更年期少女 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昔の少女マンガのファンクラブサークルのおばちゃんら幹部6人が、お互いをミレーユだのガブリエルだのハンドルネームで呼び合いながら、毎月ランチ兼会合を開く。 この6人それぞれが介護、DV、家族の確執etcと深い悩みがあるんだけど、サークルが唯一のストレス発散の場になってる。 それがサークル内の確執から暴走、あげくは殺人事件と進んでいくオハナシ。 デフォルメしすぎてこんな人達いないでしょ!と思いたいけど、意外と身近にいるかも…と思っちゃうとろもまた怖い。 ミレーユさんの章なんかエグいしグロイし…。 更年期と思春期、内面はあんまり成長してなかったりして。 ドロドロした陰湿なところなんか、女なら大なり小なり経験してるだろうからネ。これは男じゃわかんないだろうなぁ…。 ホントに怖いというか気持ち悪いというか読後感が悪いけど、一気読みです。
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図書館より。 相変わらず、最初からぐいと人を引き込む筆力はすごい。貧弱なわたしの読書歴の中で言えば、湊かなえの文章に似た力がある。 難しい言葉や迂遠で自己満足な言い回しを使わない分、人物の心情や人物同士の確執等をより具体的にくっきりと読み手に投影するのがウマいのか。 ある少女...
図書館より。 相変わらず、最初からぐいと人を引き込む筆力はすごい。貧弱なわたしの読書歴の中で言えば、湊かなえの文章に似た力がある。 難しい言葉や迂遠で自己満足な言い回しを使わない分、人物の心情や人物同士の確執等をより具体的にくっきりと読み手に投影するのがウマいのか。 ある少女漫画と、そのファンである更年期女性のサークルで起こるメンバー同士の火花の散らしあい、が軸になっている本作。同じファンタジーの世界を謳歌し、楽しく共有しているはずの彼女らの虚構を一皮めくってみれば、そこには薄汚く生活にまみれた、醜い嫉妬の感情や、不平感、不平等の鬱憤がたまっている。 煌びやかで夢に満ち溢れている世界を謳歌しているはずの当人同士が、生活としがらみにまみれた人間、という落差から生じるグロテスクさを描くのが目的と言うなら、それはとても成功している作品と言える。 着飾り、お高くとまった当人たちだけが気づいていない醜悪さは、犬木加奈子も彷彿とする。 わたしがこの作品に溜飲を下げられなかったのは、「ある作品を偏愛する人間」の描写がフリークの範囲にとどまってしまったからだと思う。フリークとしての怪奇さを描きだすことがこの物語のキモであって、ファンとしての愛すべき姿は不要だったとしても、醜怪で身勝手な姿ばかりがクローズアップされるのは、同じく「特定の作品を愛好する人間」としては、その愛を偏執的だと笑われているような気がしてあまり気分がよくなかった。 これは勿論自分がある作品/作家の一ファンとしての立場に勝手に立った時の感想であって、公平な目で見ればそういうイヤな気分にされたこと自体がすでに、この作品の術中にはまっているということなのだろうけれども。 折角人間の内面に肉薄する筆力を持っているのに、オンナの嫉妬や見境のない狂気というチープな結論に着地してしまっている感が否めず、 小さくまとまってしまったことについては低評価。
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「――だから、末永く、仲良くやっていきたいの。いつまでも仲間でいたいの。……ジャンヌがなにより仲間を大切にしたように、私たちも。……あなたはどう?どう思っている?」 怖いよーーー怖いよーーーーー なんていうのでしょう、何に対する恐怖なのでしょう。 一生懸命になりすぎることへの恐...
「――だから、末永く、仲良くやっていきたいの。いつまでも仲間でいたいの。……ジャンヌがなにより仲間を大切にしたように、私たちも。……あなたはどう?どう思っている?」 怖いよーーー怖いよーーーーー なんていうのでしょう、何に対する恐怖なのでしょう。 一生懸命になりすぎることへの恐怖なのでしょうか。 なんだか、読んでいてゾクゾクゾクとしてしまいました。 もしかしたら自分もそうなってしまうのではないかという恐怖もありますし、 自分の身近でこういうことあってもおかしくないかなという恐怖でもあります。 単純に面白いや!では済まされていかない行間が 必ずしもあるような気がしてしまいました。 最初は、ただ単にオタクなおばさんたちのお話かしら、 と思っていただけなのに、そこにあるのはすごい閉塞感。 そしてまさかの事件。 こんな風につながっていくとは、夢にも思わずただただ物語を追うのに必死。 はぁ、驚きました。しかしやっぱり面白かったのです。 この方の他の本も読んでみたくなりました。 【9/10読了・初読・市立図書館】
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内容(「BOOK」データベースより) 池袋のフレンチレストランに集まったのは、往年の人気少女漫画「青い瞳のジャンヌ」をこよなく愛する「青い六人会」。 無様に飾り立てた中年女性たちが、互いを怪しい名前で呼び合い少女漫画話と噂話をするだけの定例会だったはずが…。 いつのまにやらメンバ...
