月は無慈悲な夜の女王 新装版 の商品レビュー
ボリュームに圧倒されたが、タイトルに惹かれて読んでみました。 ストーリーは引き込まれて実に面白かったが、日本語訳に違和感があり登場人物があまり好ましく感じられなかったのが残念。
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SFとはこういうものをいうのか、と再認識させられた。 世の中にある問題というのはなかなか解決しないもので、それは全ての問題が相互に影響しあって支えあって現在があるから。 ゆえにひとつが変わると全てに影響がある。 現実にはその影響が見えるまでには何十年もの時間を要するため自分で体験...
SFとはこういうものをいうのか、と再認識させられた。 世の中にある問題というのはなかなか解決しないもので、それは全ての問題が相互に影響しあって支えあって現在があるから。 ゆえにひとつが変わると全てに影響がある。 現実にはその影響が見えるまでには何十年もの時間を要するため自分で体験としてその変化を感じることは難しいが、それを思考実験として見せてくれるのがSFなのだ。 これはまさにそういった作品だ。 本質が味わえる作品だからこそ、むしろSFを読み慣れない人たちに薦めたい。 もし肌が合ったなら、この先たくさんの傑作、怪作といったSF作品群を読む楽しみが待っているはず。 かくいう僕も今日の今日まで“SFを読み慣れない人たち”の一員であって、まさに本日“肌が合った”ところなのだから。
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面白かった! 手に取るときにはその分厚さにやや気圧されもしたし、実際、過去を振り返ってレポートする文体もあってか、途中でやや単調に感じた箇所もありはしたのだけれど、中盤以降、気付けば引き込まれて夢中で読んでいた。 世界観、月世界の社会の描写がいい。またコンピュータでしかない...
面白かった! 手に取るときにはその分厚さにやや気圧されもしたし、実際、過去を振り返ってレポートする文体もあってか、途中でやや単調に感じた箇所もありはしたのだけれど、中盤以降、気付けば引き込まれて夢中で読んでいた。 世界観、月世界の社会の描写がいい。またコンピュータでしかないはずのマイクの愛嬌のあって可愛らしいこと! ほろ苦いラストの余韻に浸りつつ読了。
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長官(総督)が統治する月政府に対する革命そして地球との戦争、流刑地である「月」が本国「地球」に叛旗を振りかざし三人と一台(マイクロフト・ホームズという名前のコンピュータw)の活躍で独立を勝ち取る物語、引き篭もりな休日をワクワクドキドキな時間として過ごすことができました。 「無...
長官(総督)が統治する月政府に対する革命そして地球との戦争、流刑地である「月」が本国「地球」に叛旗を振りかざし三人と一台(マイクロフト・ホームズという名前のコンピュータw)の活躍で独立を勝ち取る物語、引き篭もりな休日をワクワクドキドキな時間として過ごすことができました。 「無料の昼食などというものはない」が繰り返し表現されていたのが印象的、革命はユートピアをもたらすものではないとのことでしょうか。
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日本語訳がアレなせいか、いまいち世界観に没入できなかった。ここで減点2。内容自体いいものだと思うだけに、そこがとても残念に感じました。(あるいは私の日本語力の問題なのかもしれませんが) とりあえず、3つの観点で思ったことを: ■組織論について: 革命・戦争を勝ち抜くための組織...
日本語訳がアレなせいか、いまいち世界観に没入できなかった。ここで減点2。内容自体いいものだと思うだけに、そこがとても残念に感じました。(あるいは私の日本語力の問題なのかもしれませんが) とりあえず、3つの観点で思ったことを: ■組織論について: 革命・戦争を勝ち抜くための組織の構成、およびインテリジェンス(情報戦)についての興味深いシミュレーションのように思えました。 ■技術的な考証: 現在はかなり一般的になってきたオンライン音声チャットですが、1960年代にすでにそれにかなり近い姿が描かれているところが面白いです。その一方で、記憶領域に関する考察や暗号・セキュリティに関する考察が甘いように感じました。(RSAとかが考案される前の時代だから仕方がない?) あと、こころを持つこと以外、マイクはそんな大したコンピュータでもないなwと思ってしまうあたり、技術の進歩は急速だったのかもしれません。 ■機械はこころをもつか: これが一番興味深いです。これはなんの脈絡もなく唐突に冒頭から与えられた前提となっているが、こころとはなにか、ということを考えるととても面白いです。
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たまたま見かけて懐かしくて再読。やっぱハインラインは良い。 ●面白かった点 自由に対する渇望と、自分で考えることへの信頼が揺るぎない。話の展開にあっと驚くところはないが、ハインラインの考えがひしひしと伝わってくる傑作だと思う。 ●気になった点 革命組織の構造とか、家系婚とか、文だ...
