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陽の子雨の子 の商品レビュー

3.8

26件のお客様レビュー

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2023/12/24

限界を知る辛さを知っている人には、心に応える気がする。なんとも言い表せない寂しさと共にアンニュイとした気持ちになる。

Posted byブクログ

2022/10/26

14歳の夕陽、19歳の聡の視点で交互に物語は進む。主要人物の中で一番年長なのに一番言動の幼い雪枝。だが20代それも前半の頃なんて、そんなに大人でいられただろうか。 めちゃくちゃに不幸じゃないけど、幸せだったなんて思えない過去があったこと。 特別な自分になりたくて、でも自分の限界も...

14歳の夕陽、19歳の聡の視点で交互に物語は進む。主要人物の中で一番年長なのに一番言動の幼い雪枝。だが20代それも前半の頃なんて、そんなに大人でいられただろうか。 めちゃくちゃに不幸じゃないけど、幸せだったなんて思えない過去があったこと。 特別な自分になりたくて、でも自分の限界もわかってしまうこと。 心が傷付いたこと。それを誰かに聞いてほしいこと。でも不幸自慢みたいでみっともない、そんなの自分だけじゃない、とはわかるんだけど、折り合いを付けれず、私も雪枝のように周りの人を巻き込んできた。 雪枝とそう変わらない初読時の25歳から一時、短歌を詠んでいた。 精神的に参っていた時期で心の弱りを種として、ある時自然に脳内に短歌が生まれた。この当時は意識していなかったけど、知らず知らずに雪枝に影響されたのかもしれない。 (当時百人一首や平安時代に興味を持ち七五脳になっていたのもあるかもしれないが。) 豊島さんの著作ではあまり目立たないが、思い入れのある作品。 作中の雨や夕景の雰囲気もなんとなくノスタルジックで気に入っている。

Posted byブクログ

2019/06/22

また作家として活動してほしいと思う人です。 読むのがもったいなくて、ずっと取っておいた作品。 他の方々は、割と低めの評価ですが、私は大好きです。 今日は梅雨の週末で、外は雨が降ったり止んだり。 静かにお家で読みました。 夏のもやっとした空気感や、 現実の中で切り離されてたよう...

また作家として活動してほしいと思う人です。 読むのがもったいなくて、ずっと取っておいた作品。 他の方々は、割と低めの評価ですが、私は大好きです。 今日は梅雨の週末で、外は雨が降ったり止んだり。 静かにお家で読みました。 夏のもやっとした空気感や、 現実の中で切り離されてたような空間で 曖昧な関係と それでも地続きの現実の時間。 30歳を過ぎて、なんか変に慣れてきた部分があって、感受性も10~20代とは変わってしまったと思うけど、豊島さんのこの作品を今読めて良かった。 さみしいし、苦しいし、でもわかってる。 世の中だってとっくに詰んでることあるもんね。 小さな狭い世界で生きてて、どん詰まり感とかあるし、 でも夕陽がその世界に夕立のあとの晴れ間みたいな空気をつれてきてくれた。 汚されないし、染まらない。 よかった、ほんとによかった! 豊島さん、また帰ってきてほしいです。

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2018/12/27

大人びた考えと語り口調だけど、見た目はきっと小さくてかわいい夕陽くんと、24歳だけど大人になりきれない、そして誰かに特別な自分を見つけてもらいたい女の子、雪枝。 2人はひょんなことから出会い、そして普通だと思っていた雪枝さんには、聡という中学生のころから飼っている男の子がいた。 ...

大人びた考えと語り口調だけど、見た目はきっと小さくてかわいい夕陽くんと、24歳だけど大人になりきれない、そして誰かに特別な自分を見つけてもらいたい女の子、雪枝。 2人はひょんなことから出会い、そして普通だと思っていた雪枝さんには、聡という中学生のころから飼っている男の子がいた。 危うい関係の3人。 不思議だし、少年監禁のようなこんなこと許されるわけがないとも思うが、なんだかきれいで青春を感じるお話でした。

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2016/06/13

「トクベツな自分」になりたい24歳の雪枝と、四年前に彼女に拾われた19歳の聡、そして次のターゲットにされる14歳の夕陽。奇妙な三角関係の顛末を描く青春小説。 中学二年の夕陽が自分を見失うことなく、ちゃんと現実を捉えたことに驚く。この年齢ならではの好奇心や自尊心、歳上女性への憧憬を...

