マドンナ・ヴェルデ の商品レビュー
『ジーン・ワルツ』原作が2月に映画公開される。これはその続編のようなもので、 不妊治療のエキスパート、曾根崎理恵が大学病院の勤務の傍ら 出向いているマリアクリニックで治療に当たっている患者のひとり、山咲みどりを主人公に据え、 彼女の視点から理恵の生い立ち、家族などを描きながら『ジ...
『ジーン・ワルツ』原作が2月に映画公開される。これはその続編のようなもので、 不妊治療のエキスパート、曾根崎理恵が大学病院の勤務の傍ら 出向いているマリアクリニックで治療に当たっている患者のひとり、山咲みどりを主人公に据え、 彼女の視点から理恵の生い立ち、家族などを描きながら『ジーン・ワルツ』では解明されてなかった謎が解き明かされるというもの。 と云っても本作品は、然程ミステリー性は感じられないと思う。 主人公・みどりがあるきっかけで句会に参加し、その彼らとの交流も描かれていく。 各章のタイトルが見慣れない難しい漢字(例えば、楓蔦黄)が使われ意味が分からないので(-_-;) 調べてみたら歳時記の 二十四節季、七十二候が用いられてるようだ。なるほど、その為かと納得! また、朝ごはんとか料理する場面がしばしばあって生活感が漂う主人公の日常が描かれているのも、 今までの海堂作品とやや趣が違う気がする。 本書は、日本ではまだ受け入れられていない代理母出産という重たいテーマが孕んでいる。 そういえば正月早々、どこかの国会議員が、超高齢出産で 男児が誕生したというおめでたいニュースが飛び込んできたね! これは、そういった意味でタイムリーな本かも知れない。
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ジーンワルツの続編で、曽根崎先生の母親=代理母の視点からの作品。 日本の法律では、子供を産んだものが母親となるが、それが正しいのかはわからない。 子供を10ヶ月間お腹に宿し、産むということは(かつては)生命の危機にもさらされるリスクを伴う事であり、そのリスクを背負うものが母親になるのは当然の権利という考え方もあれば、遺伝子的な観点からはやはり受精卵の提供者が母親になる権利を有するという考え方もある。 卵が先か鶏が先かの議論になってしまうが、この点について今一度考え法律を整備する必要があるとおもう。
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ジーンワルツを読んだときから、ぜひ読んでみたかった姉妹編。 男性医師の海堂尊が「女性の本能」をどこまで掘り下げるか? マドンナ・ヴェルデは、母性本能と医療の現状を絡めて書かれたすべての人への警告であり、母になる特権を与えられた女性へのエールがこめられているように感じました。 女性の皆さんは一読の価値があります。 ただ、理恵という主人公に自分を重ねられるか?というと難しいかな?
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『ジーン・ワルツ』を曽根崎先生の母親から描いた作品。 娘のためとはいえ、子どもを代理出産する母親の不安と闘い。 『ジーン・ワルツ』では生めない母親の立場から代理出産を認めないことの問題が描かれていたが、こちらでは代理出産を引き受ける立場から代理出産を認めることで生じる問題が描かれていた。
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ジーンワルツからの続き。なるほど。俳句・歳時記を使っての上手い年配女性の心情を表してる。かおるクンのシッターさん・山咲さんはここから始まったのね。 作品の紹介 「ママは余計なこと考えないで、無事に赤ちゃんを産んでくれればいいの」平凡な主婦みどりは、一人娘で産科医の曾根崎理恵から驚くべき話を告げられる。子宮を失う理恵のため、代理母として子どもを宿してほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは、実の孫。奇妙な状況を受け入れたみどりの胸に、やがて疑念が芽生えはじめる。「今の社会のルールでは代理母が本当の母親で、それはこのあたし」。
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出産代理母による心情が描かれた作品でした。 現在の医療レベルと法律とのギャップを どうするべきか、考えさせられました。 海堂尊さん独特のテンポよい文章で とても読みやすいと感じました。
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「ジーン・ワルツ」では主人公だった曽根崎理恵の母親であり代理母もつとめた山咲みどりの視点で描かれた今作は、「ジーン・ワルツ」のサイドストーリーとなっているので「ジーン・ワルツ」を読んでいないとなんのことやら状態になるのではと思いました。 とはいっても、「ジーン・ワルツ」を読んでい...
「ジーン・ワルツ」では主人公だった曽根崎理恵の母親であり代理母もつとめた山咲みどりの視点で描かれた今作は、「ジーン・ワルツ」のサイドストーリーとなっているので「ジーン・ワルツ」を読んでいないとなんのことやら状態になるのではと思いました。 とはいっても、「ジーン・ワルツ」を読んでいなくとも読める物語にはなっていました。ただ「ジーン・ワルツ」を読んだ方がより良いでしょうね。 今作は珍しく医療関係者ではない人物が主人公となっていましたが、現代の医療が抱える問題(代理母問題)を扱っているあたりはさすが海堂氏だなと思いました。 また今作も「医学のたまご」との繋がりが見え、特に親父さんの習慣はこれがきっかけになったのかと微笑ましかったです(にこにこ)。 そして、今作でやっと作品の時間の流れがどうなっているのかがきちんと把握することができました(「ジーン・ワルツ」で「医学のたまご」が何年後のことなのか分かるのでしょうが読んだ時は分かっていなかったようで)。 そうなると東城大学に起こった大打撃もそろそろ描かれるのでしょうかね…もう描かれているのかもしれませんが。 (あらすじ以外はほぼ忘れている)「ジーン・ワルツ」と「医学のたまご」をまた読みたくなりました。 というか、「螺鈿迷宮」がシリーズの中で最も忘却しています。でんでん。
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代理母の話でした。海堂作品にしては、読みやすく感情移入しやすかったー。最後、泣きました…。代理母問題が良くわかった一冊!
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代理出産をテーマにした作品。 海堂 尊さんの作品は全部読んでいますが、他の作品を少しずつ絡みがあるところが面白い。
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この本は、ジーン・ワルツを違った面から読むことが出来ます。 ジーン・ワルツ自体を読んでから、少し時間が立っていたのですが、それでも、本を読みながら、思い出すことが出来、現在の産婦人科に対する問題を中心にした生命倫理について考えました。
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