1,800円以上の注文で送料無料

楽園(上) の商品レビュー

3.8

211件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    91

  3. 3つ

    63

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/08/31

さすが、宮部みゆき。 過去にあった連続誘拐殺人事件が根底にあるのに、その事件については一切説明をせず、周囲からもれ聞こえる内容だけでその事件の輪郭を現していく。登場人物のディテールを細かく描写しているためキャラクターが個性的で、人物に魅力がある。 物語のスピードも心地よく、引き込...

さすが、宮部みゆき。 過去にあった連続誘拐殺人事件が根底にあるのに、その事件については一切説明をせず、周囲からもれ聞こえる内容だけでその事件の輪郭を現していく。登場人物のディテールを細かく描写しているためキャラクターが個性的で、人物に魅力がある。 物語のスピードも心地よく、引き込まれていく感触があります。 すばらしい。下巻に期待します。

Posted byブクログ

2024/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『模倣犯』が大好きなワイ、ついに続編に手を出した... 超能力的な非現実的な要素が入っていて少し残念だったけどまあまあ面白く読めた(ファンタジー苦手民)。 滋子は一連の行動について、敏子が等を喪うため(弔うため)に必要なことだと考えていたようだけど、私には滋子が9年前の連続殺人事件を喪うため(弔うため)に必要なことだったんだろうなと思えた。滋子が行く先々で、あの連続殺人事件の前畑さんですよね?と言われるたびに事件のことを思い出し、清算するというような。この物語は前畑があの事件をどう消化するかというのが裏テーマだったのかなと思った。どこ行っても大体あの連続殺人事件のことを聞かれる、みたいな感じで滋子が敏子に話しているシーンが印象的だったなあ。

Posted byブクログ

2024/05/09

模倣犯から9年後のスピンオフ物語。 宮部みゆきらしい繊細な描写、詳細な設定で最後まで飽きずに読了。 不思議な力を持った人物が登場する話は宮部みゆきはいろいろ執筆されてますが、こちらは最後にホロリとさせられる悲しくも優しい物語でした。

Posted byブクログ

2024/03/31

模倣犯事件から9年、静かに暮らす前畑滋子の元に現れた謎の絵を書くすでに死んだ少年と、その母 そこに重なる風見蝙蝠の家で見つかる少女の死体 9年前の重い記憶を抱えながら前畑は新たな調査へ向かう 宮部みゆきさんのミステリーは登場人物に血肉が通っている 読む方も感情を揺さぶられて血が...

模倣犯事件から9年、静かに暮らす前畑滋子の元に現れた謎の絵を書くすでに死んだ少年と、その母 そこに重なる風見蝙蝠の家で見つかる少女の死体 9年前の重い記憶を抱えながら前畑は新たな調査へ向かう 宮部みゆきさんのミステリーは登場人物に血肉が通っている 読む方も感情を揺さぶられて血が流れるような思いだけど止められない

Posted byブクログ

2023/11/15

主人公の前畑滋子。既視感があると思ったら案の定、『模倣犯』のライターだったとは! ひとこと、拍手を送りたくなる作品だった。 人情味あふれるミステリー。あたたかい涙を流し頁を閉じた。 殺人事件の多くは家族・身内によるもの。そこには他人にはうかがいしれない葛藤がある。身内に警察の...

主人公の前畑滋子。既視感があると思ったら案の定、『模倣犯』のライターだったとは! ひとこと、拍手を送りたくなる作品だった。 人情味あふれるミステリー。あたたかい涙を流し頁を閉じた。 殺人事件の多くは家族・身内によるもの。そこには他人にはうかがいしれない葛藤がある。身内に警察のお世話になってしまうほどの行状のよろしくない者がいて、その家族はどうしたらよいのか。切り捨ててしまえるのか。厄介者を抱えた家族はどのように幸せをつかめばよいのか。 核家族中心の社会においては、けっこう見過ごされがちな大きな課題だ。 「楽園」というタイトルの意味がまだ腑に落ちてはいない。しかし、神の怒りにより楽園を追われた人間たちが楽園に戻りたいともがくのが生きるということなのかと、自身の頭に納得させておこう。

