月は無慈悲な夜の女王 新装版 の商品レビュー
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流刑地として月が使われるようになって100年、地球から搾取をされ続ける月世界市民… 月にあるスパコンが意思を持ち同志達と共に革命を計画、実行するための革命の物語。 革命における組織作り、強み弱み分析、ゲーム理論を用いた戦略、プロパガンダ政策、などはリアリティを追求しており革命の教科書として必見! 月環境の特徴として、 ①重力が6分の1なので体に対する負担が少なく長生き ②真空が身近にあるため病原菌の殺菌が容易に行えるため外からの病原菌が持ち込まれずらい(旅行者の体内に潜伏したウィルスは✖️) ③流刑地だから?か男女比率が2:1で男が2倍数おり女性を主として大切にしている ④政府側を信頼していないため家族の人数を増やすことで助け合っている。(多夫多妻が多い) があり、また月世界市民の性格や考え方の特徴として自由を愛し、自己責任で政府を信じない傾向があるため、 自由主義かつ無政府主義(超小さな政府?)を目指している。
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登場人物が多く覚えきれないのと、独特な喩えや言い回しのせいか、かなり読みにくい…翻訳のせいもあるのかな。 登場人物の役割リストを入れてもらえたら、だいぶ違ったかと。 50年以上前に書かれた内容にしては、ものすごい想像力!というのはわかる。 が、どう戦争をするか、相手に要求を呑ま...
登場人物が多く覚えきれないのと、独特な喩えや言い回しのせいか、かなり読みにくい…翻訳のせいもあるのかな。 登場人物の役割リストを入れてもらえたら、だいぶ違ったかと。 50年以上前に書かれた内容にしては、ものすごい想像力!というのはわかる。 が、どう戦争をするか、相手に要求を呑ませるのか、戦略戦術に興味があまりないのと、会話がやたら長く、誰が話しているのかも分かりづらく、中盤から苦痛に。not for meでした。 大体のストーリーを追うために最後までパラっと読んだ。戦略思考が強い人には楽しいのかもね!
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面白かったあああー 生成AIが大流行している今この瞬間ならではの味わいもあるけれど、なんと言っても60年前に書かれた作品だとは信じられないクオリティで、本当に驚愕した。SF作家とはここまで別世界を作り上げることができるのかというスケールのデカさでも驚かされた。 読んでる時に知った...
面白かったあああー 生成AIが大流行している今この瞬間ならではの味わいもあるけれど、なんと言っても60年前に書かれた作品だとは信じられないクオリティで、本当に驚愕した。SF作家とはここまで別世界を作り上げることができるのかというスケールのデカさでも驚かされた。 読んでる時に知ったんだけど、イーロンマスクも好きな作品らしいです。 なるほど!って思いました。 ぜひ皆さんにも読んでほしいな。
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どこかしこにおすすめされているSF小説 とにかく難しい。思ったより読むのに時間がかかった。 でも、60年も前に、今の時代や近い未来に本当に存在するような世界の細かい設定やユーモアのある登場人物達を組み立てるハインラインさん、単純に凄げえと思った。
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やっと、読みました。ロバート・A・ハインラインさんの代表作の一つです。『夏への扉』が彼の作品中一番すきなものですが、大好きな作品の趣とは違ったものでした。 本作は、『宇宙の戦士』で語られたノブリスオブリージュ的な思想とは、逆の思想が語られています。2076年では、月は罪を犯した人たちが暮らす巨大な刑務所としての利用が始まり、それなりの月日がたった世界です。月を地球の植民地的な状態から、独立を図る物語です。現在の社会システムを壊し、闘争により新たな社会基盤を構築する「革命」の話です。政府なんて必要ないし、税金を納める仕組みもいらないという思想のもと、着々と革命を起こしていく物語です。自由主義的な思想と、革命を成功に導くための行動が描写されており、大衆を行動へと駆り立てる手法の一端を知ることができます。 また、月世界では構成される男女比が女性が圧倒的に少ない状態なので、そこで構築される家族がどんな概念のもと構築されていくのかも語られています。社会、政治、思想など人間社会がどうなるのかという未来を描いているSFです。とても読み応えのある作品でした。
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最後には沈黙してしまうというのが、なんとも夢があるなぁと思う。この世界で描かれていることがそんなに遠くない、少なくとも生きてるうちに月で暮らす人は出てくるかも(南極基地、宇宙ステーションみたいな)というところまで来ている。少なくともアダムはもう一部実現しつつあるわけで。人の想像できるものは実現できるというのは本当のことだなー。ガンダムとどっちがはやいのだろう。
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ハインラインらしさ満載の一冊だった。 陽気な言い回しの登場人物たちにテンポの良い気持ちの良いストーリーが進んでいく。 中盤、登場人物がたくさん出てきて誰が誰だか分かりにくく混乱したのとバンバン移りゆく場面展開が読みにくく読了まで1ヶ月近くかかりましたが……。 月世界の解像度の高さ...
