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オン・ザ・ロード の商品レビュー

3.9

77件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2021/06/15

50年代、60年代のアメリカ。ビートジェネレーション、カウンターカルチャー、ヒッピー。豊かすぎる時代に育った若者たちが、豊かさに飽き足らず、自由奔放、わがまま放題に生きた時代と言ってしまおう。ジャズ、ロック、ジーンズ。そのカルチャーにある意味、憧れた世代ではあるのだけれど。 その...

50年代、60年代のアメリカ。ビートジェネレーション、カウンターカルチャー、ヒッピー。豊かすぎる時代に育った若者たちが、豊かさに飽き足らず、自由奔放、わがまま放題に生きた時代と言ってしまおう。ジャズ、ロック、ジーンズ。そのカルチャーにある意味、憧れた世代ではあるのだけれど。 その時代のバイブルと言われた本がこれ。ボブ・ディランは「僕の人生を変えた本」と言ったとか。 訳者の青山南さんが解説で「「オン・ザ・ロード」はストーリーのない小説である。どこから読んでもかまわない、どこを読んでもかまわない、さながら長詩のようである。」と書いているが、これ以上の紹介はない。クルマ、酒、ドラッグ、セックス。やりたい放題な若者たちの青春の断片。もはや共感することは難しいが、あの時代の空気感のようなものを感じるための、ある種の古典といえるだろう。

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2021/01/14

凄まじい重量感。 物語に大きな起伏があるわけでなく、ただの紀行文とも言える作品だが、その言葉選びのセンスと全編を包む疾走感が読後の満足感を引き立てる。 どうしようか。今日はどこかに行こうかな。そう思える不思議な小説。 映画、音楽共にビート文学から影響を受けた作品が大大好きな...

凄まじい重量感。 物語に大きな起伏があるわけでなく、ただの紀行文とも言える作品だが、その言葉選びのセンスと全編を包む疾走感が読後の満足感を引き立てる。 どうしようか。今日はどこかに行こうかな。そう思える不思議な小説。 映画、音楽共にビート文学から影響を受けた作品が大大好きなので読めて嬉しい。

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2021/01/03

著者自身の旅の日記。これだけのことをよくも覚えているもんだと感心するが、焼き付くほどに思い入れが強かったんだろう。伝えたいことがある訳じゃないと思う。だって日記だから。どう感じるかは読む人それぞれ。ちょっと読むには長いけど、もう一回読みたいと思う作品。

Posted byブクログ

2020/10/30

私は旅をする話が好きだ。 高校生の時に手にとった深夜特急に始まり、ポール・ニザンからクーロン黒沢まで、多くの旅に関する本を手にとった。 本書は20世紀アメリカ文学を代表する「旅の話」である。 ヒッピーやバックパッカーのような、青年が仕事を放棄し、最低限の金銭だけを持ち、詳細な予...

私は旅をする話が好きだ。 高校生の時に手にとった深夜特急に始まり、ポール・ニザンからクーロン黒沢まで、多くの旅に関する本を手にとった。 本書は20世紀アメリカ文学を代表する「旅の話」である。 ヒッピーやバックパッカーのような、青年が仕事を放棄し、最低限の金銭だけを持ち、詳細な予定は立てず目的地だけを決めて長い旅に出るという現代の旅にも通じる元型を提示した作品だと感じる。 アメリカ大陸の広大さを感じさせるダイナミックな作品だが、多くの人が絶賛する割に自分はのめりこめなかった。 おそらく、旅の道中のサルとディーンのやりとり、彼らをとりまく人々との出来事が話の中心であり、街の描写や旅人が受けた印象にフォーカスした作品ではないからだと思う。 (アメリカ人がアメリカを旅する話なので当然なのかもしれないが。) 自分はどちらかというと人と人のエピソードよりも、旅人が訪れた場所に関する記述が好きで旅の本を読むのだということに気がついた作品だった。 長い旅との付き合い方は人格が出る。 多くの人々は、若い頃に長い旅に憧れ実践したとしても、定職につき年を重ねると長い旅に出る自由と熱意を失う。 だが、たまさか、長い旅から離れられずに転々と生きる人がいる。 旅の自由と旅への熱意を失った大衆は、この永遠の旅人を不適格者として見下す一方、嫉妬と憧れを抱く。 誰もがディーン・モリアーティのような生き方を避けるが、彼のようになりたいと思うのだ。

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2021/02/08

最高だったっ…! 冒頭の10ページほどでもう好きになってしまっていた。 要約の合間に描写がはさまれてるような感じなのに退屈さを感じないのは、文体がリズミカルなだけでなくて、語彙センスがずば抜けてるからなんだろう。 ディーンの父親は最後まで見つからず、サルはディーンを置き去りに...

