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月は無慈悲な夜の女王 新装版 の商品レビュー

3.8

128件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    46

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2023/09/03

月に追放された人類やその子孫が意思を持ったコンピュータを活用して、地球へ革命を仕掛けるストーリー。古い小説らしいので、設定が微妙なところはあるものの、チャットGPTが出てきた今説得力のある部分もあり。ただ翻訳のせいか日本語が分かりづらく、読みにくい。

Posted byブクログ

2023/05/01

さて。 ようやく読了、というのが正直な感想。 後半は勢いよく読んだが、スロースタートだった。 本作はヒューゴー賞受賞、かつローカス誌の『オールタイム・ベスト』の常連、なんなら上位の常連なので、一度読まねば、と思っていたのだ。 でも後書きにも書いてあったが、やっぱり文化的な違いを...

さて。 ようやく読了、というのが正直な感想。 後半は勢いよく読んだが、スロースタートだった。 本作はヒューゴー賞受賞、かつローカス誌の『オールタイム・ベスト』の常連、なんなら上位の常連なので、一度読まねば、と思っていたのだ。 でも後書きにも書いてあったが、やっぱり文化的な違いを感じる。 ハインラインなら私は『夏の扉』の勧善懲悪伏線回収しまくりストーリーの方が好きである。 独立運動にはさほど惹かれない。 ただ主人公が強い政治的使命感を抱いて起こす革命ではないので、それが救い。 そのためか独立運動というテーマにも関わらず、重さはあまり感じない。 強い主張も感じない。 飄々とした文体はハインラインだなあと思う。 初期はまるでマニーとマイクはゲームをしているかのようだ。 実際マイクは退屈していたのだから、そうだったのかもしれない。 ストーリーとともにマニーの独立運動への責任も緊迫感も増していくが、きっとそれはマイクとマニーが期待していた感じではなかったんじゃないのかな。 マイクが話さなくなったのは、そこにあるのではと思う。 主要4キャラは見事にキャラクターがそれぞれ活きていて、温かみのあるキャラクターが多いのもハインライン的。 しかしタイトルがいい。 『月は無慈悲な女王』 かっこいい。 けっこう原題のままなんだけど、なぜこんなにかっこいいのか。 原題がかっこいいってことか。 "the moon is a harsh mistress"

Posted byブクログ

2023/04/19

ハインラインは夏の扉に次いで2作目。紀伊國屋書店のおすすめで読んでみた。 そのオススメに疑いもないほど、読んで良かったと思う。 最後もなかなか味わい深くて良い。

Posted byブクログ

2023/04/16

翻訳の問題なのか、とにかく読み進めるのに苦労した。 なんにせよ60年代にこの発想をした著者に驚きだし、現在でもそれを超える発想は無いんじゃないかと思う。

Posted byブクログ

2023/03/07

今で言うところのまさしくシンギュラリティを超えたAIが主要なキャラクターとして登場するのだが、1960年代に既にこの発想が物語に活かされているということにまず驚いた。 その一方で、例えば未だに個人間の通信手段なんかは2023年時点の現実に遥か及ばず、必死で電話を探してコンタクトを...

今で言うところのまさしくシンギュラリティを超えたAIが主要なキャラクターとして登場するのだが、1960年代に既にこの発想が物語に活かされているということにまず驚いた。 その一方で、例えば未だに個人間の通信手段なんかは2023年時点の現実に遥か及ばず、必死で電話を探してコンタクトを試みたりするのはご愛嬌。 日本で言えば60年安保闘争の後、大学紛争が各地で勃発する直前あたり、ご当地アメリカでは長期化の兆しを見せ始めたヴェトナム戦争を背景に厭世観が高まり、ヒッピームーヴメントが隆盛を迎える頃に書かれた小説。 近未来の月世界を舞台にしながら、そんな時代の息吹が間近で感じられるような物語に仕上がっている。 著者が登場人物に代弁させている政治観や選挙に対する考察等は非常に興味深い。 もちろんそういった"見立て"を抜きにして、純粋にSF小説としても名作古典であることは間違いない。 ここまで版を重ねながら、なお本来であれば"キロカロリー"と書くべきところ、すべて"カロリー"と誤記されている点は甚だ残念である。

Posted byブクログ

2022/11/20

☆岡田斗司夫YouTube/SF読むGAFA系企業の社長/独創的なアイディア2017年3月の動画(R040806に見た/知るのが遅い/借りるまでに時間かかっている) 月世界/コンピュータが意識持つ/公務員ではなく情報系技術者が主人公/反指導者集会会場で指導者側の取り締まり・女と...

