去年はいい年になるだろう の商品レビュー
24世紀から人類の不幸を取り除くため ロボットがやって来た。 主人公は山本弘本人。実在の人物や事件を踏まえて展開する歴史改変SF。 大きな災害を防ぐため、結果として多くの人が幸せになるなら、多少の犠牲は仕方ない? 合理的ではない人間の幸せとは。
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99:9・11テロを防ぐべく、24世紀からタイムスリップしてきた「ガーディアン」と名乗る美男美女のロボットたち。彼らはロボット工学の三原則の下に、テロや自然災害から人類を守るべく歴史の改変を行うが……というパラレルワールドもの。実在の作家さんたちが実名で登場するなどニヤリとする演...
99:9・11テロを防ぐべく、24世紀からタイムスリップしてきた「ガーディアン」と名乗る美男美女のロボットたち。彼らはロボット工学の三原則の下に、テロや自然災害から人類を守るべく歴史の改変を行うが……というパラレルワールドもの。実在の作家さんたちが実名で登場するなどニヤリとする演出も交えながら、「多くを救うために少数を犠牲にする」ガーディアンのやり方に不気味さを感じたり、家族とカイラとの間で揺れる心、そしてさらなる歴史改変、とどんどん読み進めてしまいます。大きくくくればSFになるのでしょうが、タイトルの意味がわかった瞬間の「ああ!」というスカッとした感じがたまりません。内容はやや重いのですが、最後に希望が描かれてよかったと一安心。
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山本老师真是自己人!宅出境界的宅…有时候看他推特上发的各种宅向东西 都怀疑他还有时间写小说嘛…而且这书还全用的是实名…借钱那貌似也是实事…对人类的痛心疾首的失望在他推特timeline中也可见一斑。宅向和sf领域干货太多…或许并不能受万人喜欢…老师的网站做的很有意思 没事可去逛逛
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山本弘、すごい! BISBB部の3巻目が今年最高のミステリーとしたら、これは今年最高のSF。タイムトラベラーパラレルワールド。大好き。
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図書館より。 2001年、未来からガーディアンと名のるアンドロイド集団が襲来。人類のために尽くすことを本能づけられた彼らは、世界中の戦力をあっという間に無力化すると、貧困地域の支援や人命救助、テロリストの確保、独立国家の解体などを次々と行う。そしてSF作家”山本弘”にもガー...
図書館より。 2001年、未来からガーディアンと名のるアンドロイド集団が襲来。人類のために尽くすことを本能づけられた彼らは、世界中の戦力をあっという間に無力化すると、貧困地域の支援や人命救助、テロリストの確保、独立国家の解体などを次々と行う。そしてSF作家”山本弘”にもガーディアンが接触してきて… この本の著者である山本弘さんが主人公の一種の時空改変、タイムパラドックスもののSFです。そんなわけで2001年時点の山本さん自身のお話もたくさん作中では触れられています。山本さんがこれから(2001年以降に)書く小説の話であったり、自身が運営している同好会の話であったり、仕事の話や家族の話など。 そんなわけである程度山本弘という作家の作品や彼のSFのスタンスをある程度知っていないと、なかなか入り込みにくいかもしれないです。(特に『アイの物語』は先に読んでおくのを推奨します) ただそうした部分をあますことなく語ることによって、アンドロイドの襲来が世界的に見れば確かにいいことかもしれないですが、それが個人単位の話になるとどうなのだろうか、という問いに対し非常に具体的な回答が小説として書かれていると思います。私小説的な面白さに思考実験としての面白さがプラスされたような印象です。 日常描写が多めで、話の動きはあまり多くない印象でしたが、その分ラストの衝撃はなかなかのものでした。 個人的にこの話は山本さんが『アイの物語』でなぜそうした世界を作ったのか、という問いをより深く、そして尖らせて行きついた物語のように思います。 第42回星雲賞(日本長編部門)
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図書館で。この方の本はMM9とか言う本を読んだことがありますがその時もイマイチ、ピンと来なかった記憶が。この本もナンダカナって感じで終わってしまいました。取りあえずものすごい内輪受けって感じの本だなあと思いました。(まあ主人公が過去の自分にあてて書いてる本なので仕方ないのでしょう...
