サクリファイス の商品レビュー
自転車レースも人生も、上りも下りも、調子いい時も悪い時もある。 人の想いというのは難しく、言わなければわからないが、言ったとしてもわかるとも限らない。 人の言葉も難しく、言ったこと以上の効果や、違う結果を生んでしまうこともある。 競争なのか、共闘なのか、運なのか、人の想いや助けな...
自転車レースも人生も、上りも下りも、調子いい時も悪い時もある。 人の想いというのは難しく、言わなければわからないが、言ったとしてもわかるとも限らない。 人の言葉も難しく、言ったこと以上の効果や、違う結果を生んでしまうこともある。 競争なのか、共闘なのか、運なのか、人の想いや助けなのか、 すべてが紙一重なのかなと感じる一冊でした。
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「サクリファイス」近藤史恵著 「エデン」という別の本の表紙がロードバイク の写真で、はるか昔トライアスロンをやっていた身としては、レースの本かな?とたまたま手に取ってみたら、それがシリーズものということで前作にあたるこの本をチョイス。サクリファイスって何て意味だったかななどと思...
「サクリファイス」近藤史恵著 「エデン」という別の本の表紙がロードバイク の写真で、はるか昔トライアスロンをやっていた身としては、レースの本かな?とたまたま手に取ってみたら、それがシリーズものということで前作にあたるこの本をチョイス。サクリファイスって何て意味だったかななどと思いながら。 あとから、この本について調べたら、このミステリがすごい!にも選ばれたらしいですが、読み始める時はそんな情報もなく、マンガ「弱虫ペダル」のような純粋な自転車レース物だと思って読んでいました。 前半部分は、チーム・オッジの中でアシストの「チカ」と、エース「石尾」、スプリンター「伊庭」、そのほかのチームメイトが助け合い、駆け引きをしながら山岳や平坦のレースを走り抜けていく様子が、疾走感、臨場感にあふれる描写がとても心地いい作品でした。向かい風の中集団を前で引くのツラかったなぁとか下りでスピード出してるときに、コケたら死ぬーって思ってたな、なんて昔の記憶も思い出しながら、自分自身も自転車にのってコースを走り抜けているような気になります。 ところが、中盤以降は話が徐々に怪しい方向に。しかも、ただのミステリーというわけではなく、多分誰も悪くない、泣けるミステリーという感じになっていて、人目がなかったら多分泣いてたんじゃないでしょうか。前半部分の爽快感とのギャップもすごく、「人生とは自転車のようなものだ。倒れないようにするには走らなければならない」というアインシュタインの言葉が浮かんできます。 最後まで読むと、本のタイトルは「アシスト」ではなく、やっぱり「サクリファイス」じゃないといけなかったんだなと思いました。 それと「たまたま」手にとった作品がすごく面白かった時って「本好き」にとっては最高の瞬間で「こういう出会いがあるから本を読むのをやめられない!」なんて思える「サクリファイス」は、まさにそういう本でした。 “sacrifice 神にいけにえをささげること,(ささげられた)いけにえ,ささげもの,犠牲(にすること),犠牲(的行為),犠牲になったもの“ 【weblio英和和英辞書】より引用
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プロのロードレースチームをモチーフとしたミステリー。 馴染みの薄いスポーツでもあり、チーム内でアシストの立場として活躍する専属メンバーがいることを、本書を通して初めて知った。 レースの緊張感を再現しつつ、ミステリーの内容も非常に面白い。謎の真相はまさにタイトル通り。
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今年の最後に選んだのはこれ! どうも最近自分にとっての良作に恵まれないなぁ、と思い、満を持して手に取りました。 大藪春彦賞も受賞しているし、なにより多くのブグログユーザー様たちの高評価を受けるこの作品ならば絶対にまちがいないでしょう!! …………ん? あれあれ? これって……?...
今年の最後に選んだのはこれ! どうも最近自分にとっての良作に恵まれないなぁ、と思い、満を持して手に取りました。 大藪春彦賞も受賞しているし、なにより多くのブグログユーザー様たちの高評価を受けるこの作品ならば絶対にまちがいないでしょう!! …………ん? あれあれ? これって……? ミステリーなんですね? いや、嫌いじゃないです。むしろ好きなジャンルですけど、勝手にスポーツものだと思ってました。三浦しおんさんの「風が強く吹いている」みたいな。ギットギトの熱いものを想像してました。それとお仕事小説を掛け合わせたものだと思い込んでいました。 ……悪くはないです。思ったより淡泊でしたが。 なんとなくしか知らなかったプロのロードレーサーの世界を垣間見れましたし。 ミステリーとしても、なるほどねとは思ったんですが、いまひとつ動機に納得が出来かねました。 石尾の行動。 袴田の行動。 香乃の行動。 ん~、そうなるの? それでいいの? う~ん。この人気作でも心に響かないなんて、巡り会わないっていうより、今更だけど自分って絶望的に読書に向いてないのかも(・_・;) たしか、京極夏彦さんの小説中の登場人物、古書店の店主である京極堂はこんなようなことを述べていた。 世の中につまらない本など一冊もないのだよ、と。 つまらなく感じるのは読み方が悪いからだ、と。 まあ、それは極端だろうけど、どんな本でも楽しく読めるに越したことはない。 どんな本でも楽しく読めて、感動し、興奮し、下手な難癖ばかり思い浮かべずに、ただただ素直に読書できたならどんなに素晴らしいだろうか。 それは読み手の能力であり才能なんだろうなぁ。 普通に羨ましい(笑) まあグチってもしゃーない(´▽`*) 来年こそぉぉぉぉぉの精神でいこうっと!! ご覧いただいた皆様。 しょうもないレビューにいいねしてくれたり、コメントで遊んでくれたブグ友の皆々様。 今年は大変お世話になりました(*- -)(*_ _) 来年もよろしくね~(^^)/~~~♪
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これ好き! サラッと読めたけれど感動ー๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐ タイトル『サクリファイス』の意味が何回も変わる 団体チームの中での役割、エースとアシスト、どこの世界でもある夢や嫉妬、羨望等人間関係が描かれている 何に感動したかって、兎に角石尾先輩の生き様!名脇役だ 「俺たち...
