マドンナ・ヴェルデ の商品レビュー
海堂尊シリーズ「ジーン・ワルツ」の代理母側の視点で描かれたサイドストーリー。それでいてこれはこれでひとつの作品として成立できているというのがこの人のプロット構築能力の恐ろしさとも言うべき妙。これを読んだ上でもう一度「ジーン・ワルツ」を読むと新たな気付きがありそう。「アリアドネの弾...
海堂尊シリーズ「ジーン・ワルツ」の代理母側の視点で描かれたサイドストーリー。それでいてこれはこれでひとつの作品として成立できているというのがこの人のプロット構築能力の恐ろしさとも言うべき妙。これを読んだ上でもう一度「ジーン・ワルツ」を読むと新たな気付きがありそう。「アリアドネの弾丸」とももっと絡んでくるのかと思ったけど、そちらの伏線はなかったですね。続編と思って読むと肩透かしを食らうが、これはこれでアリ。
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ジーン・ワルツ続編 と言っても、ジーン・ワルツ全然覚えてなかった 代理出産の母親視点?ってことでいいのかな 感情移入出来る人がどこにもいなかった
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産婦人科の女医が実母を代理母として双子を産む。 内容的には興味深かったんだけど、双子の母として、到底納得できない結末だった。 この本は、実母が主人公。 「ジーンワルツ」は女医が主人公。 実母が、実の娘である女医は母性にかけるんじゃないかと心配しておなかの子どもを守ろうとするんだけ...
産婦人科の女医が実母を代理母として双子を産む。 内容的には興味深かったんだけど、双子の母として、到底納得できない結末だった。 この本は、実母が主人公。 「ジーンワルツ」は女医が主人公。 実母が、実の娘である女医は母性にかけるんじゃないかと心配しておなかの子どもを守ろうとするんだけど、もう、そこが全然違う!と思う。 子ども産んだ人なら分かると思うんだけど、初めての妊娠中ってまだ子どもの実感が湧かないじゃないですか。 動いてるし、健診で画像見るし、いるんだよね、でも実際見てないし、分かるような、分からないような、という感じですよ。 で、産んで感動のご対面して、その後の初めての育児でボロボロになりながら母性らしきものが形成されていくんだと思います。 周りの家族、特に祖母は、経験者なんだし、初めてのお母さんを助けてあげる重要な役割です。 その人が、妊娠中の母性を疑って、子どもを引き離そうとするなんて、てんでナンセンスだと思うんですよ。 女医というより、この祖母がひどい。 妊娠中、しかも代理母だと自分のおなかの中にすらいないんだから、実感湧かなくて当たり前。 冷徹すぎるようなこと言ってても、赤ちゃんを目にしたら変わるだろうし、そのあと話し合ったっていいじゃないか。 ものすごく納得いかない結末。 言っちゃ悪いけど、子無しの男の人だからこんな結末になるんだろうね。
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以前 TVドラマでこの本の表にあるジーンワルツを観てしまったため主人公の一人である理恵が菅野美穂のイメージになって、そのギャップに困りました。内容は社会派で、小説というより代理母のレポート読んでいるみたいな感じ。
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読み終えて思うのは、ドラマ「マドンナ・ヴェルデ」はドラマとしてかなりアレンジされていたんだなぁ…ということ。 でも、私はドラマも好きです。理恵とみどりのすれ違いをあまり前面にださず、丸山を絡めて、見ている側にとって感情移入しやすい構成だったように思う。 さて、原作の「マドンナ・...
読み終えて思うのは、ドラマ「マドンナ・ヴェルデ」はドラマとしてかなりアレンジされていたんだなぁ…ということ。 でも、私はドラマも好きです。理恵とみどりのすれ違いをあまり前面にださず、丸山を絡めて、見ている側にとって感情移入しやすい構成だったように思う。 さて、原作の「マドンナ・ヴェルデ」は「ジーン・ワルツ」に比べてなんとなく後味が悪い…。 それはみどりの心情に焦点を当てているからだろうか。 代理出産への戸惑いや不安、娘への憤り…。 そんなものを私も味わいながら読んでいた。 後味が悪いのは、おそらくこれで終わりではないからかな。 子育ては産んでからが大変。子どもが自分等の出生の秘密を知ったらどうなるだろうか…。 理恵はマリアクリニックを継続させられるのだろうか…。 まだまだ始まったばかりなわけだ。 「ジーン・ワルツ」が明快だったのは理恵の一人勝ちのようにみえたからかな。 「男社会」には勝ったけど、女の世界ではそう簡単にいかなかった。 つい考えてしまうのは、理恵とみどりの母子関係。 悪くないけど良くもない。 なんか少しズレている。なんでこうなってしまったのか、気になる。 自分も出産をして、つくづく感じるのは、母親って「なる」ものではなく「なっていく」ものなんだということ。 妊娠して、お腹にいることを感じながら少しずつ赤ちゃんに「母親」にしてもらうもの。 だから、理恵はその意味では「母親」の気持ちが足りないのも分かる気がする。 でも、一緒に暮らしていればそのうち身に付いてくるものでもあるから、理恵が“子を想う母の気持ち”を実感できる日がくるはず。 その時、家族そろって過ごすことができるんじゃないんだろうか。 そうなることを願いたい。
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「ジーン・ワルツ」の双子小説で、全く同じ出来事が、視点が変わって別の登場人物の立場から語られ直されるという趣向でした。この手の小説は僕は結構好きで、「エンダーのゲーム」のあと「エンダーズ・シャドウ」を読んだときには感動しましたし、「阪急電車」なんかもおもしろいなと思いました。 た...
