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銀漢の賦 の商品レビュー

4

85件のお客様レビュー

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    20

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    3

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2014/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

07年に書かれた小説。こんなスゴイ小説を今まで読んでいなかったのが残念だし、こんな素晴らしい小説が読めてよかった。今では考えられない日本人の生き様が鮮やかにそして情感豊かに描かれている。多彩な登場人物を配しながらも、主人公二人の生き様を見事に浮き彫りにしている。二人の視点で描くだけでなく、時代を前後に動かしながら二人の人生を描いていく手法は見事としか言いようがない。正義が通らず、様々な思惑や陰謀が絡まる中で道理を通して生きていくむずかしさ、命を張って極限で生きていく男たちのすがすがしさとも言える生き方は同じ日本人とはとても思えない。葉室麟の硬質で清冽な文章はそれだけで読んでて心が洗わられる。 こんな文章が、ドラマがセリフがキャラつくりがうまい人が日本にもいたなんてホント驚き。 「蜩の記」も見事だったが、友情、そしてそこはかとなくユーモアまで漂うこちらの方が読み応えがあった。 他の作品も読まないと! 将来読むとまた違う感想が持てそう。

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2014/08/19

タイトルに惹かれて手にした本、昨晩一気に読了した。時間軸を行ったり来たりしながら話を展開するも違和感なく読める。なによりも全体を通して感じる清列さ、これがいいのです。 直木賞をとった「蜩の記」も同じようなトーンだが、こちらに軍配。

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2014/06/16

久しぶりに本を読んで久しぶりに良い本に出会えた事に感謝。この本はまた読んでもいいと思う。爽やかでありながら深く、そして読む年代によって感じ方も異なりそう。満足。

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2014/04/09

友情の継続。友人なしでは人生何事も成し得ないように思える。自分の損得なしで相手のことを考えられる、そのような友人の有無で、人の価値は決まる。

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2014/02/22

帯に「玲瓏にして清冽なる時代小説」ってあって、どういう事なのかなあ…って思って読み始めました。 幼き時に出会い交流した3人の男たち。成長してそれぞれ行く道が違い、仲違いする事もあったけれど、芯にゆるぎなきものを持つ者たちの生き様は、幼き時そのままに… カッコええ~

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2014/02/08

家老の将監と郡方の源吾。立場が異なれど幼馴染の友情は心の支え。時代物らしいやや重く感じられる文章表現が主人公たちの心意気を感じさせてくれる名作。

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2014/01/12

「花というものは自然に咲いておってきれいなものだと思いますが、やはり葉は切らねばならぬものですか」 と聞いた。千鶴はにこりと笑って、 「源五殿は、人は皆、生まれたままで美しい心を持っているとお思いですか」 「いや、それはー」 源五が頭をかくと、 「人も花も同じです。生まれ持ったも...

「花というものは自然に咲いておってきれいなものだと思いますが、やはり葉は切らねばならぬものですか」 と聞いた。千鶴はにこりと笑って、 「源五殿は、人は皆、生まれたままで美しい心を持っているとお思いですか」 「いや、それはー」 源五が頭をかくと、 「人も花も同じです。生まれ持ったものは尊いでしょうが、それを美しくするためにはおのずと切らなければならないものがあります。花は鋏を入れますが、人は勉学や武術で鍛錬して自分の心を美しくするのです」 千鶴は静かに石蕗に鋏を入れながら、 「花の美しさは形にありますが、人の美しさは覚悟と心映えではないでしょうか」 と言うのだった。

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2013/11/02

初読みの"蜩の記"に続いての著者二作目。竹馬を越える銀漢の友…思いやる三人の距離感と、それぞれの義と潔い生きざま。終盤の風越峠での戦いでは熱いモノが目頭に込み上げてきた。女性陣の清廉かつ慎ましい色彩が所々に滲むのがまた粋に映る。

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2013/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

銀漢とは天の川を指し、その場合の漢とは漢口すなわち大河を意味するわけだが、この小説の場合もう一つの意味が出てくる。 銀漢、白髪を蓄える年齢の漢、少年時代ともに学びともに青春時代を過ごした、そんな男たち3人の物語。 どの漢も一本筋の通った漢であり、その筋が故にともに生きていくことができず3人は離れていくのだけど、筋の根底に3人はつながっていて、その根底が銀髪の歳になってあらわになっていく。 若さゆえ、立場ゆえ、時代ゆえ、選択し進んできた生き方を、銀髪世代になって振り返り、命を懸けて修正していくそんな生き方を読まされると、不惑を5年も越えて未だに惑いまくりの俺なんかでも、もっとしっかり生きようと恥ずかしさとともに心にそっと誓わされるのである。 一杯の清廉な水をぐいっと一口呑んだような、とてもとても爽やかにうるおされる小説である。葉室麟はやはり素晴らしい

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2013/09/05

武士の世界の物語。 先日「影法師」を読んだばかりで、ちょうど時代的には同じころのことかなと思いながら読みました。 「影法師」はとても読みやすかったので、それに比べて非常~~~に読みにくく、挫折しそうになりました。 この本、皆さんには高評価なのに、楽しみきれなかった自分が不甲斐ない...

武士の世界の物語。 先日「影法師」を読んだばかりで、ちょうど時代的には同じころのことかなと思いながら読みました。 「影法師」はとても読みやすかったので、それに比べて非常~~~に読みにくく、挫折しそうになりました。 この本、皆さんには高評価なのに、楽しみきれなかった自分が不甲斐ないです…。 「銀漢」とは天の川のことだそうです。 そして「銀漢」という言葉を白髪頭になった男性(「漢」というのは男という意味があるようです)となぞらえて書いてある部分はグググッと来ましたね。深い!

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