これ好き! サラッと読めたけれど感動ー๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐ タイトル『サクリファイス』の意味が何回も変わる 団体チームの中での役割、エースとアシスト、どこの世界でもある夢や嫉妬、羨望等人間関係が描かれている 何に感動したかって、兎に角石尾先輩の生き様!名脇役だ 「俺たちはひとりで走っているんじゃない」「食らいついてこい!」 寡黙な人の一言は深い 近藤史恵さんの作品は初 違う作品も読んでみたい
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も、ものすごい作品を読んでしまった…! なんか私も最近こんなことばっかり言ってるので「またかーい」と思う方もいらっしゃるかもですが、いやこれはほんとに。 一言で言えば、自転車ロードレースというスポーツの世界を舞台にしたミステリ。 自転車ロードレースって日本では全然マイナーな...
も、ものすごい作品を読んでしまった…! なんか私も最近こんなことばっかり言ってるので「またかーい」と思う方もいらっしゃるかもですが、いやこれはほんとに。 一言で言えば、自転車ロードレースというスポーツの世界を舞台にしたミステリ。 自転車ロードレースって日本では全然マイナーな競技だし、私も全く知識がない状態で読み始めました。 でも、作中でめちゃくちゃわかりやすくその独特な世界が描かれているので、すぐに「はいはい、ロードレースね〜。20年前から知ってますけど?」みたいなスタンスで(どんなん)読み進めることができます。 とりあえずなにそれおもしろ!と思ったのが、ロードレースは個人競技なのに完全に団体競技でもあること。 個人でエントリするものの、基本的にレースにはチームで参加するので、チーム全体でエースを勝たせるためのアシストという役割があるそう。 そのアシストってのがめちゃめちゃ戦略的で、いろんな人の考えがうずまいていて…もう自転車ロードレースというスポーツ小説としての側面だけでも読み応えがありまくる。 でもそこは近藤史恵さん、これはミステリなんです! 冒頭でロードレース中のすごく不穏な出来事が示されているんですが、あれは事件?事故?いつ起きる?なぜ起きる?誰が巻き込まれる?と気になって仕方がない。 ラストのすべてがわかる時には、ずーっと鳥肌が立ってました…ある人物の壮絶な生き方がとても印象的で。 「サクリファイス(犠牲)」というタイトルの意味がずしっと来ます。 とにかくこれはすんごいミステリです。シリーズものなので今めちゃめちゃ忙しいけど続きも読む!すぐ読むぞー!
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自転車レースのことを全然知らなかったけど、物凄い興味が湧いたし、ミステリーとしても面白かった。石尾さん、凄すぎる。そして、袴田さんは… 主人公は幼なじみに何も言わなくて良かったのかと思ってしまった。恨みをもたないと生きていけなかったのかもしれないけど、悲しい。 でも、それを受け...
自転車レースのことを全然知らなかったけど、物凄い興味が湧いたし、ミステリーとしても面白かった。石尾さん、凄すぎる。そして、袴田さんは… 主人公は幼なじみに何も言わなくて良かったのかと思ってしまった。恨みをもたないと生きていけなかったのかもしれないけど、悲しい。 でも、それを受け止めて夢を実現する主人公が一番凄いかも。
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再読ですが、やっぱり面白かった。 「俺のしたいことはエースのために犠牲になること。」 そんなアシスト選手が主人公なので、クールで落ち着いたスポーツ小説になってますね。 自転車ロードレースの面白さを堪能できて、かつサスペンス的要素も絡んでくるけど、コンパクトにまとまって読みやす...
再読ですが、やっぱり面白かった。 「俺のしたいことはエースのために犠牲になること。」 そんなアシスト選手が主人公なので、クールで落ち着いたスポーツ小説になってますね。 自転車ロードレースの面白さを堪能できて、かつサスペンス的要素も絡んでくるけど、コンパクトにまとまって読みやすい。 真摯なスポーツと呼ばれる自転車ロードレースだが、エースを勝たせるための団体競技ゆえに複雑な心境が湧いてきますよね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自転車競技、全てがへぇーってことばかりだった。 タイトルの意味もよくわかる。 主人公のあまりにも淡々とした感じにかえってページを捲る手を止めさせられなかった。 何が起こるのか…なんで起こったか…どきどきしながらも冷静さを欠くことなく読めた。
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読んで少しの間は自己を犠牲にしエースを勝たせるという考えにあまり共感できなかったのですが、本を読み進めるにつれそういう考えもロードレースの一環なんだと腑に落ちました。 この本は280ページと厚い本ではありませんが、それを感じさせない充実感が読後にはあります。
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