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四十九日のレシピ の商品レビュー

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406件のお客様レビュー

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    106

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

四十九日のレシピ 伊吹有喜 ∞----------------------∞ 最後はめでたしめでたしではあるけど、じんわりと物悲しい感じもする。 周りにいる人はみんな良い人ばかりじゃなくて、特に親戚の人たちは好き勝手言って主人公たちを苦しませてた。 お父さんと継母である乙美が出会った時のエピソードはたまらなく好きだった。自分の作った料理を「うまい」と褒めてくれた大好きな人と一緒になれるなんて幸せって思ってたことや、色んなレシピを残してくれたことは、夫や娘のことが大好きで幸せだったんだろうなと思えた。 百合子も不憫でならなかった。この夫の優柔不断さが私は好きになれないないけど、こういう人って優しいんだよね、誰にでも。不倫相手にはそこに付け込まれてた気もする。 井本とハルミと父と娘の49日間は、それは楽しい時間だったんだろうな。期限が決まってても、いつまでもこの楽しい時間が続くといいと思ってしまうけど、やっぱりその時は来てしまう。だから別れは結構辛かった。それで最後悲しい感じがしてしまう。 IMOTOがOTOMI?ってとこから何かあるかな?って思ってしまったけど、父はそれ以上のこと考えてて、なかなか突飛で面白かった。 2024/09/23 読了(図書館)

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2024/09/11

伊吹さんの作品はいつも温かく 優しくじんわりきます。 今回の「49日のレシピ」も 例外ではなく、癒しの作品でした。 お話は 突然妻乙美さんが亡くなり、生きる気力を失った夫の熱田さん、 離婚寸前で帰ってきた娘の百合子さん。 二人とも 生きている時は乙美さんに、 素直になれず 心では...

伊吹さんの作品はいつも温かく 優しくじんわりきます。 今回の「49日のレシピ」も 例外ではなく、癒しの作品でした。 お話は 突然妻乙美さんが亡くなり、生きる気力を失った夫の熱田さん、 離婚寸前で帰ってきた娘の百合子さん。 二人とも 生きている時は乙美さんに、 素直になれず 心では、感謝していてもそっけなかったり、表現してこなかった不器用な二人。 亡くなった後に後悔と悲しみがあふれてどうしようもなくなったとき、突然あらわれた 奇抜な井本と外国人のハルミ…なき乙美さんが可愛がっていた子 だったのだった。 乙美さんが作った49日のレシピを見ながら なき乙美さんのために 何ができるかとみんなで考え 素敵なものが出来上がっていく。 少しづつ癒されて元気になっていく。 みんなでわいわい準備をしたり 掃除をしたりする姿本当の家族のようで微笑ましく 温かな気持ちでいっぱいになりました。 残されたものが悲しい気持ちをどう乗り越えてどう生きていくか… 自分のこれからの人生について 何を思うか 自分の人生をも考えながら読んだ 素敵なお話でした。 爽やかな読了感で清々しいお話でした。

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2024/09/09

久しぶりに感動しました。不器用な人間が実はみんな優しい。そして大団円に落ち着く。 今一番読みたいと思う作家さんです。

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2024/09/09

 伊吹有喜さんの著書では5冊目になりました。  後でわかったのですが、2011年には和久井映見さん主演でテレビドラマが、2013年には永作博美さん主演で映画にもなっていました。  妻が亡くなり、生きる気力をすっかりなくしてしまった夫や、嫁ぎ先で離婚騒動に失意し戻ってきた娘が、「四...

 伊吹有喜さんの著書では5冊目になりました。  後でわかったのですが、2011年には和久井映見さん主演でテレビドラマが、2013年には永作博美さん主演で映画にもなっていました。  妻が亡くなり、生きる気力をすっかりなくしてしまった夫や、嫁ぎ先で離婚騒動に失意し戻ってきた娘が、「四十九日法要は大宴会で」との遺言の実現に向けて、妻が残したレシピを基に人生をやり直す気力を取り戻していくという物語でした。  私の周りでも離婚してしまった夫婦が少なくありませんが、ちょっとしたボタンの掛け違いを修復できなかったことで後戻りのできない決断になってしまったケースもあります。まだ小さい子供がいる場合は、離婚したことがずっと心の重しになってしまうこともあるようです。  一方で、離婚したことでそれまでのしがらみから解放されてせいせいしたということも聞きます。  相手を理解した上で結婚すると思いますが、2人を取り巻く環境(経済的な問題や、子供との関係、親の老後の問題、etc...)がどんどん変わっていくのも事実なので、 お互いに「家庭を守る」という意識がないと、案外もろいものなのかもしれませんね。  私も結婚して35年になります。家内に愛想を尽かされないように気を配り続けたい?と思います。

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2024/07/25

2010年刊。家族・人との繋がり、縁と想いの物語。家族の縁に恵まれなかった人々、ままにならない人生の中で誰に・誰と何を残すのか…。非現実的な設定は無いが、組合せが絶妙でギリ非現実?。そこが堪らなく楽しく愛おしい感じ。中々ヘビーな設定と展開もあるので、人のドロドロを極力読みたくない...

