベックの『怒りの葡萄』における大陸横断は死と苦痛に彩られた過酷なものでした。アメリカ全土が高速道路でくまなく連結されるのはアイゼンハワー大統領の時代を待たなければなりません)。 登場人物のサル・パラダイスはケルアック自身をモデルにしたとされますが、ドラッグに耽り、ジャズに酩酊し、セックスを愉しむ外交的なサルに対し実際のケルアックはひどく内向的でした。ケルアックは生涯そのギャップに苦しむこととなり、晩年はほとんど家の中に閉じこもるものであったと言われています。『路上』は1951年にわずか三週間で書き上げられたとされています。ケルアックにとっては『田舎者と都会』に次ぐ第2作目の長編小説でした。しかし処女作を出版したハーコート・ブレイス社が出版に難色を示しました。当時の編集者はケルアックに向かって「この作品はドストエフスキーに匹敵する名作だが、今この作品を世に出せる自信が全くない」と言って拒否したとされています。以降6年間『路上』は日の目を見ず、また初稿はタイプライターの長大なスクロールであったことから、出版に際してリライトを命じられ、再構成された原稿も今度は登場人物が実在の人物であること理由にリライトを命じられました。疾走感のある内容とは裏腹に、幾度ものリライトで構想から数えると10年以上の月日を刊行までに要してしまいました。この時の経験からケルアックは晩年まで原稿のリライトを嫌い、初稿こそが完成形で他者の意見はおろか自らでも手を加えてはならないと考えていたとされています。 1957年にヴァイキング社での出版がかないますが、上梓に際してはケルアックの友人で詩人のアレン・ギンズバーグ(彼もまたこの小説の登場人物のモデルの一人です)の売り込みが功を奏し『ニューヨーク・タイムズ』紙で「これがビートジェネレーションだ」と言う刺激的な見出しで紹介されて絶賛されました。これによりケルアックは一躍有名作家になりました。 『路上』はビートジェネレーションによって書かれた小説群の中でも最高傑作とみなされています。ビートジェネレーションとは戦後アメリカの様々な価値観や信念に特別な意味を与えて肯定する役割を担いました。しかしケルアック自身が回想するようにこの本が出版された時点でオリジナルの意味でのビートは消失していました。しかし彼が打ち上げたビートの思想はElvis Presleyなどのrock 'n' rollやJames Deanなどの映画に引き継がれていきました。ける悪が最初に用いた頃の人には貧乏な落ちぶれた打ちのめされた浮浪者と言う意味が込められていましたが路上が出版された時点では地下鉄で寝たりしなくても新しい身振りや態度を取る人もこの言葉を用いました。そしてビートはいわばアメリカの風俗に起こった革命で、精神的な新しい多数派として振る舞うようになります。

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2022/08/18

ここではないどこかへの郷愁。 狂おしいほどの衝動。 10代の頃に読んでおきたかった。全ての原点はここにあった。最高でした。

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2022/08/07

現状から逃げてしまいたいと思うとき、衝動的にページを開きたくなる本。それで何かが解決するわけでも、即効性のある解決策が載っているわけでも、ないのだけれど、自由に触れたいと思うとき本棚にこの本があって助かったと思うことが何度もあったように思う。大好きです、メキシコの夜の描写がとくに...

現状から逃げてしまいたいと思うとき、衝動的にページを開きたくなる本。それで何かが解決するわけでも、即効性のある解決策が載っているわけでも、ないのだけれど、自由に触れたいと思うとき本棚にこの本があって助かったと思うことが何度もあったように思う。大好きです、メキシコの夜の描写がとくにすき。

Posted byブクログ

2022/07/27

長い長ーいロードトリップ。ケルアックのワードセンスと来たら、もう右に出る者は無い。 こんな風になんでも適当に、気持ちいい事だけ求めて後先なんて考えずに、思いついたことを叫びながら人生走り切れたら、多分30を待たずに力尽きて死ぬんだろうが、幸せなんじゃないでしょうか。 最後の方...

長い長ーいロードトリップ。ケルアックのワードセンスと来たら、もう右に出る者は無い。 こんな風になんでも適当に、気持ちいい事だけ求めて後先なんて考えずに、思いついたことを叫びながら人生走り切れたら、多分30を待たずに力尽きて死ぬんだろうが、幸せなんじゃないでしょうか。 最後の方でサルが正気に返って真っ当に考え始めるのが衝撃だった。この大冒険を経て!ああ人生ずっと宙には浮いて居られないのかしら。

Posted byブクログ

2022/07/20

内容はすみません、正直あまり覚えてないですが…学生の頃の夏休みに戻ったような、そんな感覚になりました。(こんな体験はしてませんけど!) 読んでいてふと思ったのは、自分アメリカの地理知らなすぎ。 シカゴとニューオーリンズてあんなに離れてんの?!とか、ミシシッピ川長っ、とかサンフラン...

内容はすみません、正直あまり覚えてないですが…学生の頃の夏休みに戻ったような、そんな感覚になりました。(こんな体験はしてませんけど!) 読んでいてふと思ったのは、自分アメリカの地理知らなすぎ。 シカゴとニューオーリンズてあんなに離れてんの?!とか、ミシシッピ川長っ、とかサンフランシスコの隣にはユタ州の砂漠があるぽいとか… とにかくアメリカに行ってみたくはなる本でした。

Posted byブクログ