マドンナ・ヴェルデ の商品レビュー
ジーンワルツと対になる作品。 ネタバレになるのでまだ読んでいない方、ジーンワルツもだ、には参照を控えて頂きたい。 もし自分の娘がいきなり代理母出産してと言ってきたらどうするだろう? 私には子どもなんていないから現実の想像とも出来ないのだが、絶対に戸惑うと思う。 しかも相手はク...
ジーンワルツと対になる作品。 ネタバレになるのでまだ読んでいない方、ジーンワルツもだ、には参照を控えて頂きたい。 もし自分の娘がいきなり代理母出産してと言ってきたらどうするだろう? 私には子どもなんていないから現実の想像とも出来ないのだが、絶対に戸惑うと思う。 しかも相手はクール・ウィッチだ。 100%困る。 自分より賢くて何を考えているかわからない娘の言うことなんて恐ろしすぎる。 この作品はまさにそんな状態に追い込まれたみどりさんのお話だ。 代理母なんて言葉も知らず、ただただ娘の子を代わりに産むだけと捉えていただけにもかかわらず自分のお腹の中でどんどん大きくなっていく子に芽生える愛情はそう簡単に割り切れるものじゃない。 例え自分の遺伝子でなくてもだ。 緑さんは戸惑い流されながらも徐々に自分のお腹の中の子どもの人生を考えていく。 そして、代理母という事実に真摯に向き合うようになっていく姿は無理がなく、非常にリアルに感じた。 ジーンワルツでも書いたが、この二作は映画化すべきだ。 もっと生命の誕生と言う奇跡に対し、我々は深刻に考えるべきだ。 その点で、問題定義として非常に良い映画になってくれるだろう。
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感情か論理か 情理を尽くして、などということをすっかり見聞きしなくなりましたが、妊娠から出産の医療における情理とは何か、ということが主題です。 厚労省も医局も学会も今作では目立たず、有能な婦人科医である娘とその母、主に母を中心に、代理母について考察しつつ物語を追...
感情か論理か 情理を尽くして、などということをすっかり見聞きしなくなりましたが、妊娠から出産の医療における情理とは何か、ということが主題です。 厚労省も医局も学会も今作では目立たず、有能な婦人科医である娘とその母、主に母を中心に、代理母について考察しつつ物語を追う仕組みです。代理母の母は、卵子の提供者か子宮の貸与者か、などなど。 相変わらずの桜宮市ですが、愚痴外来も役人も登場せず、関係者や舞台装置は限定的で、大きな動きのある話ではありません。生と死に焦点を当てるべく、あえて親子を中心に物語っているように思えます。バチスタ手術や死亡時画像診断などのいわば派手で新規な医療技術について、推進者と既得権者が感情的に対立する構造とは違い、昔からのお産と医療技術による妊娠と出産の、情と理の対立であるところが、興味深いです。結末は多少滑稽な感がありますが、情と理の均衡を取った結果でしょう。 医療の現場なので、死者も登場するものの、これも死が問題提起となり謎解きの中で何らかのの主張がある推理小説のような形でもなく、とにかく、かなり穏やかな作品です。 よくよく考えてみれば、代理母はかなり刺激的、ところによっては冒涜的な主題なのですが、徒に正邪、是非の結論を急ぐべきではない、という作者の意図があるように思えます。もしくは、個別に判断すべき事柄とか。 少しだけ垣間見える厚労省や医学会は相変わらずの体たらくですが、彼らに変化や進歩を期待する方が間違っているのか、それとも関わる者全て(つまりみんな)が少しづつ駄目なのか、最近は、後者のような気もしてきたが、そうなると集団責任、無責任となるのが何ともはや・・・。 真面目な娯楽小説でした。 文京図書館から借用。
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「ジーン・ワルツ」は興味深く、また面白く読めたので、こちらの作品も楽しみにしていましたが…。歪んだ母娘関係というか、親子のやりとりや会話が何だかちょっと読んでいて気持ち悪かったです。
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「ジーン・ワルツ」の代理母の視点からみたパラレルストーリー。 海堂ワールド好きの方は読んでおいた方がいいかも。 理恵の身勝手さにはいささか閉口する。正解というのはないと思いますが、最後の解決はこれでいいのだろうかと思ってしまう。どうやらこの話はまだ続くようなので先の展開にも期待し...
