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羊の目 の商品レビュー

3.9

31件のお客様レビュー

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2024/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

伊集院さんの書く本には凄味がある。 時代遅れとも思える作風とストーリーかもしれないが、圧倒的な迫力を感じる。 信じる者のために、ひたすらに迷わず敵を屠り続ける武美の姿はまさに鬼神。 神の救いはあったのかな。 東さんの榊原健三に姿がダブるのだが、もっと悲しく凄惨だなあ。

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2024/01/14

小説はあまりこのジャンルは読まないが、装丁が目に焼き付くような感じで著者追悼ということも目にし、読んでみたというところだが、結果、面白かった。よく俳句の添削で映像が思い浮かぶような、ということを言われるが、本作品も読んでいて映像がありありと浮かぶ、そんな感じであった。

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2022/01/16

「おすすめ文庫王国2010」の国内ミステリーで格別と書かれてたもの。全然ミステリーじゃないよ!けどすごくいいよ! ヤクザの世界で生きる男の人生をつづった一代記的作品。 なんかこう…義理がたさがたまらんのよね…(この小説では人情はさして存在しない)読んでてグッとくるものがあるのよ。...

「おすすめ文庫王国2010」の国内ミステリーで格別と書かれてたもの。全然ミステリーじゃないよ!けどすごくいいよ! ヤクザの世界で生きる男の人生をつづった一代記的作品。 なんかこう…義理がたさがたまらんのよね…(この小説では人情はさして存在しない)読んでてグッとくるものがあるのよ。 「親父のために」自分の人生全てを投げうって尽くした男…くぅ!

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2021/07/05

新たな世界を見せていただきました。本物のヤクザとは強靭な精神力と親への忠義を持った人たちなのだと。また刺青の本来の意味等勉強になりました。

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2020/07/29

読後、深いため息を吐いた。なんとすごい本を読んだのか。やくざ界の絶対の掟の中でそれを貫く主人公。 短編のようでもあるが、伏線を忍ばせて読み進めると明らかになる人間関係。なんと言っても主人公が魅力的。 彼と息子のその後が知りたい。想像が膨らむ。

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2018/03/11

昔気質の一人のヤクザの人生。侠客と言うべきか。真っ直ぐで静謐で。もちろん彼がやってることは犯罪(殺人・暴力)だけど守りたいものを命をかけて守る。純真で控えめで。タイトルの羊の目とは最後のエピソードの中で。

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2017/08/24

戦前・戦中・戦後、激動の昭和を苛烈に駆け抜けた男の数奇な人生。 主人公・武美はどこまでもひたむきに辰三を親と仰ぎ献身を捧げる。  辰三に仇なすものは容赦なく葬り去り、辰三が死ねといえば過たず死ぬほどの忠誠を誓う武美の姿は切ない。 しかし武美の目はどれだけ人を殺しても汚れない。決し...

戦前・戦中・戦後、激動の昭和を苛烈に駆け抜けた男の数奇な人生。 主人公・武美はどこまでもひたむきに辰三を親と仰ぎ献身を捧げる。  辰三に仇なすものは容赦なく葬り去り、辰三が死ねといえば過たず死ぬほどの忠誠を誓う武美の姿は切ない。 しかし武美の目はどれだけ人を殺しても汚れない。決して濁らない。 辰三の命により背中に彫った獅子とは裏腹に、どれだけ手を血に染めても、その目だけは生まれ持った純粋さを失わず澄み続ける。 「私は神を信じません。  私が信じるのは親だけです」 侠客の物語である。 おそるべき暗殺者の物語である。 あまりに哀しい男の物語である。 羊の目をしながら群れからはぐれ、羊として生きられず、一匹の獅子として修羅に身を投じた武美。 売られ裏切られ遠い異郷の地に身をひそめても一途に辰三を信じ、辰三の為にできることを模索し続ける生き様に胸が苦しくなる。 沈黙者ーサイレントマン、神崎武美。 静かなる暗殺者。 神を信じず、唯一の親だけを信じ仰ぐ無垢で孤独な羊。  神とは、救いとは。 昭和の闇の永きを彷徨する孤独な魂は救われたのか。   武美が最後に回想する情景の美しさには涙が出る。

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2017/05/27

捨て子としてヤクザに育てられた男の物語。 親分をひたすらに信じ、親分に害なす者をことごとく排除し、時代が義を尊重しなくなったとしても自分だけは信念を貫き通す。 昨今では裏切り裏切られが当たり前の風潮だが、このような生き方が完全に過去のものとなってしまうのは寂しい気がする。

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2017/01/14

ハードボイルドに分類されるのでしょうか。 極道モノでは最上の面白さだったように思う。当たり前なんだけど筆力が半端じゃない。

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2016/10/15

なんという壮絶な人生だろう。夜鷹が産み落とした武美という心の優しい孤高の殺し屋の物語。 夜鷹が産み落とした武美は、浅草で頭角を現してきた辰三という侠客の元で育てられる。武美は、後に侠客として育っていくのだが、武美の殺しの腕は右に出る者がいないほどで、性根も立派な男であったが...

なんという壮絶な人生だろう。夜鷹が産み落とした武美という心の優しい孤高の殺し屋の物語。 夜鷹が産み落とした武美は、浅草で頭角を現してきた辰三という侠客の元で育てられる。武美は、後に侠客として育っていくのだが、武美の殺しの腕は右に出る者がいないほどで、性根も立派な男であったが、その心はあまりにもピュアで、何度も辰三に裏切られても、武美が心を寄せるのは辰三しかいなかった。 辰三の命令で何度も修羅場を潜り、裏切られ、それでも辰三に忠誠を誓い、辰三に想いを馳せる武美を思うと、もっと違う生き方があるだろうに、そんな生き方しかできない武美があまりにも苦しくなった。 それにしても、この物語(作者)は、武美という1人の男を描きながらも、その頃の時代に想いを馳せていたのかも知れないと思った。

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