リアル・シンデレラ の商品レビュー
倉島泉という聖人ような人物(架空)を取材した体で構成した物語。 泉の生き方にはとても共感できる。 むしろ泉の母親も妹も元夫の再婚相手も、いるいる、こういう女を武器にするのが当たり前な女ってヤダなーと思っちゃうし、 泉には裏なんかたぶんないよ…と人の言葉は額面通りにしか受け止めな...
倉島泉という聖人ような人物(架空)を取材した体で構成した物語。 泉の生き方にはとても共感できる。 むしろ泉の母親も妹も元夫の再婚相手も、いるいる、こういう女を武器にするのが当たり前な女ってヤダなーと思っちゃうし、 泉には裏なんかたぶんないよ…と人の言葉は額面通りにしか受け止めない自分は思うんだけど、それは人が良すぎるか。 ラスト前、泉の小さい頃のエピソードがネタバレ的に昔語りされるが、その内容にもひっかかる。 あまり愛されなかった幼い頃の記憶を封印する的なエピソードで 泉に共感できない読者に、やっぱりね、って思ってもらうには必要なエピソードなのかな。 でも、泉の生き方、かっこいいよーって思う私には結局否定されちゃうの?というちょっぴり残念なエピソードな感じがした。もっとも、泉を全肯定しちゃうと、全然本当の幸せって?シンデレラって?というテーマからは外れてしまうけど。なのでラストについても、正直よくわからなかったデス。
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童話のシンデレラは現実世界で考えるとつじつまが合わない。現実世界に存在しているなら、こんな印象を受ける人なんだろうか。人は人との関わり合いの中でしか生きられないから、シンデレラって本当に現実味がないなあと思った。
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周囲の悪意のなかでも、奇跡のように純真無垢な心をたもち、小さな日常を喜びとした女性と、その周りのひとの群像を伝記スタイルで書く。 周りは(とくに女性は)どこかに悪意があるにちがいない、と探しても、泉というこのひとにはそれが本当にどこにもない。 このひとは知恵遅れ? と思いもする...
周囲の悪意のなかでも、奇跡のように純真無垢な心をたもち、小さな日常を喜びとした女性と、その周りのひとの群像を伝記スタイルで書く。 周りは(とくに女性は)どこかに悪意があるにちがいない、と探しても、泉というこのひとにはそれが本当にどこにもない。 このひとは知恵遅れ? と思いもするが、客商売でのきわめて繊細でクリアな心配りなどからするとそれも変。 物語としてはおもしろく読めるのだけど、もう一歩、突っ込みきれてない気がするのは、結局この聖女のようなひとの、人間的なあるいは女性的な感情が伝わってこないからだろう。 周りのひとはよく書けているのに、肝心の泉がどんなひとなのかがわからない。 あと、文章がね…。もう少し彫琢してほしい。
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小さな出版社に勤める主人公は,名作童話を翻訳する企画に携わり,シンデレラについて考える.シンデレラは本当にしあわせだったんだろうか.シンデレラを求めて獲得した幸福は.意地悪な継母や,姉達のそれと何が違うのだろうか. そんな中,主人公は,出版社の社長矢作に無名の一般人倉島泉の取材を提案される.倉島泉は諏訪の小さな旅館「たからや」で生まれた.泉の生涯は他人から見ると「踏んだり蹴ったり」だった.地元で有名な美人深芳を妹に持ち,母親に愛されなかった.数少ない理解者である叔父を失ってからは,結婚相手になるはずだった名士片桐家の御曹司は妹と駆け落ちをした.たからやを女将として継いだ跡も,夫を従業員に奪われれ女将の座を譲り,若い従業員には掃除のおばさん扱いをされる. 他人には理解できない価値観を持つ泉の人間性をいろいろな人へのインタビューを元に描いて行く.最終章で泉が幼少期に神様におねがいた願いが明らかにされる. 「自分の周りにいる自分じゃない人にいいことがあったら,自分もうれしくなれるようにしてください」 読んでいて清々しい気分になる小説.聖人というはのこういう人のことか?
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心、洗われました。私も居酒屋の雰囲気になじみまくって、独り飲みしている、泉さんのようになりたいなあ…
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舞台が諏訪だというから期待したのに、登場人物の方言が、いかにも都会人が真似して使うような間違いっぷり。 物語とは関係なしに、とても不愉快。 姫野さんはいったい何を下調べしたのだろうか。そんなことに引っかかりながら、最後の1ページでぐっときた。
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童話の怖いシリーズか?と思ったらそうではなかった・・・ 「泉」を見る人によって変わる印象が面白く、先が気になりました。
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初姫野です。食わず嫌いでした。ほんとうによかった。 私自身が母親なせいか、子供が苦しい思いをするのが、一番泣けますなぁ。 イタチの神様は、泉の置かれた辛すぎる現実を逃避するために、泉自身の頭で作り出しちゃったかなぁとか想像しちゃいました。ほんと泣けるわ。 私の職場での現状とか...
初姫野です。食わず嫌いでした。ほんとうによかった。 私自身が母親なせいか、子供が苦しい思いをするのが、一番泣けますなぁ。 イタチの神様は、泉の置かれた辛すぎる現実を逃避するために、泉自身の頭で作り出しちゃったかなぁとか想像しちゃいました。ほんと泣けるわ。 私の職場での現状とかぶり(何かと軽んじられる的な)、私自身が周囲がどう思われているか、ちょっと発見できた気もするし... まぁ、泉のように周囲の人の幸せを自分の幸せとするには及ばず、お客の方ばかり向いていたことに気づかされ...まぁそういう本ではないのでしょうが... 3つの願い事がとにかく泣けた。とにかくよかった。
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なぜだかページが進まず、読了までにやたらと時間がかかってしまった。 自分じゃない人の幸せを自分も心から嬉しく思えたら。願っても絶対に到達できない境地だわ。 人が何に幸せを感じるかは他人の物差しでは計れないと頭ではわかっていても、つい杓子定規の幸せ像と比べて判断してしまってる。『私...
なぜだかページが進まず、読了までにやたらと時間がかかってしまった。 自分じゃない人の幸せを自分も心から嬉しく思えたら。願っても絶対に到達できない境地だわ。 人が何に幸せを感じるかは他人の物差しでは計れないと頭ではわかっていても、つい杓子定規の幸せ像と比べて判断してしまってる。『私はこれでいいの、これで満足なの』と言われても、そんなはずはないと決めてかかってしまってるよなぁ。泉の生き方や幸せは泉だけのもので、他の人の尺度などさらっと流してしまう。そういう人は美しいのだろうなと憧れる。 最初はシンデレラを引き合いに出した意味がよくわからなかったけど、幸せの質を対比してるんだろうかと自分なりに納得できた。
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「幸せ」の定義とはなんなのか。 安定した収入を得ること。会社の利益を伸ばすこと。庭付きの一戸建ての家に住むこと。 一般的な幸せ像というものがあって、それを求めることも間違ってはいないと思う。 しかし、この物語では「幸せ」というものが、誰かがこうであると教えてくれたものとか、世間一般がいうものではなく、自分で決めるものなんだと教えてくれる。つまり、何が幸せかは自分の判断でどうとでもなる、ということ。 今ここで幸せ、というのであればそれでいいのだ!
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