楽園(上) の商品レビュー
『火車』-『理由』-『模倣犯』と続くラインなんだけど、『龍は眠る』とか『レベル7』といった初期作品のような超常ものの要素も入っていたりして、ある意味ではハンパではあります。 『理由』のような重厚さもなければ、 『クロスファイア』みたいにエンタメ娯楽作というわけでもない。 そうい...
『火車』-『理由』-『模倣犯』と続くラインなんだけど、『龍は眠る』とか『レベル7』といった初期作品のような超常ものの要素も入っていたりして、ある意味ではハンパではあります。 『理由』のような重厚さもなければ、 『クロスファイア』みたいにエンタメ娯楽作というわけでもない。 そういうジャンル的な座りの悪さは感じます。 ただ、人間の描写は『理由』『模倣犯』寄りで肉厚なので、十分に楽しめる内容だと思います。 ただ、どうしても登場する姉妹の片方が優しい良い子で片方が究極DQNというのが納得できないんですよね。「両親が愛情を注いでもどうしようもなく、波に流されるようにグレてしまうことはある」というのは物語の主題の一つでもあるんだけど、それが真実だとしてもどうしても物語としては納得しかねるんです。
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上下巻一気読み。面白い面白い。止まらない止まらない。けれど、★をひとつ下げたのは、「模倣犯」と比べての評価。つまりこれは、「模倣犯」で活躍したライター・前畑滋子を中心とした続編であるということ。また「模倣犯」読みたくなったなー。 さて例によって「模倣犯」で犯人を追いつめた前畑滋子...
上下巻一気読み。面白い面白い。止まらない止まらない。けれど、★をひとつ下げたのは、「模倣犯」と比べての評価。つまりこれは、「模倣犯」で活躍したライター・前畑滋子を中心とした続編であるということ。また「模倣犯」読みたくなったなー。 さて例によって「模倣犯」で犯人を追いつめた前畑滋子の9年後。しばらくライター業を辞めていたけれど、ぼちぼちと復活していた前畑滋子のもとに、ある中年女性・敏子さんが訪ねてくる。敏子さんは三カ月前に死んだ12歳の息子・等君が超能力があったのではないかということを知りたい…という調査を依頼。等君は死ぬ前に、死んだ後に明らかになった事件の絵を描いていた…というお話。 基本的にあたし、この「前畑滋子」というライターは好きではない。無鉄砲だし、あんまり考えなしだし、何が何でも書くという気迫もないし、これじゃ別にライターじゃなくてもいんじゃね?調査員でもいいじゃん…とか思うし、なんとなくだけれど、印象が以前少年の供述調書を見てそのまま本書いたジャーナリストと同じ臭いがする。不用意すぎ。まだ前畑滋子は書かないだけマシなのか。しかしそんな金にもならない仕事に走り回る前畑滋子を雇ってくれている会社があるというのもこのご時世ありえないだろうし。まあそんなこんなで、★がひとつ減ったのも、この主人公の魅力のなさからなんだろうと思う。 事件の内容的には面白い。主人公じゃないにしろ「知りたい」と思わせてくれる背景がたくさんある。ただし、ラストの犯人と結局何の接点もないままに周辺取材ばっかするので、なんだか微妙な感じもする。
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文庫で 900ページを越える大著だが、文字通りの一気読み。「宮部みゆきの最高傑作」はすでにいくつもあって、両の指では足りないのだが、これもまたその一冊だろう。こういう小説を読むことこそが、我が人生の最大の楽しみだ(といいつつ、単行本で読まずに文庫に入るのを待っていた……)。 模...