☆岡田斗司夫YouTube/SF読むGAFA系企業の社長/独創的なアイディア2017年3月の動画(R040806に見た/知るのが遅い/借りるまでに時間かかっている) 月世界/コンピュータが意識持つ/公務員ではなく情報系技術者が主人公/反指導者集会会場で指導者側の取り締まり・女と逃げる…P66まででギブアップ

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2022/09/19

 ハインラインといえば「夏への扉」が代表作と思うが、海外では本書のほうが代表作という。  内容を簡単にまとめると、圧制の下にあった月面都市が地球からの支配構造に対抗し、地球に対して独立を宣言する革命のストーリーだ。  2000年代、地球から囚人を月に送り開発に従事させていた。...

 ハインラインといえば「夏への扉」が代表作と思うが、海外では本書のほうが代表作という。  内容を簡単にまとめると、圧制の下にあった月面都市が地球からの支配構造に対抗し、地球に対して独立を宣言する革命のストーリーだ。  2000年代、地球から囚人を月に送り開発に従事させていた。  そして月で収穫される食糧は地球に搾取され、月での食糧問題発生は秒読みだった。  主人公は、月の都市のあらゆる制御を司るスーパーコンピュータの管理技術者マヌエル。  彼は月政府の委託業務を受けていたが、ある日に反政府活動の集会に参加する。  彼は冷笑して抗議行動を見ていたが、そこに月政府長官の親衛隊がなだれ込んでくる。  スーパーコンピュータのマイクは、月政府を転覆するための計画をはじき出す。  反政府活動で知り合ったリーダーの教授、女性活動家ワイオとマヌエルの三人は月面都市全体で反政府の機運を盛り上げる。  そして、地球の連邦政府に対して独立を突き付けることになっていく。    第二章から段々と話が進んでいが、前半が長い。  ここを乗り切らないと読み通すのが困難な長編だった。

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2022/08/06

地球から一方的に搾取されてきた月世界植民地が地球政府から独立する闘争を描いたSF小説。 月世界に住む技術者・マニーと自意識を持った巨大コンピュータ・マイクたちが革命の先頭に立ち、宇宙船もミサイルもない中で月世界独立を求めて強大な地球政府に立ち向かいます。

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2022/05/24

月面特有の社会問題と文化、月世界の歴史と成り立ち、革命の組織論、冷酷な政治世界、理系の専門用語、特徴のある人物描写、これほど幅広い要素を一つの小説に収めて描写しきった作者には尊敬の念しかない。  純粋に「月世界があったらどうなるだろう」という妄想を博識な作者が華麗に重層的に描い...

月面特有の社会問題と文化、月世界の歴史と成り立ち、革命の組織論、冷酷な政治世界、理系の専門用語、特徴のある人物描写、これほど幅広い要素を一つの小説に収めて描写しきった作者には尊敬の念しかない。  純粋に「月世界があったらどうなるだろう」という妄想を博識な作者が華麗に重層的に描いてみせたところは、この本最大の魅力である。そもそもSFのif小説はそういうものなのだが、この本は物質的な科学的な想像にとどまらず、ありうるであろう月世界人の価値観と文化までも描写したところに私は強く惹かれた。  正直、後半は疲れもあいまってとばしとばしな読み方をしてしまった。前半のvs長官の革命は疾走感があり、徐々に成功を積み重ねていたので私のような俗物はそこだけでも楽しめた。  文章面で言えば少し分かりにくかったし、後半にさしかかるとくどく感じてしまった。「かれ」「あれ」「その」という語を多用しているのでどれがどれだか分からなくなってしまう。

Posted byブクログ

2022/04/15

まさに思考を始めたAIと主人公の語り合いだけでも十分興味深いテーマだが、それを主役にもわき役にもせず、物語の中に見事に入れ込んでもっと壮大な話がどんどん展開していく。 一般にリバタリアンの教科書的な言われ方もする本ではあるが、月面での生活、自我を持ち始めたAI、家族婚、政治的な駆...

まさに思考を始めたAIと主人公の語り合いだけでも十分興味深いテーマだが、それを主役にもわき役にもせず、物語の中に見事に入れ込んでもっと壮大な話がどんどん展開していく。 一般にリバタリアンの教科書的な言われ方もする本ではあるが、月面での生活、自我を持ち始めたAI、家族婚、政治的な駆け引き、地球との戦闘などなどどれもそれだけでも十分興味深いテーマを見事に娯楽としてまとめ上げてあるのはさすがの手腕。SFの楽しさをとことん満喫できた。

Posted byブクログ