星野リゾートの教科書 の商品レビュー
星野リゾートの経営を具体例にしながら、著者が教科書とした本を紹介するといった内容。今でさえ有名な星野リゾートだが、その苦難をどう乗り越えたかを知ることができる。経営についてもう少し知識がついたら読み直したい一冊。
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冒頭紹介されている、「星野社長の経営は、どれを取っても「教科書通り」なのである」との言葉に惹かれ、即買い。 とかく経営では教科書が机上の空論扱いされがちですが、経営理論は別に机上から導き出されたものではなく、経営と実務を観察することで得られたものが多い。それも成功した企業、失敗した企業双方からの研究に基づいているので、きちんとした研究からの理論なら、逆にその通りにやらないほうが危険。その研究成果よりも自分のほうが優れた実践ができると考えるなら、別の道をとればいいですが、たいていの場合、そんなことないですよと。 というわけで、まずはその通りにやってみる。できなかったら、教科書の理解が間違っていないか、取り組みは十分ではないか、自社の前提条件が違っていないか(そこから導き出されるカスタマイズは慎重に検討)、これらを考えて実践。 教科書選びが大切なのは言うまでもない。本を読む時は、自分の仕事にどう活かせるのか、当てはめればいいのか、何か変えるところはないか、などを常に考えながら(ときにメモしながら)読む。 以下、気になったところ。 ・アクセスしやすさで勝負 サイトの使いやすさ向上のための100のチェックポイント ・統合予約センター(20人) 会話のトレーニングを積んだ電話対応のプロ ・複数の仕事を兼務することで業務効率向上 ・スタッフが自分で考えず、指示を待っているために、動きが非常に鈍い。お客様へのサービスに対するモチベーションも低い。 →「フラットな組織」とは、組織の文化としてのフラットさ。自由なコミュニケーションを大切にして、スタッフがポジションにかかわらず自分の意見を述べることを推奨する。 ・ミス情報を収集して運営システムを見直す →ミスを隠さず公開してもらうためのルール。報告は起こした人、見つけた人どっちでもよい。ミスをした人を絶対にしからない。報告してくれたことを褒める。
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「星野リゾートの事件簿」を読んだとき、星野リゾートの子会社で地ビールを製造するヤッホー・ブルーイングの赤字が続く中、星野佳路社長が、周囲からの路線変更の提案を退け、「これで正しいはずだから、もう少し頑張ってみよう」と当初路線を継続し、その結果、今では売上も地ビールのトップクラスに...
「星野リゾートの事件簿」を読んだとき、星野リゾートの子会社で地ビールを製造するヤッホー・ブルーイングの赤字が続く中、星野佳路社長が、周囲からの路線変更の提案を退け、「これで正しいはずだから、もう少し頑張ってみよう」と当初路線を継続し、その結果、今では売上も地ビールのトップクラスになっているという話があり、なぜ、それほどまでに自分の判断に自信があるのだろうかと思ったものだった。それが、本書を読んで、自らの判断が経営の教科書に載っている理論に裏打ちされているという確信に基づいていたということがよく分かった。 優れた教科書を選び、その理論を習得し、実際の経営に当てはめて、省略せずに実践してぶれないということ自体、大変難しいことだと思うが、星野リゾートのこれまでの成功を見ると、教科書の理論は実務では役立たないという思い込みが間違いだと思い知らされる。 自分は経営を生業としていないので、経営の教科書を読もうとは思わないが、人が本来持つパワーを引き出す「エンパワーメント」の本や星野社長の祖父と親交があったという内村鑑三の本は読んでみたいと思った。
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日本の、今の会社の実例が読めるというところがこの本のポイント だと思います。 以前姉妹編の書籍「星野リゾートの事件簿」 という本を読んだ時には読み切れなかったのですが、 いざ単独で読んだら最後までさらっと読み切ることができました。 星野リゾートの事件簿の方は、本当に起きた問...
日本の、今の会社の実例が読めるというところがこの本のポイント だと思います。 以前姉妹編の書籍「星野リゾートの事件簿」 という本を読んだ時には読み切れなかったのですが、 いざ単独で読んだら最後までさらっと読み切ることができました。 星野リゾートの事件簿の方は、本当に起きた問題からそれをどうやって 解決していくのかという「物語」調だったので、本当にただただ 楽しく読めた本ですが、 こちらの本は、そういった「物語」を生むために、経営本を「そのまま」 実践したという本です。 「書店に1冊しかないような古典的な本ほど役に立つ」 とはまさにその通りだと思っていて、そんな中でも何を読もうかな、 と思った際に、この本があるとケーススタディーと共に読めるというのは 効果が大きいと思います。 なにせ、こういった経営の本のケーススタディーはアメリカンなもので、 さらに古典的な本になると、ケーススタディーで取り上げられている 業種、会社へのイメージが湧きにくいことが多いのです。 ということで冒頭に上げました 「日本の、今の会社の実例が読める」 ことは大きな価値があると思います。
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、らwhttp://s.tabelog.com/tokyo/A1302/A130202/13123366/?lid=header_restaurant_detail_mapgg
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教科書どおりやってできていないという人は 教科書に書いてある事の1〜3のうち自分に最もできそうな1つだけやっている中途半端は人だと書いていたのはとても響いた。 教科書通りを徹底してやらなければ、効果がでない。 基礎を知らないのに、応用ばかり、楽ばかり考えていては何も生み出せない...