図書館で。この方の本はMM9とか言う本を読んだことがありますがその時もイマイチ、ピンと来なかった記憶が。この本もナンダカナって感じで終わってしまいました。取りあえずものすごい内輪受けって感じの本だなあと思いました。(まあ主人公が過去の自分にあてて書いてる本なので仕方ないのでしょうけれども) 取りあえずガーディアンが彼の元を訪れたのは良いとして何で彼は家族と一緒に会わなかったのでしょうか?お友達になったらその人としか話してはいけないとか言う規則があるわけでもないのに。娘だって奥さんだって一度か二度ガーディアンに会っていれば話は違ったんじゃないかな?そういう辺り男性の女性に対する気の利かなさが表れていてすごく不快。これ、女性がお友達に選ばれたらきっと家族に紹介すると思うんですよね。主人公が無意識に対外的な所から家族を離して考えているのが男性本位な考え方だなあって思いました。もともとSF好きで通じた奥さんならガーディアンに会せたら喜びこそすれ嫌がることもないと思うのにな。多分主人公は奥さんが娘連れて出て行った理由、自分が悪いとは言いつつ何が悪いのかわかってない気がする(笑) そしてSFオタク会みたいなのも個人的にあまり良い思い出が無いのでちょっと引き気味になりました。大分前にコミケにSF枠で出た時隣のスペにこういうマニアみたいな人たちが居たなあという事を思い出して…。この作品には関係ないのですが。その時は結構なお客さんではない人数が屯して、総勢10名ぐらいが入れ替わり立ち代わりスペ内、通路にウロウロして非常に邪魔だったのです。内輪で盛り上がってこちらにはみ出していることも通行の邪魔になっていることにも気づかないし挨拶も無し。当時学生だったのですが社会人の癖に子供っぽい人たちだなあと思った事を思い出しました。そして彼らは彼らだけのコミュニティを楽しんでいて知り合い以外の人間とは対話したりしない感じが物凄い閉鎖的でイヤだったなあとそんなことも思い出しました。なんかこう、好きが高じて集う仲間内って物凄い楽しいのはわかるんですが周囲は少し見た方が良いよねっていうか。まあその辺りは反面教師でもあるのですが。 そんな感じであまり楽しめなかったです。多分この作家さんとはあまり合わないんだろうなあ…きっと。
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山本さんはSFという仮定の世界設定の中での人の心理や行動を推察するのがすごく上手で、納得させられる。 今回は未来からタイムマシンでアンドロイドがやってきた。 その目的は人を不幸から守ること さて、人類はどうする?っていうお話し。 人は決して論理や倫理だけの生き物ではない。 意地や信念、楽観や誤解それに過剰な利己心や理由のない悪意などによってどうしようもない間違いをする。 ここら辺はトンデモと戦い続けている山本さんの考察はホントに感嘆の域。 どうしてこんなバカなことをするの?それでもしてしまうのが人間なんだよ的な... アンドロイド側も強引すぎ アイの物語でもでてた、「自分がして欲しくないことは隣人にしてはならい。他の全ての法律はこれの注釈である」って言葉が凄くすき。アンドロイドの行動はこれに反しているよね 必要なことは、情報は開示すること。どうするからは自分たちで決めさせること。当事者とは求められて範囲で交流すること。 最終的なアンドロイドの結論もそれだったし、それが一番だよねと改めて実感。 タイムパラドックスについて、何とも言えないなあ その世界軸にタイムマシンで2度以上戻れるならなんで今まで誰も現れなかったの?ってなる。一度しか戻れないなら納得。 時間軸と空間軸が入れ替わるというのは面白い発想。 最後にロボットが地球を侵略する話について。 生存本能を持つ人工知能が開発されたとして、それはバーチャル空間で活動するんじゃないかということ。ロボットはあくまで人類の道具としての機能に留まるじゃないだろうか。ポスト人類のロボットではなく、電子世界に息づくことになるだろう。
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第42回 星雲賞日本長編部門受賞作。 著者による宣伝ページがある。 http://homepage3.nifty.com/hirorin/kyonenhaiitoshi.htm それによると「善意に基づく行動が良い結果を生むという保証はあるのか?」というのがテーマらしい。 ...
第42回 星雲賞日本長編部門受賞作。 著者による宣伝ページがある。 http://homepage3.nifty.com/hirorin/kyonenhaiitoshi.htm それによると「善意に基づく行動が良い結果を生むという保証はあるのか?」というのがテーマらしい。 タイムトラベル+AI+パラレルワールドを組みあわせた感じ。「時砂の王」みたいな。 でも本書は要するに、ラブレターなんじゃないかと思わなくもない。 「アイの物語」は読んだけれど、あまり覚えていないので、再読してから読んだ方が楽しめたかもしれない。 反重力は等価原理により、たぶん、存在しないだろうというのは、本書で得た気づき。等価原理から導き出せるんですね。 ちなみに http://hirorin.otaden.jp/e253405.html によると 「作中で僕が安田さんに借金を頼みに行くくだりがありまいすが、これは実際の体験が元になっています。『神は沈黙せず』を出版する直前、経済的に困窮し、安田さんに借金したことがあるのです。 」 とあります。 山本氏でさえ経済的に大変になるのであれば、作家業は本当に大変なんだなと。まぁ、ハードカバーは売れないだろうな。かさばるし。私も本書を図書館で借りているくらいだから。
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時間遡行とアンドロイドが中心だが、だんだんと、壮大なホラ話の様相を呈して行くSF作品。 SFとして楽しむよりも、実名の作家や作品もたくさん出てくるので、業界のパロディとして楽しむのが一番いいのだろう。私はそこが一番楽しかった。 そもそものこの無茶な展開自体がパロディとして設定され...
時間遡行とアンドロイドが中心だが、だんだんと、壮大なホラ話の様相を呈して行くSF作品。 SFとして楽しむよりも、実名の作家や作品もたくさん出てくるので、業界のパロディとして楽しむのが一番いいのだろう。私はそこが一番楽しかった。 そもそものこの無茶な展開自体がパロディとして設定されているような気もする。 業界を知っていれば楽しめる作品、作者の山本弘の作品やと学会などについて、あまり知らないひとは、あまりお勧めではありません。正直。 でも、私は最高に楽しめました。
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アンドロイドが改編した時点でパラレルワールドになるとしても、過去の人類の生活を改善しようとタイムトラベルしに来るというお話。うーん、そういう思考をするようになるかな。。 AIの思考は、人類と接触するのであれば、チューリングマシーン的にある程度相互理解が可能なやり取りを出来るようでなければならないとは思うのだけど。どうもその思考にリアリティを感じない。 超越者が神様にしろ、宇宙人にしろ、未来人にしろ、アンドロイドにしろ、物語にするために、顕現させるとこういう発想になりました、ということかな。 2300年で概ね人類の幸せのためにやれる事はやり尽くして、後は過去を改編して幸せに感じる人間の総量を増やす。そう、多分、SFを読むときに先鋭や未来を見たいのだけれど、2300年の先は特にありませんと言われるように感じるんだよね。アンドロイド目線では先が過去なんだろうけど。やっぱり違和感あるな。
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