2010年刊。家族・人との繋がり、縁と想いの物語。家族の縁に恵まれなかった人々、ままにならない人生の中で誰に・誰と何を残すのか…。非現実的な設定は無いが、組合せが絶妙でギリ非現実?。そこが堪らなく楽しく愛おしい感じ。中々ヘビーな設定と展開もあるので、人のドロドロを極力読みたくない人には勧めない。執拗な表現が繰り返される訳では無いので、概ねオススメ。

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2024/07/24

レシピ、、処方箋。四十九日のレシピ。 乙母さんが立ち直れるように残してくれた四十九日の暮らしの処方箋。 テイクオフボード。親が子を支えるように、みんな誰かの踏切板になって次の世代を前に飛ばしていく。 乙母さんは たくさんの人の処方箋やテイクオフボードになっていたんだね。 それぞれ...

レシピ、、処方箋。四十九日のレシピ。 乙母さんが立ち直れるように残してくれた四十九日の暮らしの処方箋。 テイクオフボード。親が子を支えるように、みんな誰かの踏切板になって次の世代を前に飛ばしていく。 乙母さんは たくさんの人の処方箋やテイクオフボードになっていたんだね。 それぞれが自分の進む道を見つけて進んで幸せになれますように。

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2024/07/13

悲しいだけの話でも、明るいだけの話でもなく、ゆったりした中にもいろいろな動きがあって読みやすかったです。 久しぶりに読み直して、IMOTOさん…そうか、そういうことか…と思いました。

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2024/04/27

家族を題材に書かれている伊吹さんの作品の中で一押し。 だれかのテイクオフボードになるための人生、それにほこりを持つことの価値に触れて、これから倒れそうな時の支えとなりました。 レシピとは処方箋との意味もある。その最後のレシピを読んだ時、涙がこぼれてきました。永遠の別れは悲しいに...

家族を題材に書かれている伊吹さんの作品の中で一押し。 だれかのテイクオフボードになるための人生、それにほこりを持つことの価値に触れて、これから倒れそうな時の支えとなりました。 レシピとは処方箋との意味もある。その最後のレシピを読んだ時、涙がこぼれてきました。永遠の別れは悲しいに決まっているけど、故人の偲び方をこんなカタチで文学に昇華してくださった伊吹さんに感謝です。読んでよかった。

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2024/04/13

妻に先立たれた男性の寿命は短くなるという話を思い出した。 乙美さんの人柄は本当に素敵!そんな妻を失った熱田さん、娘の百合子も離婚問題で大変だし…遺された家族が心配になってしまった。 でも、亡くなっても尚、存在感バツグンで多くの人の心に影響を与えるって、いいなと思う。 まさに踏切板...

妻に先立たれた男性の寿命は短くなるという話を思い出した。 乙美さんの人柄は本当に素敵!そんな妻を失った熱田さん、娘の百合子も離婚問題で大変だし…遺された家族が心配になってしまった。 でも、亡くなっても尚、存在感バツグンで多くの人の心に影響を与えるって、いいなと思う。 まさに踏切板=テイクオフボードのような存在。 誰かの踏切板になって、その誰かを前に飛ばしていく。みんながテイクオフボードであり、お互い様なんだっていう施設の責任者聡美の言葉は、すっと心に入ってきた。 終盤、百合子の決断はちょっとモヤッとしたけど、みんな幸せになって欲しいなぁ。

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2024/04/07

「板を踏み切って箱を飛んだら、もう思い出さなくていい」 年齢、金、地位、名誉、国籍も何もかも関係なく、私たちはみんな誰かの「テイクオフ・ボード(踏切板)」なんですね。そして、私たちも飛ばしてもらっているんですね。私を含め、おそらく誰も気付いていないけれどー。最後の場面、ハルちゃん...

「板を踏み切って箱を飛んだら、もう思い出さなくていい」 年齢、金、地位、名誉、国籍も何もかも関係なく、私たちはみんな誰かの「テイクオフ・ボード(踏切板)」なんですね。そして、私たちも飛ばしてもらっているんですね。私を含め、おそらく誰も気付いていないけれどー。最後の場面、ハルちゃんや、イモのその後を気にしない父親が、一番「それ」を分かったのではないでしょうか。 誰かのために頑張れる自分でありたいと肩肘張って生きなくても、自然体でいるだけで、誰かのためになっているんだと思うと気持ちが楽に、優しくなれます。 この作家さん、ちょっと(だけ)飛躍した展開もあるのですが、読後が穏やかで、全ての波乱を必ず救ってくれるので、不安なく読めます。 今日まで私を跳ばしてくれたたくさんの人たち、ありがとう。

Posted byブクログ