ハインラインらしさ満載の一冊だった。 陽気な言い回しの登場人物たちにテンポの良い気持ちの良いストーリーが進んでいく。 中盤、登場人物がたくさん出てきて誰が誰だか分かりにくく混乱したのとバンバン移りゆく場面展開が読みにくく読了まで1ヶ月近くかかりましたが……。 月世界の解像度の高さには想像力が膨らみ、主人公とマイクのやり取りにはほっこりしました。 ストーリー中に度々出てきて、最終章のタイトルでもある「タンスターフル!」という言葉が徹底されており、ラストには月世界の自由と引き換えに尊い二人の命が犠牲になった。 もっと湿っぽく締めくくれそうなラストを、あくまで爽やかに説得力のある形で締めていて救われました。 時間はかかったけど読み切って良かったと思えました。
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最初の方の、主人公だけが政府のAIのメンテナンスをしていてAIと会話できるのを知ってるのも主人公だけっぽいのと、チケット持ってないのにむりやり政府転覆集会に参加したのも意味不明で全然わからなかった… 三分の一くらいまで頑張って読んだけど軽い掛け合いみたいなセリフも全然わからないし...
最初の方の、主人公だけが政府のAIのメンテナンスをしていてAIと会話できるのを知ってるのも主人公だけっぽいのと、チケット持ってないのにむりやり政府転覆集会に参加したのも意味不明で全然わからなかった… 三分の一くらいまで頑張って読んだけど軽い掛け合いみたいなセリフも全然わからないし、自分には無理だと諦めてしまった
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同著者の『宇宙の戦士』と共に、ガンダムの元ネタとして取り沙汰される本作は、結論から言うとかなり退屈な小説と言わざるを得ない。ただ、アメリカ人には、独立記念日の7月4日というワードの受けがいいのか、人気作らしいです。 内容は、どのように革命を起こし、どのように独立と自由を勝ち取る...
同著者の『宇宙の戦士』と共に、ガンダムの元ネタとして取り沙汰される本作は、結論から言うとかなり退屈な小説と言わざるを得ない。ただ、アメリカ人には、独立記念日の7月4日というワードの受けがいいのか、人気作らしいです。 内容は、どのように革命を起こし、どのように独立と自由を勝ち取るかという過程が、組織の作り方や政治のあり方などを交えて延々と語られており、責任回避のための回りくどい会話も相まって、ひたすら疲れたというより他なかったです。 それでも、1965年当時にコンピュータやAIの未来を予見するような内容には興味深いものもありました。例えば、AIに問題を説明するだけで、プログラムをあっという間に作れてしまうという記述は、現代の生成AIにプロンプトを提示して、瞬時にコードを得ることと同じなので驚きです。 あと、月と地球の宇宙空間を跨いだ争いが起きた場合、月にどのようなメリットがあるかということも興味深かったです。とは言え、すでに1958年の時点でフィリップ・K・ディック『時は乱れて』(発刊は1959年)の後半に、その軍事的メリットの一端が、すでに書かれていますけどね。それを知ってかどうか、近年、隣国が月の裏側に着陸しているのが、何やら気になるところですね… あらすじは、本書の裏表紙がよくまとまっているので、覚書として以下に転載。 2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには…ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇!
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地球の植民地として搾取されていた月の人々が革命を起こす、という物語の大枠はよく知られているが、本作の魅力は月社会の細密な描写にこそある、というのが率直な感想であった。人類が月に住むことができるほどにテクノロジーが進化した社会では、経済活動や結婚などに関する人々の価値観・意識がど...
地球の植民地として搾取されていた月の人々が革命を起こす、という物語の大枠はよく知られているが、本作の魅力は月社会の細密な描写にこそある、というのが率直な感想であった。人類が月に住むことができるほどにテクノロジーが進化した社会では、経済活動や結婚などに関する人々の価値観・意識がどのように変わるのか、ということが克明に描写されており、まさにSFの王道を体験させてもらったと感じている。 多くの人が指摘しているとおり翻訳に難があると思われるため、物語に没入するのが少々手間ではあるが、マヌエルやマイクをはじめとした魅力的なキャラクターたちの立ち回りや、革命を実行するために必要な準備段階を緻密に描写していることなどが物語に厚みを加えているおかげで、読み進めるうちに大いに物語を堪能することができた。 ただ、リバタリアニズムや革命を過剰に賛美するところなどアメリカ人の気質が前面に出ているところは、私たち日本人にはなかなか馴染めないかもしれない。日本では『夏への扉』の方が人気がある一方、アメリカでは圧倒的に本作の人気が高いのはその表れといえよう。SFの醍醐味をストレートに味わえるような作品ではないと思うが、テクノロジーの進化による人々の価値観・認識の変化という、ある意味SFの本質を味わえるという点で、やはり本作は名作であると思う。
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