Posted byブクログ

2023/09/18

ストリート的には好きかな。 12歳の少年の絵‥不思議な能力?? それらを解き続けるフリーのルポライター との物語。下が早く読みたい

Posted byブクログ

2023/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いわゆる『模倣犯』の後続作品となります。 ・・・ 私は『模倣犯』も未読、そして宮部さんの作品もこちらで2作目となる、言わば宮部初心者。 結論からすれば非常に楽しめました! これはですね、先が読めない2時間ものの邦画を集中して視聴したかのような読後感でした。 ・・・ とある奇妙な依頼『うちの子が本当に超能力を持っていたのかどうか確認してほしい』という話から始まる、本作。 ここから、一見脈絡がないような出来事が散らばるように描写されます。 萩谷等が幻視した殺人事件の現場。殺人事件の当事者たる土井崎夫婦の独白、姉を殺された誠子の悲しさ、誠子と中の良かった地元の友達達、土井崎家を守ろうとする高橋弁護士、殺された土井崎茜の交流、萩谷等がほかにも幻視していた学校の先生方の隠蔽したいプライベート、滋子をサポートする『模倣犯』時代の秋津警部との連携等々。 読中は別個に与えられるピースが徐々に連結していくところに、読者は納得のため息と快感を得ることができると思います。 ・・・ 上巻では、土井崎家(特に誠子)へのアプローチ、そして萩谷等の能力の検証にページが割かれます。まだまだ方向性が分かりませんよね? いや、それが楽しいんですよ!! その勢いで下巻まで楽しんでください!

Posted byブクログ

2023/07/06

模倣犯から9年後の話。超能力モノ。 ライター前畑さん視点で進む。既出の登場人物のため、人物の深掘りがない分サクサク読めた。 どういう結末になるか、下巻が楽しみ。

Posted byブクログ

2023/06/06

大作 模倣犯の登場人物、前畑滋子が主人公の話。 宮部みゆきの本ってずっしりとした安定感がある。クセの強い表現を使わず、スっと入ってくる。この本もそんな文体でした。 ここまで目まぐるしい展開がある訳ではなく、見方によっては単調だけど、文体のおかげで飽きずに読むことができました。

Posted byブクログ

2023/05/25

宮部みゆきの長編ミステリー。 レビューをわけていなかったので、全体通しての感想。 〜以下、作品紹介引用〜 未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳...

宮部みゆきの長編ミステリー。 レビューをわけていなかったので、全体通しての感想。 〜以下、作品紹介引用〜 未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が〝超能力〟を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。16年前、土井崎夫妻はなぜ娘を手にかけねばならなかったのか。等はなぜその光景を、絵に残したのか? 滋子は二組の親子の愛と増、鎮魂の情をたぐっていく。その果てにたどり着いた、驚愕の結末。それは人が求めた「楽園」だったのだろうか――。 「模倣犯」に登場した前畑滋子が登場する作品であり、続編と言える作品(僕は本質的に模倣犯の続編とは思っておらず、登場人物が同一の別物としている) 前畑滋子の生活が垣間見れる作品であり、模倣犯事件を引きずってしまっている様子や、夫、会社などかのじょの生き様が描写されていく。  こういった部分の面白さは筆者の得意とする部分であり、その他の登場人物達も魅力溢れるキャラクター達だ。  宮部みゆきの作品では、現実からかけ離れた、超常現象やファンタジーを取り込む作品が沢山あるが、今作でも亡くなった息子が超能力者である事に悩む依頼者など、不思議な世界観をミステリーと合わせて盛り込んでいる。  (下巻に続きのレビュー)

Posted byブクログ