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オン・ザ・ロード の商品レビュー

3.9

73件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

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  3. 3つ

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2014/11/28

ビート・ジェネレーション――――ただ楽しいことを求めて、決まった職に就かず、多くの女性と関係を持つ。 この小説は、何も得られないその何かをロードで探す、サルとディーン、ビートな二人の物語。 ページを捲れど捲れどまだまだ続く広いアメリカの大地。あたかも途方にくれただだっ広いプレーン...

ビート・ジェネレーション――――ただ楽しいことを求めて、決まった職に就かず、多くの女性と関係を持つ。 この小説は、何も得られないその何かをロードで探す、サルとディーン、ビートな二人の物語。 ページを捲れど捲れどまだまだ続く広いアメリカの大地。あたかも途方にくれただだっ広いプレーンに立ち尽くすヒッチハイカーになったかのような気持ちが味わえる一冊。

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2014/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 若い作家サルとその親友ディーンは、自由を求めて広大なアメリカ大陸を疾駆する。 順応の50年代から叛逆の60年代へ、カウンターカルチャー花開く時代の幕開けを告げ、後のあらゆる文化に決定的な影響を与えた伝説の書。 バロウズやギンズバーグ等実在モデルでも話題を呼び、ボブ・ディランに「ぼくの人生を変えた本」と言わしめた青春のバイブル『路上』が半世紀ぶりの新訳で甦る。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted byブクログ

2015/09/26

一緒にいると何か楽しいことが起こせそうな友人への讃歌、親友への倦怠感、旅の喧騒と孤独感…清々しさや切なさやわくわくが、体当たりでぶつかってくる文体。 ボブディランの人生を変えたと言われているけれど、大学時代はこの自由な生活に憧れてた。

Posted byブクログ

2014/09/27

 ケルアックはこの作品を執筆する時、紙をテープで長く長く繋げたものを用意した。そしてそこにどんどんタイプしていったので、出来上がった原稿はぐるぐる巻きの長大な巻物のようになっていたそうだ。  広げればきっと巻物ではなく、白い1本の道に見えたに違いない。その紙で出来た道の上を、ケ...

 ケルアックはこの作品を執筆する時、紙をテープで長く長く繋げたものを用意した。そしてそこにどんどんタイプしていったので、出来上がった原稿はぐるぐる巻きの長大な巻物のようになっていたそうだ。  広げればきっと巻物ではなく、白い1本の道に見えたに違いない。その紙で出来た道の上を、ケルアックは自分の言葉と共に旅した。  だからこの本にストーリーはなくドラマもなく、ひたすら行き当たりばったりだが、元々行き当たりばったりの旅を書いたものなのだから恐らくこれ以上の書き方はないだろう。  4年で変わっていく人と変っていく風景。終盤に向かうにつれ帯びていく哀切な感じがたまらない。失われていくものはいつも美しくみえる。

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2014/09/05

524ページ。3日で一気に読んだ。 ケルアックが20日間で書いた様に、ほんとに一気でスピードで読んだ。 イーディの部分は削除されてしまっているけど、一気に走っていくジャックは虚さと淋しさの中にいたんじゃないかな。 「デンヴァーまで来て、デンヴァーまで来て ぼくは死んでばかりいた」

Posted byブクログ

2014/05/06

戦後アメリカの合理性、消費主義的反映への、カウンターカルチャーとして。 on the road. つまり、旅の道程そのものが目的であって、 順応しないこと、反逆し続けることが人生だってことを 全力で伝えようとしている。 路上は、安住の逆。 いつも、チャレンジし続けること。...

戦後アメリカの合理性、消費主義的反映への、カウンターカルチャーとして。 on the road. つまり、旅の道程そのものが目的であって、 順応しないこと、反逆し続けることが人生だってことを 全力で伝えようとしている。 路上は、安住の逆。 いつも、チャレンジし続けること。 道があるかぎり、どこまでもいけるから。 「いいね、いいね」 ディーン・モリアーティの口癖。 ぜんぶを肯定すること。 おもしろがる力。 これはまねしたい。 心に、自分のスターを見つめ続けながら 旅をすること、それが人生、なのかも。 「魂について率直に語るべきだ、人生は神聖で、一瞬一瞬、貴重なのだから」 「ああ、またしても、路上に出てしまった」 「路上こそ命なのだから」 「この先もまだひどい道だが、行かねばならない」 「世界だよ!道があるかぎり、まっすぐ南アメリカまで行ける」 「誰にも、これからどうなるのかはわからない、見捨てられたボロになることしかわからない」

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2014/03/30

ギターの音色がした。テリーとぼくは並んで星を 見上げ、キスをした。 「マニャーナ(明日)」と彼女が言った。 「明日はなにもかもうまく行くわよ、 でしょ、サル、好きよ」 「うん、そうだ、マニャーナ」 いつも「マニャーナ」。 つぎの一週間もしょっちゅう耳にした― 「マニャーナ」は美し...