文庫で 900ページを越える大著だが、文字通りの一気読み。「宮部みゆきの最高傑作」はすでにいくつもあって、両の指では足りないのだが、これもまたその一冊だろう。こういう小説を読むことこそが、我が人生の最大の楽しみだ(といいつつ、単行本で読まずに文庫に入るのを待っていた……)。 模倣犯の物語世界をそのまま引き継ぎつつ、中身は一新、宮部みゆき得意の「超常能力 + ミステリー」もの。初出は産経新聞の連載小説だそうだが、連載小説にありがちな中弛み(ええ、ええ、模倣犯のことですとも、もちろん)もなく、テンポよく物語が広がり、そして鮮かに収束していく、最高のエンターテイメント。
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初読。文庫化になったので勢い込んで買いました。読みたかったんですっ。 模倣犯の続編……というより、解説で書かれていますがスピンオフみたいな感じです。模倣犯のフリーライター前畑滋子さんの物語。 模倣犯は私の中で宮部作品のトップ3に入っている名作なのですが、今回もかなりいい感じです。...
初読。文庫化になったので勢い込んで買いました。読みたかったんですっ。 模倣犯の続編……というより、解説で書かれていますがスピンオフみたいな感じです。模倣犯のフリーライター前畑滋子さんの物語。 模倣犯は私の中で宮部作品のトップ3に入っている名作なのですが、今回もかなりいい感じです。 ほんと、このお方はどうしてこんなにも人物描写が上手いんでしょう。 登場人物一人ひとりの日常が見える感じがして、すっごくほっこりします。 って、ほっこりする内容でもないんですけどね。 でも、模倣犯よりは全然穏やかなお話かな。あれはほんっとにすごいから。 下巻も楽しみです。
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「模倣犯」の続編 ライター前畑滋子のもとにあらわれた荻谷敏子 亡くなった息子の等は、人の記憶が見える サイコメトラーだった・・・?
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『模倣犯』の事件から九年後。 ようやくライターとしての仕事を再開していた前畑滋子の元に、二ヶ月前に子どもを亡くした母親が訪ねて来る。 その子どもは、不思議な絵を描いたという。 十六年前に両親に殺され床下に隠されたまま、誰も知らなかった少女の絵を。 それは超能力なのか、それとも…?...
『模倣犯』の事件から九年後。 ようやくライターとしての仕事を再開していた前畑滋子の元に、二ヶ月前に子どもを亡くした母親が訪ねて来る。 その子どもは、不思議な絵を描いたという。 十六年前に両親に殺され床下に隠されたまま、誰も知らなかった少女の絵を。 それは超能力なのか、それとも…? ミステリーも、超能力ものも、ファンタジーも、時代ものも、色々書く作家さんなので、未だこの物語の落ち着く先が、どの方向なのか分からない。 続きが楽しみだ。
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摸倣犯の続編と思いきや、確かに主人公は摸倣犯に出てきたライターだ。摸倣犯は読んだのだが、細部はよく覚えていない。 しかし、ストーリーは全く別だ。さすが宮部みゆきだ。最初は退屈な話だが、話が展開するにつけ、どんどん話に引き込まれていく。
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上巻だけ先に買って読み始めたら、とまらなくなって 半日で読破し、その足で再び本屋へ行って下巻も購入。 久しぶりの宮部作品に引き込まれています。
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『模倣犯』の続編!と勘違いしていました。実際は前畑滋子とその夫が登場しているのと、9年前とされる模倣犯事件以降、前畑滋子が書けなくなっている、ということが関連事項なだけでした。 たしか、単行本で発売されたとき、いかにも『模倣犯』に関連しているようなPOPをあちこちで見たのですが...
『模倣犯』の続編!と勘違いしていました。実際は前畑滋子とその夫が登場しているのと、9年前とされる模倣犯事件以降、前畑滋子が書けなくなっている、ということが関連事項なだけでした。 たしか、単行本で発売されたとき、いかにも『模倣犯』に関連しているようなPOPをあちこちで見たのですが・・・。 全然別物として読めば、たしかに「さすが宮部みゆきさん」という繊細で優しい人物の分析でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2010/2/15 Amazonより届く。 2015/7/22〜7/28 模倣犯の前畑滋子が再登場。亡くなった息子がサイコメトラーであったことを調べて欲しいという依頼を受け、過去の苦い想いを引きずりつつも、調査にのめり込み始める滋子。宮部さん、得意の超能力もの。間に挟まれる断章の位置づけがポイントか。下巻が楽しみ。
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