教科書どおりやってできていないという人は 教科書に書いてある事の1〜3のうち自分に最もできそうな1つだけやっている中途半端は人だと書いていたのはとても響いた。 教科書通りを徹底してやらなければ、効果がでない。 基礎を知らないのに、応用ばかり、楽ばかり考えていては何も生み出せない。 そういわれている気がした。 以下の教科書は読んでみようと思う。 ◆競争の戦略 著者:マイケル・E・ポーター ◆コトラーのマーケティング・マネジメント 基本編 著者:フィリップ・コトラー ◆The Myth of Excellence 著者:Fred Crawford, Ryan Mathews ◆売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケンティング22の法則 著者:アル・ライズ、ジャック・トラウト ◆いかに「サービス」を収益化するか 著者:DIAMOND バーバード・ビジネス・レビュー編集部 ◆真実の瞬間 著者:ヤン・カールソン ◆ONE to ONE マーケティング 著者:ドン・ペパーズ、マーサ・ロジャーズ ◆ブランド・エクイティ戦略 著者:デービッド・A・アーカー ◆ビジョナリーカンパニー 著者:ジェームズ・C・コリンズ、ジェリー・I・ポラス ◆1分間 顧客サービス 著者:ケン・ブランチャード、シェルダン・ボウルズ ◆1分間 エンパワーメント 著者:ケン・ブランチャード ◆成功の秘訣 【ブランド展開の方法を知る】 ◆ブランド・ポートフォーリオ戦略 デービッド・A・アーカー
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星野リゾートの事業展開の背後には常に「教科書」が存在する。一流の経営学者が緻密な研究によって導き出した理論に基づいて考え抜き、確信を持ってビジネスを実践する。それが星野社長の経営。これまでの事業経営の傍にあった「教科書」とそのエッセンスを紹介する。
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この本は星野リゾートを経営し老舗企業からリゾート施設を運営するまで成長させた4代目社長、星野佳路を取材しまとめた内容で、日経トップリーダーに連載されていたものに加筆訂正を加えたものである。 続きはこちらで。 http://gappacker.com/2013/05/26/tex...
この本は星野リゾートを経営し老舗企業からリゾート施設を運営するまで成長させた4代目社長、星野佳路を取材しまとめた内容で、日経トップリーダーに連載されていたものに加筆訂正を加えたものである。 続きはこちらで。 http://gappacker.com/2013/05/26/textbook_of_hoshino_resort/
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星野リゾートというと、私の先輩が転職しようと考えていた会社だ。 私も興味ああったので、購入。 教科書(古典的な理論の書かれている本)をもとにしてその通りにやってみる、ということの価値と、その成功例を挙げている。 私が好きなのは、星野リゾートが経営するスキー場のレストランのエ...
星野リゾートというと、私の先輩が転職しようと考えていた会社だ。 私も興味ああったので、購入。 教科書(古典的な理論の書かれている本)をもとにしてその通りにやってみる、ということの価値と、その成功例を挙げている。 私が好きなのは、星野リゾートが経営するスキー場のレストランのエピソード。 当時、顧客満足度の低かったレストランで、提供するカレーを「美味しくなかったら返金する」というサービスを始めた。 想像しうるように、現場のスタッフからは苦情が出た。 そして、サービス開始三日目に、返金を要求する顧客は出た。 しかし、これが引き金になった。 「この日境にスタッフは『どうしたらお客様に満足いただけるか』を意識し、『おいしさ保証を伝える大看板を作ろう』『辛口がどれくらい辛いかきちんと伝えよう』など、独自の工夫を開始した。カレーの『おいしさ保証』はやがてアルツ磐梯がサービスを高めて再生道のりを歩む象徴になった。」(p.97) このサービスをは、相当な難産だったと思う。 ただ、それが結果として、いい方向に進むことになったのは、讃えるべきだ。 他に良いエピソード多数。 面白い一冊でした。
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近頃のテレビ等の旅行番組を見ますと必ずと言っていいほど星野リゾートの宿が出てきています。宿の雰囲気もいいし、戦略もしっかり練られている感がありましたので、少し古い本ではありましたが読んでみました。 読んだ感想は、オーソドックスな戦略を継続かつ徹底してやり続けているのが星野リゾートの躍進の秘密だと分かりました。ただオーソドックスな戦略と言えどやり続けるのは大変です。 マイケルポーターの「競争の戦略」にしてもドラッカーにしても本として読んだことのある人はごまんといるでしょうが実際のビジネスに生かそうとすると、どれだけ大変ではあるかは社会人の皆様にはご存知の通りのことだと思います。 経営戦略の考え方は毎年のように新しいものが出ていますが、複雑すぎる世の中になったからこそ、シンプルかつオーソドックスな考えに戻す時期に来ているのかもしれません。 筆者自身も祖父が内村鑑三からいただいた成功の秘訣を座右の銘としているように、企業家は利益や成長だけを追求するのではなく経営者としてどんな風に生きるのか、ミッションを問われる時代になってきているのかもしれません。 この信念を持ち続ける限りは星野リゾートの今後の躍進は期待できるかなと思った本でした。
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