ギターの音色がした。テリーとぼくは並んで星を 見上げ、キスをした。 「マニャーナ(明日)」と彼女が言った。 「明日はなにもかもうまく行くわよ、 でしょ、サル、好きよ」 「うん、そうだ、マニャーナ」 いつも「マニャーナ」。 つぎの一週間もしょっちゅう耳にした― 「マニャーナ」は美しい言葉、意味はたぶん天国だ。

Posted byブクログ

2014/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たしかにすごい小説だと思う。何といっても筋がない。文章のテンポというか気分のようなもの、雰囲気がすべて。ある意味3週間で書いたというのは本質を突いているかもしれない。 どこからでも読めて、読んだことを忘れて、それでもいい、そんな本。

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2014/02/12

ストーリーらしいストーリーはないが、それがこの小説のらいいところなんだろうと思う。読むのは凄く大変だったけど、アメリカンニューシネマを見てるみたいで心地よかった。主人公や相棒ディーンのキャラクターはイマイチ好きにはなれなかったが、ヒッチハイクで旅をする路上暮らしに憧れる気持ちはわ...

ストーリーらしいストーリーはないが、それがこの小説のらいいところなんだろうと思う。読むのは凄く大変だったけど、アメリカンニューシネマを見てるみたいで心地よかった。主人公や相棒ディーンのキャラクターはイマイチ好きにはなれなかったが、ヒッチハイクで旅をする路上暮らしに憧れる気持ちはわからなくもなかった。

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2013/12/09

映画を観る機会に小説もと思い立って。若いうちに読んでおかなかったのは失敗かと思っていたけど、まるでディーンとサルが夢中になる音楽みたいに、キラキラと光りながら読む者を流れに乗せてどんどん運んでいくような文章は、やがてスピードをあげ、疾走し、しかしその合間に、ふっと視線を遠くに漂わ...

映画を観る機会に小説もと思い立って。若いうちに読んでおかなかったのは失敗かと思っていたけど、まるでディーンとサルが夢中になる音楽みたいに、キラキラと光りながら読む者を流れに乗せてどんどん運んでいくような文章は、やがてスピードをあげ、疾走し、しかしその合間に、ふっと視線を遠くに漂わせるような時間が織りこまれる。 たとえば、はじめてデンヴァーに出かけたサルが谷間で過ごした狂騒の一晩の間に、ふと滑りこむこんな文章――「夜のかなた、大平原の東の方から白髪の老人が言葉をたずさえて僕らの方に歩きだしているような気がした。追いつかれたらたちまち僕らは沈黙させられてしまうだろう」。(p.89) 音楽、旅、酒、女の子。この本の中でしか出会わない1940年代末のアメリカの姿。その先頭を疾走するのが、ピュアで狡くてクレイジーなディーンだ。「長いこと行方不明の兄かなにか」のような気にさせる、「邪魔したくはない、ただ後をついていきたい」(p.211)と思わせるディーン。 だが、サルが作家しての成功をおさめはじめ、一方でディーンのウソで固めた二重の家庭生活が破たんを来たしはじめるなかで、サルは、彼が実際には自分より5つ年下であること、彼の行動に怒りと嫌悪を抱いている自分に気がつき始め、だからこそ、この頃からディーンの姿はいっそう聖性を帯びて輝きはじめるのである。 ディーンを聖なるペテン師と呼び続けるサル=ケルアックは、自分自身の狡さと冷酷さをはっきりと書きはしないが隠してもいない。そう、彼はしょせん、黒人になりたいと思う白人にすぎない。バーではあれほど光り輝いて見える彼らの重荷を背負う覚悟などないことは、当人がいちばんよくわかっているのだ。 終わりは哀しくて残酷だ。それでも路上の光景はなお光に満ちて人を旅に誘わずにはいられない。美しすぎる小説。

Posted byブクログ