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きみ去りしのち の商品レビュー

3.8

96件のお客様レビュー

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2010/05/25

どんなに願ってもかなえられない祈りがある。 どんなに自分を責めても足りないことがある。 それがすべて定めだとしても、もう一度立ち上がるまでに必要な事柄は日常ではなく、後悔でもなく、逃げることでもない。 ただただまっすぐに、向き合うこと。 そしてそのときがくるまで、少しずつ時を咀嚼...

どんなに願ってもかなえられない祈りがある。 どんなに自分を責めても足りないことがある。 それがすべて定めだとしても、もう一度立ち上がるまでに必要な事柄は日常ではなく、後悔でもなく、逃げることでもない。 ただただまっすぐに、向き合うこと。 そしてそのときがくるまで、少しずつ時を咀嚼すること。 大事な人を失ったことがあるひとには、読むのがつらいとも思う。 けれど、読後には少しだけ、やわらかくなれるかもしれない。 できることなら、すべての親へ送りたい本。

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2010/06/01

☆4.5か5です。 子どもをなくした父親が主人公で、淡々とその後の心情や生活が描かれています。 誰にでも、大切な人との別れというものがあり・・・ ふと、涙が出るほど切ない描写があったりして、重松清らしい1冊でした。

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2010/05/11

1歳の息子を亡くした父親が実娘と全国各地を旅するうちに癒されていく話。魂の救済のロードムービーてか。状況設定だけで泣けるが、何だかなぁ。他の芸風ないのかね。

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2010/05/03

かけがえのない人との永遠の別れを経験したことがあるなら、きっと心にしみいる作品だと思う。 「もう大丈夫」…日常的には涙することが減っていても、ふいにこみ上げてくる寂しさ、悲しさ、苦しさ、たまらない喪失感。そんなとき、また開いてみたいと思う一冊。 初重松清。ありがとう。

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2010/04/08

1歳の誕生日を迎えたばかりの息子を亡くしたセキネさん。 突然死だったために、なかなかその死を夫婦は受け入れることができず、彼は恐山や北海道、沖縄へとめぐる。 そんな彼に、別れた妻と共に離れて暮らす娘がなぜかついてまわることになる。 お父さんとは呼ばず、「セキネさん」と呼び続ける成...

1歳の誕生日を迎えたばかりの息子を亡くしたセキネさん。 突然死だったために、なかなかその死を夫婦は受け入れることができず、彼は恐山や北海道、沖縄へとめぐる。 そんな彼に、別れた妻と共に離れて暮らす娘がなぜかついてまわることになる。 お父さんとは呼ばず、「セキネさん」と呼び続ける成長した娘の不思議な旅を続ける。 離れていた娘と新しい絆を結べそうですが、今の妻に対しての関係はどうなのでしょうか?

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2010/04/07

せつない、、。 重松 清『きみ去りしのち』特設サイト http://bunshun.jp/pick-up/sarishi-nochi/index.html

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2011/07/16

「悼む人」ではないけれど、亡くなった人を忘れない事は大切な事とは思います。だから、親より先に死んでは行けないと子供の頃に言われたのですね。でも、親の命が目の前で燃え尽きようとしている子供の心にもかなり大きなストレスがかかっているのですよね。この両方を同時に考えさせられる物語です。...

「悼む人」ではないけれど、亡くなった人を忘れない事は大切な事とは思います。だから、親より先に死んでは行けないと子供の頃に言われたのですね。でも、親の命が目の前で燃え尽きようとしている子供の心にもかなり大きなストレスがかかっているのですよね。この両方を同時に考えさせられる物語です。涙が出てしまいました。人前でなく、部屋で読んでいてよかったです。

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2010/04/29

亡き者への気持ち、また残された者・看取る者どうしの心の動き 細かいひだの隅々にまで心を配って 重松さんならではの作品 でも 全編悲しみで覆われていて読むのがつらい が 最後に落ち着くべきところに落ち着きようやくこちらも救われた

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2011/08/01

喪の作業小説。人間は二種類に分けられる。大切なヒトを亡くしたことのあるヒトと、まだ亡くしたことの無いヒト。自分の身体を生身のまま引きちぎられたような、心の奥底から全身を覆う悲しみにくれる。そこから立ち直るために必要なのは、慰めの言葉でも励ましの言葉でもなく。ただ自分自身の中からも...

喪の作業小説。人間は二種類に分けられる。大切なヒトを亡くしたことのあるヒトと、まだ亡くしたことの無いヒト。自分の身体を生身のまま引きちぎられたような、心の奥底から全身を覆う悲しみにくれる。そこから立ち直るために必要なのは、慰めの言葉でも励ましの言葉でもなく。ただ自分自身の中からもういちど芽生える「生」の力を待つしか無いだろう。この小説には、1歳の息子を突然死で失った男と、その男と離婚した妻との間に生まれた娘の、喪の作業が「旅」という形で描かれている。二人は「大切なヒトを亡くしたヒト」と「これから亡くすヒト」として「生と死」を自分の中に取り込んでいく。号泣 などしない。ただ心の奥深くからこみ上げる温かい涙にくれるだけ。

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2010/03/25

旅を繰り返す幼い息子を亡くした関根。 1歳の誕生日の2週間後に幼い命は静かに鼓動を止めた。 息子が亡くなった夜を後悔し続けていた。 その旅に同行する15歳の少女。 少女は10年前に離婚した女性の娘。 関根にとっては実の娘だが、少女は彼を「セキネさん」と呼ぶ。 元妻はガンの宣告を...

旅を繰り返す幼い息子を亡くした関根。 1歳の誕生日の2週間後に幼い命は静かに鼓動を止めた。 息子が亡くなった夜を後悔し続けていた。 その旅に同行する15歳の少女。 少女は10年前に離婚した女性の娘。 関根にとっては実の娘だが、少女は彼を「セキネさん」と呼ぶ。 元妻はガンの宣告を受けていた。 死について、そして生について描かれた心優しきストーリー。 泣ける本でありませんが、じわーっと心に染みてきます。 随所に素敵な言葉がちりばめられてます。 重松さんの、ひとを信じる思いが伝わってきたいい本でした。

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