「ジーン・ワルツ」の代理母の視点からみたパラレルストーリー。 海堂ワールド好きの方は読んでおいた方がいいかも。 理恵の身勝手さにはいささか閉口する。正解というのはないと思いますが、最後の解決はこれでいいのだろうかと思ってしまう。どうやらこの話はまだ続くようなので先の展開にも期待したい。
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久しぶりの海堂尊ワールドへ。 今回の内容は「ジーンワルツ」を別な角度からとらえたもの。 代理母となった理恵の母みどりの視点で書かれていて 面白かった。身勝手な理恵に怒りながらも、将来を心配し 必死になるみどりさんの姿が素敵だった。
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娘の子供を代理出産する50代の母親 「ジーン・ワルツ」の別バージョン。 今回は代理出産する母親のほうの視点で話が進みます クール・ウィッチ曾根崎理恵は、ますますクールさに磨きがかかってる感じ。あんまり好きになれないかも・・ 結末の「子供をわける」やり方は、ちょっと納得いかない...
娘の子供を代理出産する50代の母親 「ジーン・ワルツ」の別バージョン。 今回は代理出産する母親のほうの視点で話が進みます クール・ウィッチ曾根崎理恵は、ますますクールさに磨きがかかってる感じ。あんまり好きになれないかも・・ 結末の「子供をわける」やり方は、ちょっと納得いかないなぁ・・・
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終盤にかけてのみどりの行動は 「ど、ど、どうしたの!?」って感じだったけど 終わってみれば収まるところに収まってたので、まあ良いか。
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+++ 「ママは余計なこと考えないで、無事に赤ちゃんを産んでくれればいいの」平凡な主婦みどりは、一人娘で産科医の曾根崎理恵から驚くべき話を告げられる。子宮を失う理恵のため、代理母として子どもを宿してほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは、実の孫。奇妙な...
+++ 「ママは余計なこと考えないで、無事に赤ちゃんを産んでくれればいいの」平凡な主婦みどりは、一人娘で産科医の曾根崎理恵から驚くべき話を告げられる。子宮を失う理恵のため、代理母として子どもを宿してほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは、実の孫。奇妙な状況を受け入れたみどりの胸に、やがて疑念が芽生えはじめる。「今の社会のルールでは代理母が本当の母親で、それはこのあたし」。 +++ 『ジーン・ワルツ』のパラレルワールドである。前作は生物学的な母・理恵の目線で書かれたものであり、今作は母体であり法律上の母であり理恵の母でもあるみどりの目線で描かれている。 多方面から眺めることによって、理恵が目指し実際に実現させたことの理論上の重大さと感情面での奥深さがより一層わかりやすくなった。だが、これが最善だったのかどうかは、それぞれ生物学上の母と父――この段階では父の委託を受けたみどりである――の元で育つ双子のその後をみきわめなければ判断はできない。薫のその後は、『医学の卵』でも知ることができるので、悲観的な結末にはならない気はするが。 著者は、桜ノ宮市で起こる医療関係の出来事を別作品として多角的に描いているが、一作目を書きはじめるときにすでに世界は出来上がっていたのではないかと思わされる。
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娘の代理母になった50代半ばの女性の話。何の問題もなくそんなに簡単に産めるのかな〜?というのがまず第一の感想。 代理母についての問題提起は理解出来るのだか話の筋に??? ジーン・ワルツの続編らしいが読んでいないから・・・? 解決策があれでいいの?双子でなかったらどうしたのかしら。...
娘の代理母になった50代半ばの女性の話。何の問題もなくそんなに簡単に産めるのかな〜?というのがまず第一の感想。 代理母についての問題提起は理解出来るのだか話の筋に??? ジーン・ワルツの続編らしいが読んでいないから・・・? 解決策があれでいいの?双子でなかったらどうしたのかしら。何の解決にもなっていないという感じ。
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ジーンワルツの続編。 代理母,みどりの視線でジーンワルツと同じ時間軸をたどっていく。 お産、親権を争う母と娘、子供を想うみどりの場面では泣いてしまった。 ジーンワルツもマドンナヴェルテも 女性は感じるものが多いと思う。 男性はどうだろうか… 個人的に好きな一文。 ひとつ...
ジーンワルツの続編。 代理母,みどりの視線でジーンワルツと同じ時間軸をたどっていく。 お産、親権を争う母と娘、子供を想うみどりの場面では泣いてしまった。 ジーンワルツもマドンナヴェルテも 女性は感じるものが多いと思う。 男性はどうだろうか… 個人的に好きな一文。 ひとつ確信する。マドンナの笑顔、あれは至福ではなく諦念の表情だったのだ、と。 代理母と受胎告知をうけたマリアを結びつけるなんて凄い。
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