たまたま見かけて懐かしくて再読。やっぱハインラインは良い。 ●面白かった点 自由に対する渇望と、自分で考えることへの信頼が揺るぎない。話の展開にあっと驚くところはないが、ハインラインの考えがひしひしと伝わってくる傑作だと思う。 ●気になった点 革命組織の構造とか、家系婚とか、文だけで判りにくい部分がある。図とか欲しい(海外の小説なんで仕方ないけど、line marriageで軽くググってみたけど良く分からんかった)。
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ぶ厚くて、専門的な解説はついていけないところもあったけど。 ハインラインという人が持っている知識と閃きと構想力がどれほどすごいものなのかということがよーく分かる一冊だった。 人口爆発に悩む地球から、犯罪者(政治犯も多い)が送り込まれる流刑地として発展した月が、一台の意識を持った...
ぶ厚くて、専門的な解説はついていけないところもあったけど。 ハインラインという人が持っている知識と閃きと構想力がどれほどすごいものなのかということがよーく分かる一冊だった。 人口爆発に悩む地球から、犯罪者(政治犯も多い)が送り込まれる流刑地として発展した月が、一台の意識を持ったスーパーコンピューターとともに独立戦争を仕掛ける話。 科学的、技術的、哲学的、思想的、あらゆる可能性を網羅した、「思考実験」といってもいいくらい精緻に物語が作りこまれている。 書かれたのは1965年だとか。 当然ながら、インターネットは出てこないし、携帯電話もない。代わりに、プッシュ式の電話が出てくる。 しかし、このSF物語を支える科学面、技術面の描写やプロットには、ネットがないことも携帯がないことも、まったくハンデになっていない。現在を生きるぼくが読むのに、まったく問題がない。 ハインラインの物語生成能力は、ネットと携帯という革新的技術よりも上ということなのだろうか! なんでもCC、なんでも3Dにしてしまう最近の映画づくりに疑問を持つ人も多いと思うけど、この『月は無慈悲な夜の女王』は、ひとりの人間の想像力とユーモアがどれほど凄いものを生み出せるのかをじわーっと感じさせてくれる秀作だ。
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今でこそあり得る、と思える話だけど、当時のコンピュータのレベルを考えると「マイク」の発想はすごいよな。マイク誕生の描写はさらりとしているけど、かなり説得力があると思うし。 異世界の描写もしっかりしていて、なるほどそんな成立の仕方もありえるのか、と思わせる。まさなSFの醍醐味だ。 ...
今でこそあり得る、と思える話だけど、当時のコンピュータのレベルを考えると「マイク」の発想はすごいよな。マイク誕生の描写はさらりとしているけど、かなり説得力があると思うし。 異世界の描写もしっかりしていて、なるほどそんな成立の仕方もありえるのか、と思わせる。まさなSFの醍醐味だ。 ストーリー展開がも少しテンポよく進んでもらえたら、満点でした。アシモフや星新一で慣れているからか、ちょっと冗長に感じるのよね。まぁハインラインらしいってことなんでしょうね。
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お月さまに移住した人間の独立戦争は地球から見たらまん丸なのだろうか尖っているのだろうか半分に切られているのであろうか、それとも、もう何も見えなくなっているのだろうか。アポロが月に到着してから何十年も経っているが人間はいまだ月に住めていない。その事実は人類にとって有利になるのか不利...
お月さまに移住した人間の独立戦争は地球から見たらまん丸なのだろうか尖っているのだろうか半分に切られているのであろうか、それとも、もう何も見えなくなっているのだろうか。アポロが月に到着してから何十年も経っているが人間はいまだ月に住めていない。その事実は人類にとって有利になるのか不利になるのか・・・まあ、私が生きている時代には起こり得ない歴史だろうから、私はゆっくり部屋からお月様でも眺めようか。きれいなきれいな夜の女王を。
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ハインラインの描き出す、679頁の圧巻なる世界。 面白かった! …んだけど、訳がどうしても許せません。 まるで、これが日本語である事を忘れたかのような文章。 情景は飲み込めないし、感情は分裂症みたいだし、読むのに随分時間がかかりました。 物語だけで強引に読み切ったようなもので...
ハインラインの描き出す、679頁の圧巻なる世界。 面白かった! …んだけど、訳がどうしても許せません。 まるで、これが日本語である事を忘れたかのような文章。 情景は飲み込めないし、感情は分裂症みたいだし、読むのに随分時間がかかりました。 物語だけで強引に読み切ったようなものです。 訳は矢野徹氏。 どちらかと言えば、原文に忠実なタイプの大御所翻訳家。 その忠実さがどうも私には合わず、別訳があればぜひそちらで読み直したいと思いました。 ストーリーは面白かったです、ほんと。 だから、英文より、物語を訳して欲しかったなあ…と思ってしまう作品でした。 あ、マイクは少し万能すぎたかもしれない。 おかげで惜しかったりもったいなかったりする部分も、ちょこちょこと。
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