最高だったっ…! 冒頭の10ページほどでもう好きになってしまっていた。 要約の合間に描写がはさまれてるような感じなのに退屈さを感じないのは、文体がリズミカルなだけでなくて、語彙センスがずば抜けてるからなんだろう。 ディーンの父親は最後まで見つからず、サルはディーンを置き去りにした。おそらく、ここでディーン父は何かのメタファーであろう。 たしか1890年だかにフロンティアはなくなったとの宣言があったはずだが、ディーン父が産まれたのはもしかしたらその前後の年なのもしれない。であれば、ディーン父の不在はフロンティアの消滅を表してるのであり、かつてのアメリカのメタファーである。サルの旅が西へと向かうところから始まったこともそれを意識してるからだろう。 父を探していたディーンすらもサルは置き去りにする。もはや、かつてのアメリカはどこにもないし、それを探すこともしなくなった。 それでも最後は、僕はディーンとディーン父のことを考え続ける、という文章で終わる。サルは諦めたわけではなく、まだ旅の途上にいるのだろう。

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2020/05/28

超名作「路上」を青山南さん新訳で読む。 読みやすさは圧倒的にこっちがいい。旧訳は言葉の選択とかがどうしても古くて、ちょっと読みづらいねんなぁ。 この歳になって読むとディーンの行動が若いころほど、かっこよく思えない。なんのかんの言いながら、こいつは結局、落ち着きのないダメ人間でし...

超名作「路上」を青山南さん新訳で読む。 読みやすさは圧倒的にこっちがいい。旧訳は言葉の選択とかがどうしても古くて、ちょっと読みづらいねんなぁ。 この歳になって読むとディーンの行動が若いころほど、かっこよく思えない。なんのかんの言いながら、こいつは結局、落ち着きのないダメ人間でしかないねんなぁ。 アメリカ大陸を、ヒッチハイクやおんぼろ車にのって、思いのままに縦横無尽にかけめぐる旅、ゆく先々で酒とドラッグとセックスで大騒ぎし、時には目の前の情景に圧倒されて…、 そういう当時のビート族スタイルにあこがれる気持ちが、俺の中にあったことは間違いないのだが、今となっては「そんなこともあったけど、今はもうちょっと静かな衝動と静かな行動が良いなぁ」などと思ってしまう。 老いたのか、熟したのか、成長したのか…。当時の俺は、今の俺をツマラン奴だと思うのだろうか?

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2020/05/06

アメリカ大陸を横断するサルとディーン。なぜ、そこまでサンフランシスコへ向かうのか。はちゃめちゃで衝動的な旅。通過するだけの街もあれば、ハメをはずす都市もある。気ままにノープランに走り倒しすこと5回。時には腹をたてることもある。だけど、許してしまえる何かがあるディーン。大人になる気...

アメリカ大陸を横断するサルとディーン。なぜ、そこまでサンフランシスコへ向かうのか。はちゃめちゃで衝動的な旅。通過するだけの街もあれば、ハメをはずす都市もある。気ままにノープランに走り倒しすこと5回。時には腹をたてることもある。だけど、許してしまえる何かがあるディーン。大人になる気なんてなく、いるのかいないのかわからない父親の亡霊を追いかけているようでもある。旅の間中、思い出、与太、妄想、ともかく話す。身があるとか、コミュニーケーションとか関係なく喋り倒す。だから、どんな選択をしようとも「大丈夫」

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2020/01/08

ホーフスタッターがビート・ジェネレーションのことをなんというか手厳しく書いているのを読んだので、本棚にほうってあったのを手にとってみる。 第1部は沢木耕太郎『深夜特急』を彷彿とさせなくもない。デモインの安ホテルでひとり目覚めて15秒だけ茫然自失とするシーンなんか分かる気がして好...

ホーフスタッターがビート・ジェネレーションのことをなんというか手厳しく書いているのを読んだので、本棚にほうってあったのを手にとってみる。 第1部は沢木耕太郎『深夜特急』を彷彿とさせなくもない。デモインの安ホテルでひとり目覚めて15秒だけ茫然自失とするシーンなんか分かる気がして好き。第2部以降、だんだんディーンにくっついて回るようになると、サルは引っ張られてばかりというか、まあお前の友達はスゴイのかもしれんが知らんぞ、という風になってきて冗長に感じてしまう。まあ、でもたまには少しだけじじむさい事も言ってみたり、最後の最後ではディーンの惨めな様子が「もののあわれ」である。大人になれぬもどかしさみたいなものの自覚はあるのだろうな。大人になる気がないにしてもだ。最後のほうはたまたま酔っ払って読んで、こうしたほうがいいかも、と思った。 カリフォルニアのセントラル・バレーの茫漠とした感じとか、ちょっと思い出した。あのへんは50年台も最近もそんなに景色は変わっているまい。

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2019/11/24

村上龍の元ネタを読んだような実感。広大なアメリカの荒野に、ビートな人間たちの熱い想いや、どうしようもないくらいに悲しい魂の叫びを、鮮やかに書きつけた、そんな印象。

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2019/08/25

ジャズの即興演奏のように、走り続ける話。 衰えを感じる瞬間もある。 家庭はない。 コミュニティはあるような。 でもアソシエーションじゃない。 時代精神のモニュメント。 今との距離を測り合うために読む。

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