Nのために の商品レビュー
高級高層マンションの一室で、一組の夫婦が死んだ。夫が妻を刺し、妻の不倫相手が夫を殴った。居合わせた人々の証言に不自然なことはなく、罪を告白した不倫相手が罰を受けた。そして10年。居合わせた人々はそれぞれに嘘をついていた。自分ではない、誰かのために。Nのために。 ドラマをちらちら...
高級高層マンションの一室で、一組の夫婦が死んだ。夫が妻を刺し、妻の不倫相手が夫を殴った。居合わせた人々の証言に不自然なことはなく、罪を告白した不倫相手が罰を受けた。そして10年。居合わせた人々はそれぞれに嘘をついていた。自分ではない、誰かのために。Nのために。 ドラマをちらちら見ていたので内容も落ちもわかっていたけど、やっぱりすっきりしない。全員が一方通行に相手を想ってるだけで、その愛がかえってくるかどうかはまったく気にしていないのが、ちょっとこわい。成瀬くんがただひたすら巻き込まれただけで、のぞみからは思い込みで慕われてるだけで、ほんとかわいそうだ。男性陣はそれぞれわりとまともで、狂ってるのは女性陣ばかりなのが湊さんらしさなのかも。
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湊さん曰く「ラブ・ストーリー」。でもストレートな愛ではないところが湊さんらしい。 登場人物の自己主張を抑えたということで、その分物語は読者が補う形になります。 徐々に真実に迫るパターンはいつも通り。そして真実は意外なところに。
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ドラマを見てから原作を読んだ珍しいパターン。予想してはいたが原作の方が面白かったし、想いを馳せる余韻もあった。ドラマは料亭「さざなみ」の放火犯人を追う警官と言葉を話せなくなったその妻に焦点を当てたり、少々的外れの感あり。綺麗な顔で見るからに王子様の西崎も、ドラマではイメージが全然...
ドラマを見てから原作を読んだ珍しいパターン。予想してはいたが原作の方が面白かったし、想いを馳せる余韻もあった。ドラマは料亭「さざなみ」の放火犯人を追う警官と言葉を話せなくなったその妻に焦点を当てたり、少々的外れの感あり。綺麗な顔で見るからに王子様の西崎も、ドラマではイメージが全然違った。とはいえ原作を読む気にさせてくれた事には感謝している。誕生石のサファイアがついたペンダントについてはちょっと考えたが、母親が9月生まれだったということか。一読で全て理解したつもりが眠い頭では存外心許ない。
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なんだか、こんがらかった状態で最後を迎えた。再度読み返さないと、内容を把握できていない。面白いとは思えないが、独特の文調でいやーな世界観がある。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
部屋の一室で夫婦が殺される。その場にいた関係者はみんなNのためにウソをついていた。 大切な人を守るためのそれぞれの嘘。 ロジックは面白かった。 余命宣告を受けた人が誰なのかがわかりにくくて少し読み返すことになった。
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様々な愛の形。どう考えてもそれは間違っていると言える愛の形がある。辛く悲しい過去と向かい合う。そこから抜け出すことが出来るか否かは自分次第。
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湊かなえさん…… 初めて読んで衝撃を受けた「告白」以来、なかなか好きな作品に出会えず、もしかしたら私には合わないのかなぁと思い始めていたときに、やっときました。 とっても面白かった! Nのためにというタイトル、登場人物の多くがNのイニシャルを持つのは、誰のためなのかを撹乱するた...
湊かなえさん…… 初めて読んで衝撃を受けた「告白」以来、なかなか好きな作品に出会えず、もしかしたら私には合わないのかなぁと思い始めていたときに、やっときました。 とっても面白かった! Nのためにというタイトル、登場人物の多くがNのイニシャルを持つのは、誰のためなのかを撹乱するためのものだと思っていたけれど、そうじゃなかった。 ひとつの殺人事件。犯人はすでに捕まっている。そんなところからストーリーは始まり、登場人物たちのモノローグによってその真相が明らかになっていく仕掛け。 ぐいぐい引き込まれて、なんだったの、なんだったの、とページをめくる手が止まらなかった。読み終えた今も余韻が残っている。まだまだ捉えきれていない部分もある。もう一度読んで、しっかり噛み締めたい。それぞれのNのために。それが誰のためだったのか。
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ドラマでやっていた、Nのために。 どの作品を読んでも、この人は何でこんなに後味の悪くなる環境設定ができるのだろうと思いますw 特に、ドラマでは詳細が語られなかった灼熱バードの本文はもう、途中で嫌になるくらい絶望感にあふれていました。 先にドラマを見ていたからかもしれませんが、西崎...
ドラマでやっていた、Nのために。 どの作品を読んでも、この人は何でこんなに後味の悪くなる環境設定ができるのだろうと思いますw 特に、ドラマでは詳細が語られなかった灼熱バードの本文はもう、途中で嫌になるくらい絶望感にあふれていました。 先にドラマを見ていたからかもしれませんが、西崎さんに小出恵介ははまり役だったと思います。こんなに気障な台詞をちゃんとドラマの中で違和感なく言えていたのはすごいと思う。 ドラマでは事件の日付が12月24日になっていましたが、あれはきっとテレビから流れるクリスマスソングののんきな感じと事件の凄惨さの比較のためだったのでしょう。あと、母親とのその後も本では語られていなかったので、病気が発覚したというのもあっさり終わってしまったなという感じでした。 個人的にはドラマの方が好きかも。
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暴力を愛だと思う心理について、考えさせられた。自分自身が自立できないと考えてしまうと、暴力も受け入れてしまうのかな。幼少期の心の傷は、やはり何かの形で大人になっても残っているんだろうなぁ。 それぞれが誰かを想ってついた嘘。事件の真相がハッキリ分からなかったので、スッキリしていな...
暴力を愛だと思う心理について、考えさせられた。自分自身が自立できないと考えてしまうと、暴力も受け入れてしまうのかな。幼少期の心の傷は、やはり何かの形で大人になっても残っているんだろうなぁ。 それぞれが誰かを想ってついた嘘。事件の真相がハッキリ分からなかったので、スッキリしていないです。 ドラマを見ていないので、見てみようと思います。
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面白かった。 4章がなけました。考えさせられました。どこへも行ききらないもどかしさがあった。 結果、愛は無償でもなお行う行為だということが語られていたんだろうと思いました。 ただ、視点を代えれば善悪よりずっと幼稚なレベルの、許せる、許せないの範囲はその当事者の価値観でしかなく、救...
面白かった。 4章がなけました。考えさせられました。どこへも行ききらないもどかしさがあった。 結果、愛は無償でもなお行う行為だということが語られていたんだろうと思いました。 ただ、視点を代えれば善悪よりずっと幼稚なレベルの、許せる、許せないの範囲はその当事者の価値観でしかなく、救いがたい、口出しがたい隣人となるだなーと思いました。 でもなぜ安藤はそとからチェーンをかけたのか? 何にせよ子供の頃の体験は残ります。 頭がぴきといたくなる本でした。
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