「ジーン・ワルツ」の双子小説で、全く同じ出来事が、視点が変わって別の登場人物の立場から語られ直されるという趣向でした。この手の小説は僕は結構好きで、「エンダーのゲーム」のあと「エンダーズ・シャドウ」を読んだときには感動しましたし、「阪急電車」なんかもおもしろいなと思いました。 ただ、ちょっと残念だったことに、「ジーン・ワルツ」を読んだのが結構前で、細部をもうかなり忘れてしまっていたために、細かいエピソードを十分に楽しみきれなかったということがあります。(「エンダーのゲーム」は、日本語で3回、英語で2回も読み直したので、すでに十分覚えていましたし、「阪急電車」はそもそも同じ本の中での短編間の話なので、忘れる心配はありませんでした) 「ジーン・ワルツ」では謎だったことが、初めからオープンになっていますので、ミステリの要素は薄く、登場人物の感情に焦点が当てられた普通の小説と言った方がいいものだけに、余計に「ジーン・ワルツ」を読んだ直後に読んだ方が良かったなと思いました。
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ジーン・ワルツと対になったお話。 ジーン・ワルツでは最強を誇った論理だらけの理恵が、みどりに敗北する流れは予想通りとはいえ、納得感のある収束だった。また、伸一郎とみどりの関係性に、広がりを見せたことが面白かった。 嫁姑の関係はよく話になるが、婿と義母の関係を書いてるところが新鮮か...
ジーン・ワルツと対になったお話。 ジーン・ワルツでは最強を誇った論理だらけの理恵が、みどりに敗北する流れは予想通りとはいえ、納得感のある収束だった。また、伸一郎とみどりの関係性に、広がりを見せたことが面白かった。 嫁姑の関係はよく話になるが、婿と義母の関係を書いてるところが新鮮かも。 反面、妊婦の苦労の描写が足りないと感じる。50超えの妊婦が新幹線で検診に通うだろうか?発生学的な困難はたくさん書かれているが、妊婦のつわりに始まる生理的困難はほとんど描写されず、あっさり生まれてきたなーという感じ。
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人気作家海堂尊の作品。映画化もされている『ジーン・ワルツ』の続編(裏物語?)。『ジーン・ワルツ』で触れられた代理母事件の話が綴られています。これまでの海堂尊の作品と同様、海堂尊ワールドの中で、登場人物・設定が、様々にリンクしていきます。 主人公“山咲みどり”の視点で物語が進んで...
人気作家海堂尊の作品。映画化もされている『ジーン・ワルツ』の続編(裏物語?)。『ジーン・ワルツ』で触れられた代理母事件の話が綴られています。これまでの海堂尊の作品と同様、海堂尊ワールドの中で、登場人物・設定が、様々にリンクしていきます。 主人公“山咲みどり”の視点で物語が進んでいきます。時代的には、いまである筈ですが、みどりは中々古風な人物であるようで、“手紙”が物語のツールとして見事に使われています。それが、現代医学の粋を集めた代理母という医療と、上手く対比を成しているような気もします。 映画『ジーン・ワルツ』の方の話になってしまいますが、曽根崎理恵を菅野美穂が演じるというのは、菅野美穂のイメージと若干合わない気がしますが・・・。もっとも、清川吾郎が田辺誠一だというのも、微妙です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今まで、どうしても子供が欲しいなら、代理母もあるんじゃないかと思っていたが、この本を読むとそんな単純な問題じゃないと思った。 何か自然に反するような・・・。この中でも触れられていたけれど、他人の子供を産んでしまうことだって、あり得ないことではないし。 何も宗教を持っていないが、今まで生きてきた上での自分の倫理観が抵抗を示してしまった。 それでも、身近にこういう人がいたら、決して非難はできない。 ただ、最後は救いのある内容だが、娘の感覚は狂っている。その娘を育てたのも、主人公である母親だ。 一番まともなのは、ヤンキー系の女の子だったかも。
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ジーンワルツの代理母をしたみどりを主人公とした話。 ジーンワルツを呼んでからこの作品を読んだので、このときにこういうことがあったのかと楽しんで読めた。
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