「トクベツな自分」になりたい24歳の雪枝と、四年前に彼女に拾われた19歳の聡、そして次のターゲットにされる14歳の夕陽。奇妙な三角関係の顛末を描く青春小説。 中学二年の夕陽が自分を見失うことなく、ちゃんと現実を捉えたことに驚く。この年齢ならではの好奇心や自尊心、歳上女性への憧憬を考えると、彼の雪枝への絶ち切り方は真似できない。作者が理想とする少年の姿なのかもしれない。

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2013/11/02

豊島ミホさんは同級生です。 あちらは覚えてないかもしれないし、私もこういう形で再会(?)してなければ思い出さなかったであろう同級生ですが。 彼女の表現やなんともいえない思春期特有の卑屈具合に自分の高校時代を思い出してしまう。 しかもこの小説、他の豊島ミホ作品に見られる爽や...

豊島ミホさんは同級生です。 あちらは覚えてないかもしれないし、私もこういう形で再会(?)してなければ思い出さなかったであろう同級生ですが。 彼女の表現やなんともいえない思春期特有の卑屈具合に自分の高校時代を思い出してしまう。 しかもこの小説、他の豊島ミホ作品に見られる爽やかさが全くない。 作者も書いてるように結構な暴力具合w でも 人間のこっち側とあっち側なんて常に紙一重なんだと思う。 落ちるのも踏みとどまるのも。 笑うのも泣くのも。 うん、でもやっぱり結構しんどい一冊ですよ。

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2012/11/20

「私は、悔しかった。人生の長さが怖かった。べつに、私の生活は、変わったことなんてなにもなかったけど、そのなにもないことこそが、怖かった。」(あとがきより) ふとしたときに感じる切なさをこんなにもうまく言葉で表現されてしまうとは。 そうなの、いつまでも延々と続くであろう毎日...

「私は、悔しかった。人生の長さが怖かった。べつに、私の生活は、変わったことなんてなにもなかったけど、そのなにもないことこそが、怖かった。」(あとがきより) ふとしたときに感じる切なさをこんなにもうまく言葉で表現されてしまうとは。 そうなの、いつまでも延々と続くであろう毎日の繰り返しが突然怖くなって、これから何十年と続くであろう人生の長さに恐怖を覚えてしまうことがあるの。 それにしても雪枝さんが気持ち悪すぎる。何一つ共感できなかった。自分は特別なのかもしれないって思いたい気持ちは痛いほどにわかるけれども、他にも手段はあるよね?って思う。 夕陽の「きれいで強い意志のある子だから、このまままっすぐまっすぐ、いろんな悲しいことと関係ないままでいて欲しい」っていう彼女への思いがかっこよすぎる一方で、こんな中学生いるの?って疑問も。 とか言いつつ、一気読みしたけどね!

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2013/05/28

豊島ミホの長編を読むのは何気にこれが初めてだった。 初読時、雪枝と夕陽の関係がどうなっていくのか気になってたな。 とにかく雪枝が変わった・不思議なキャラだなと思った。 何だかんだで雪枝とサトシはこれからもずっと一緒にいるのだろうね。 「灰色の点々」は最初、正直ピンと来なかった...

豊島ミホの長編を読むのは何気にこれが初めてだった。 初読時、雪枝と夕陽の関係がどうなっていくのか気になってたな。 とにかく雪枝が変わった・不思議なキャラだなと思った。 何だかんだで雪枝とサトシはこれからもずっと一緒にいるのだろうね。 「灰色の点々」は最初、正直ピンと来なかったけれど、最後の方の夕陽の手紙からあぁ確かにねって思いました。

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2011/12/19

犯罪なのにこの美しさは 豊島ミホしか出せないと思います。 私は好きだけど こういう話嫌いな人も いるんだろうなって 何となく感じました。

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2011/09/02

外からの刺激に影響されることなくまっすぐ歩んでいく夕陽くんの素直さ、純粋さが眩しいなあ 「花束になりたい」に共通する主人公の「特別になりたい」て気持ちがそのまま豊島さんの声に聞こえて、痛い。痛々しいんじゃなくて 過去の作品を読めば読むほど、休業されて寂しいなあ、と 豊島さん...

外からの刺激に影響されることなくまっすぐ歩んでいく夕陽くんの素直さ、純粋さが眩しいなあ 「花束になりたい」に共通する主人公の「特別になりたい」て気持ちがそのまま豊島さんの声に聞こえて、痛い。痛々しいんじゃなくて 過去の作品を読めば読むほど、休業されて寂しいなあ、と 豊島さんは読者にとって特別な人なのになー

Posted byブクログ