ダーティ・ワーク の商品レビュー
おもしろくて興奮する読み物ってなかなかないんだけど、これは読むほどに引き込まれた。繋がっていくことの発見と、登場人物の心境がいい。ちょっと、カッコつけっぽいけどね。
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これは断じて恋愛小説ではない。 恋愛小説を軽んじて言うのではないし、 まして、これを失敗したなどと言うつもりもない。 これは日々の沼にはまりこんだ人々へむけて そうでしかあり得なかった生活を、もう一度ことほぐ物語なのだ。 そう、もう一度。である。 この小説において 我々は生ま...
これは断じて恋愛小説ではない。 恋愛小説を軽んじて言うのではないし、 まして、これを失敗したなどと言うつもりもない。 これは日々の沼にはまりこんだ人々へむけて そうでしかあり得なかった生活を、もう一度ことほぐ物語なのだ。 そう、もう一度。である。 この小説において 我々は生まれたことを忘れてしまったのだから。
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連作。 主な視点=主人公が少しずつ変わっていって、そのズレが少し大きな世界を表現してる。 うまいなぁ。
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気付いた時にはすでに遅し。 最初からもっと注意深く読んでいくべきだった。 2回3回と繰り返し読むたび新しい発見のありそうなそんな小説。
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人物相関図を書きたくなる。 ちゃんと頭にいれて何度も読み返すと、なおおもしろくなるのだろう。 個人的には、2章の貴子の語り口調が気に入った。
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近著『作家の超然』(単行本『妻の超然』収録)で見せた二人称の新境地といい、最近著『不快な本の続編」のラストで見せた読者への「じか」の語りかけといい、さりげないのに格別な作家。少し昔の作品読んでみようと思い、本著を手に取る。 なんて巧い小説なんだろう。短編が、からみあって長編へ。...
近著『作家の超然』(単行本『妻の超然』収録)で見せた二人称の新境地といい、最近著『不快な本の続編」のラストで見せた読者への「じか」の語りかけといい、さりげないのに格別な作家。少し昔の作品読んでみようと思い、本著を手に取る。 なんて巧い小説なんだろう。短編が、からみあって長編へ。計何人の語り手が登場するだろう。そのひとりひとりの語りの自在さと「あざとくなさ」。 もう少し別の作品も読んでみたい、いま私にとって特別な作家。
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男っぽい女の人たちが色々と言ってる話。街やイニシャルが人ごとでは無かった。でもすごく面白いかといえばそうでもない。コーヒーを飲んでいたら隣のテーブルから聞こえてきた話なら面白いんだけど、小説で読んで面白い、みたいな印象。
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いろんなことをやっているぶんエンターテインメント色が強い気がした。それがあまり意欲的にみえなくて、短篇で留めたほうがよかったと思った。面白く書けるのはわかった。
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一度読んで、すぐにもう一度読み直した作品は初めて。 それでもまた、読みたいと思う。 この感じ、言葉で表せないなあ。
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なんというか、すげぇ!の一言。 事前の知識とかなしで読み進めたとき、これは短編集かな?って中盤まで油断して読み続けてしまい、大失敗に気づく。これが実は緻密なオムニバスで、時間の流れと人間の成長をしっかり感じられるという、ものすごいポテンシャルを持った物語。 読み進めるうち、い...
なんというか、すげぇ!の一言。 事前の知識とかなしで読み進めたとき、これは短編集かな?って中盤まで油断して読み続けてしまい、大失敗に気づく。これが実は緻密なオムニバスで、時間の流れと人間の成長をしっかり感じられるという、ものすごいポテンシャルを持った物語。 読み進めるうち、いろいろな意味で「この物語はなんだ?」って思わされ、読み終えてすぐに再読。 日光東照宮の陽明門でさえ一本の柱をさかさまにしておくというのに、この小説の完成度はいいのだろうか?とか、大げさでなく思うような、2010年に読んだ本の中では、もっとも強烈な印象を与えてくれた作品。 あまりにも好きすぎて、だれかれ構わず薦めて回りたくはないような、大切な一冊。
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