内容(「BOOK」データベースより) 池袋のフレンチレストランに集まったのは、往年の人気少女漫画「青い瞳のジャンヌ」をこよなく愛する「青い六人会」。 無様に飾り立てた中年女性たちが、互いを怪しい名前で呼び合い少女漫画話と噂話をするだけの定例会だったはずが…。 いつのまにやらメンバーの度重なる失踪、事故死、腐乱死体発見! ヒロインになりたい女たちの、暴走ミステリ。 「更年期少女」 というタイトルや、表紙の少女が裏返すと中年女性になったりと、インパクトがすごい。 個人的には面白く、一気に読んでしまいました。 が、ストーリーがどんどん進むせいか、登場人物が都合よく動き過ぎた気も。
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続きが気になってあっという間に読んでしまいました。女性同士の付き合いの難しさ、ちょっとした悪意、あるあると共感してしまいました。オタクの生態も割とリアルだと思います。
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表紙のイメージとは全く異なり、女性心理ホラーサスペンス的なとっても怖い小説で、エンターテーメント性もバッチリ。あまりに淡々と進みすぎる運び方やラストがちょっと残念だったので、評価は低め。
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レストランに集まった、往年の人気少女漫画「青い瞳のジャンヌ」をこよなく愛する「青い六人会」。無様に飾り立てた中年女性たちが、少女漫画話と噂話をするだけの定例会のはずが…。ヒロインになりたい女たちの暴走ミステリー。。 最後にアッと言わせたい作りだったのかもしれないが、ミステリーの...
レストランに集まった、往年の人気少女漫画「青い瞳のジャンヌ」をこよなく愛する「青い六人会」。無様に飾り立てた中年女性たちが、少女漫画話と噂話をするだけの定例会のはずが…。ヒロインになりたい女たちの暴走ミステリー。。 最後にアッと言わせたい作りだったのかもしれないが、ミステリーの核となっているところは何となく予想がついてしまった。作者は女性のドロドロを描かせたらかなりの腕前だけど、どうも私は相性がよくないらしい。 (C)
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昔に流行っていたいわくつきの少女漫画・青い瞳のジャンヌには今も根強いファンがおり、かつては作者公認となっていた青い六人会というファンクラブが活動を活発に行っていた。 その幹部たちにふりかかる様々な事件には、ジャンヌの呪いが関係しているのか――。 後味が悪すぎる……たしか話...
昔に流行っていたいわくつきの少女漫画・青い瞳のジャンヌには今も根強いファンがおり、かつては作者公認となっていた青い六人会というファンクラブが活動を活発に行っていた。 その幹部たちにふりかかる様々な事件には、ジャンヌの呪いが関係しているのか――。 後味が悪すぎる……たしか話題書だったと思うんやけど、なにが話題になったんだろ。 とにかく肌に合わなかった。 女性の集団の気味悪さや、恐ろしさって嘘みたいだけど、こんなもん。だから女性の集団が苦手。でも自分も女だから、客観的にみればこんな一面もあるんだろうなあ。
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知り合いのレビューで見て5年ぶりにチャレンジの真梨作品は、やはり著者らしいミステリー&ノンスピリチュアルホラーでした。この世の中で一番恐ろしいのはお化けでもあやかしでもなく、人間の、それも女性の悪意なんじゃないかという気がします。それにしても、恐い女性を描かせたらこの人の右に出る...
知り合いのレビューで見て5年ぶりにチャレンジの真梨作品は、やはり著者らしいミステリー&ノンスピリチュアルホラーでした。この世の中で一番恐ろしいのはお化けでもあやかしでもなく、人間の、それも女性の悪意なんじゃないかという気がします。それにしても、恐い女性を描かせたらこの人の右に出る者はいないんじゃないのかしら(笑。
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最初の毒っぽさについつい中頃まで読み、そしたらあまりのキブンの悪さに読むのを放棄しそうになったが、そこをこらえたらその後は大丈夫だった。 最後まで読むとそれなりにちゃんと着地しているのが、さすが「嫌われ松子」の幻冬舎だよ、なのでした。 でも、面白いとは言いたくない。やっぱりコレ...
最初の毒っぽさについつい中頃まで読み、そしたらあまりのキブンの悪さに読むのを放棄しそうになったが、そこをこらえたらその後は大丈夫だった。 最後まで読むとそれなりにちゃんと着地しているのが、さすが「嫌われ松子」の幻冬舎だよ、なのでした。 でも、面白いとは言いたくない。やっぱりコレが幻冬舎のお家芸なのであるかー。。。
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