楽園(上) の商品レビュー
模倣犯の続編。 おばちゃんフリーライター再登場。 彼女の元に、とある人物から、「息子が超能力を持っているかもしれない」という 怪しげな話を聞き・・・ 全体的に生活感が漂いすぎてて、微妙・・・(なんだそれ。
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うちで読んでる産経で、連載開始の時「あの『模倣犯』の続編」との触れ込み。 結構プッシュされてて、若干気を引かれたんだけど。 「模倣犯」は面白かったけど、思い入れがあるってほどではなかったし、 忘れてて途中から入ろうとしたとき「・・サイトメトラー・・」でなんだか断念。 そのうち完結...
うちで読んでる産経で、連載開始の時「あの『模倣犯』の続編」との触れ込み。 結構プッシュされてて、若干気を引かれたんだけど。 「模倣犯」は面白かったけど、思い入れがあるってほどではなかったし、 忘れてて途中から入ろうとしたとき「・・サイトメトラー・・」でなんだか断念。 そのうち完結して単行本になって、やはり人気作品で長く縁なく、で、今回。 「模倣犯」から9年後、傷を負ったルポライター前畑滋子の、再生の物語。 そう読むことができれば、この話は非の打ちどころがないのかも。 あれ以来事件ものが書けなくなった滋子のもとに、ある母親から、 交通事故で亡くなった息子が遺した絵の謎を解きたいという依頼。 滋子は僅かな手がかりを探って、少しずつ少しづつ、真実に迫って行く。 先にざっくり感想言っちゃえば、どんどん先に引っ張られて面白かったです。 「模倣犯」の名前なんか出さなければ、これ単体で充分傑作ってことで良いかと。 比べちゃうから、いろいろ文句付けたいところも出て来ちゃうのでは。 続編って言っても、殆ど模倣犯関係ないし。 引っかかったところを、羅列。 ・死んだ子供の絵の謎は、つまりサイコメトラー、超能力でした。 人の記憶が見える、幻視。京極堂シリーズの榎木津探偵。 超常現象を違和感なく楽しむハードルは高いです。楽園は中途半端。 ・前回犯人に利用されてトラウマになってるからか、展開がすごく慎重。 子どもの絵が「幻視」だと証明するまでが長い。 まぁ、あんまり急がれても引くけど、つまりは、 時間をかけたわりに、得られたものがしょぼい。カタルシスが小さい。 ・滋子の再生物語で感動するほど、みんな滋子のこと好きじゃないと思う。 今回の事件は緊急性がなく(あったとしても滋子関係ない)、 滋子は一介の取材者でしかないのに、強引で傲慢で独善的。 マスコミの人ってこうなのね。知る権利を振りかざして人の秘密をこじ開ける。 それが許容できないと不愉快。私はちょっと不快だった。 ・「模倣犯」に関した謎、「山荘のワイン」はどうなったんですか? ・主題と思われる、身内に「怪物」が出ちゃったらどうしたら良いか、 ていうのは、重いテーマで考えさせられましたが、 間に合わずに既に娘を殺してしまった母親に対して、 「茜さんを見ました」は、滋子、鬼だと思う。 こんなところですかね。 思ったより辛口になっちゃったけど、トータルではそれなりでしたよ、さすが。 そして、模倣犯をもう一度読みたくなった。
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すばらしい。宮部みゆきの最高傑作なんて帯に書かれていて、なんというデリカシーのなさ、宮部さんも内心むかついてんじゃないか、と慮っていたけれど、実に読み終わって実はそうだったんじゃないかとおもってしまった。これは、ポールオースターのムーンパレスを読んだときにも思った。この作家のてっ...
すばらしい。宮部みゆきの最高傑作なんて帯に書かれていて、なんというデリカシーのなさ、宮部さんも内心むかついてんじゃないか、と慮っていたけれど、実に読み終わって実はそうだったんじゃないかとおもってしまった。これは、ポールオースターのムーンパレスを読んだときにも思った。この作家のてっぺんを見ちゃったんじゃないか、なんと言う惜しいことを、何の覚悟もなくやってしまったんだろう、軽はずみな私、的な。 といっても、それほどたくさんの宮部みゆきさんを読んでいるわけじゃないのですが。 模倣犯に比べ(どうしたって比べてしまうのは、容赦いただきたいと思う)、ぐんとストイックである。内容の体積は同じくらいであろうに、密度は濃い。作家がどれほど集中して物語を洗練させていったのかが窺える。あるいは、これが成長というものであったとしたら、一年に15センチ身長が伸びて、髯も生えて、声も変わり、にわかに女の子が気になりだして、半ズボンをやめて、エビスのデニムを買うためにせっせとアルバイトをする思春期の男の子くらい、あるいは思春期の女の子くらいの、成長である。それを目の当たりにした、親戚のおばちゃんくらいの驚きである。 とにかく、面白かったです。それで、個人的に、これが最高傑作じゃないことを、切に祈りたいです。でも、最高傑作として後世に残っても、決して名を汚すことにはならないだろう。 とは褒めすぎでしょうか。
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「模倣犯」のスピンオフ、滋子さんのことは好きではなかったのだがだいぶ成長しましたね。しかし、超能力ものだったのには驚き・・・
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流行りものに弱いといわれようと、宮部みゆきは やっぱりすごいよ。ちょっと悔しいけど。 読み終える頃には、一人ひとりの登場人物が、目の奥に浮かぶ。 声や、息遣いとかも聞こえそうな気がしてくる。 口調なんて、真似しようと思えば真似できるくらいになっている。 考えてみたら、そんな作...
流行りものに弱いといわれようと、宮部みゆきは やっぱりすごいよ。ちょっと悔しいけど。 読み終える頃には、一人ひとりの登場人物が、目の奥に浮かぶ。 声や、息遣いとかも聞こえそうな気がしてくる。 口調なんて、真似しようと思えば真似できるくらいになっている。 考えてみたら、そんな作家もなかなかいないんじゃないかな。
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未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が“超能力”を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少...
未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が“超能力”を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。 事件への入り口や構成が面白い。滋子が『模倣犯』の時よりも好感の持てる人になっていた。
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「模倣犯」の前畑滋子が登場。あの事件によって受けた痛手、変わらない性格など、以前よりもキャラクターが見えやすい。前編のみ読了なのでこの先の展開が読めないけれど、ところどころにはさまれる断章が意味深。今度は滋子が、そして心やさしき登場人物たちが傷つかないことを願って後編へ。宮部さん...
「模倣犯」の前畑滋子が登場。あの事件によって受けた痛手、変わらない性格など、以前よりもキャラクターが見えやすい。前編のみ読了なのでこの先の展開が読めないけれど、ところどころにはさまれる断章が意味深。今度は滋子が、そして心やさしき登場人物たちが傷つかないことを願って後編へ。宮部さんの筆致は男性的だと思っていたけれど、今回はとても女性的に感じる。
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『模倣犯』の前畑滋子が再び登場。 話はともかく、やっぱこのキャラが苦手というか嫌いだったり・・・。 うーん、何でだろう。 このもやもや感は。。。
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「模倣犯」から9年!? うひゃ~。ぱきらも歳とるわけだわね。 しかし、ごめんなさい。ぶっちゃけ、「模倣犯」よく 覚えてないっす……。これ終わったら読み直そうかな。
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久々の宮部長編ミステリー。緊張感のある、でも生活を感じる文章。一番好きな宮部の世界でうれしい。 「殺人の時効」という意味についても考えさせられる、ある意味、今、読むのがタイムリーなのかもしれない。
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