夜がはじまるとき の商品レビュー
悪夢に嵌る本。「N」「魔性の猫」が良。 「N」強迫性障害患者Nが死亡。医者はNが取り憑かれた幻想調査のため立入禁止区域へ。死の連鎖。 「魔性の猫」殺し屋に殺猫依頼。
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毎回キングの短編集は幅広い読後感を与えてくれるが今回も然り。 文学的な香りすら漂う佳作(「ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で」が素晴らしかった!)を並べて最後に下品を極める「どんずまりの窮地」を置く(しかもこの中では一番の長さ)のもまたキング節。
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短編集。 タイトルがなんか素敵だなと思ったから手に取った。 Nという話が強迫性障害の話で、自分でもばかげてるとわかっているのに数を数えたりするのがやめられないというのが、ほんとにつらそうでかわいそうだった。 魔性の猫という話は猫が好きだから猫の話かとちょっと楽しみにしていたけど読んだら怖かった。人を殺しまくる猫ちゃんの話で、殺し方が残忍だった。でも魔性とかいうと性的な響きがある気がするから魔性の猫じゃなくて悪魔の猫とかにしたほうがいいんじゃないかとは思った、タイトル。 アヤーナという話はグリーンマイルを思い出させる話だった。黒人の女の子がキスしたら病気が治ったという奇跡の話。 どんづまりの窮地という話は簡易トイレに閉じ込められて他人のクソまみれになるっていう描写が汚くて読んでてちょっとやだった。綺麗な話ではなかった… 全体的に読んでて楽しい気分になる話はなかったけどキングの本はまた読もうと思っている。
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神保町の書店で買った選書本。ラッピングされた文庫本の中から、本文から抜き出しされた一文を読んで気になる一冊を選ぶというもの。 「幽霊ならまだいい」という文章に惹かれてこちらを選んだ。 It、スタンド・バイ・ミーなどでキング作品はことごとく挫折してきてるので、正直読み切れるか不安...
神保町の書店で買った選書本。ラッピングされた文庫本の中から、本文から抜き出しされた一文を読んで気になる一冊を選ぶというもの。 「幽霊ならまだいい」という文章に惹かれてこちらを選んだ。 It、スタンド・バイ・ミーなどでキング作品はことごとく挫折してきてるので、正直読み切れるか不安だったけれど、面白い! 「魔性の猫」、「聾唖者」、「アヤーナ」が面白かった。特に魔性の猫は友達にも薦めたほど。 「どんづまりの窮地」はコーヒーを飲みながら読むものじゃなかった……何度顔を顰めたことか…ある種一番こわい。こわすぎる。 キングのあとがきに「私の感じた恐怖をみなさんにおすそわけしたいと思って書いた」とあり笑ってしまった。ふざけんなこのやろう。 最近翻訳物が読めなくなってきていたのだけど、楽しく読めたので嬉しかった。 挫折した作品にももう一度トライしてみようかな。
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何かわからない恐怖が(非現実的)であったとしてもすごくリアルに書かれていてもし自分だったらと考えてしまった。
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初めてのキング 切ない話、奇跡の話、怪異譚、胸糞悪い話と様々な短篇集 『ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で』が好きだった
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翻訳が合わなかった。 複数の翻訳家が手掛けているらしく、話によって表現の自然さに幅がある。原文でも個性的な比喩が頻出しているのが読み取れるので日本語に置き換える難易度が高いのは理解できる。それにしても読みづらい作品は読みづらい。 比較的読みやすかったのが「聾唖者」と「どんづまりの...
翻訳が合わなかった。 複数の翻訳家が手掛けているらしく、話によって表現の自然さに幅がある。原文でも個性的な比喩が頻出しているのが読み取れるので日本語に置き換える難易度が高いのは理解できる。それにしても読みづらい作品は読みづらい。 比較的読みやすかったのが「聾唖者」と「どんづまりの窮地」だ。キングの執拗な心理描写に引き込まれた。とくに「どんづまりの窮地」は読んでて気分が悪くなる。映像化不可能だ。 キング作品の映像化が難しいのは心理描写の書き込みが厚いため、絵面としては何も起きてなかったりするからだろうなぁ。
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―― 中学の図書館という場所と、単行本のITの佇まいがマッチし過ぎてて軽くトラウマになっている。あの真っ黒な表紙。不確かな記憶。 そのイメージもあって、なんとなく語り手が子供の印象が強かったんだけれど、なんとなくそういう守られた怖さ? みたいのとは違う、それでいて身近な恐...
―― 中学の図書館という場所と、単行本のITの佇まいがマッチし過ぎてて軽くトラウマになっている。あの真っ黒な表紙。不確かな記憶。 そのイメージもあって、なんとなく語り手が子供の印象が強かったんだけれど、なんとなくそういう守られた怖さ? みたいのとは違う、それでいて身近な恐怖を味あわせてくれる良作短編集でした。最近のスティーブン・キングってこんな感じ? よきよき。 パンつながり(笑)で読んだので『夜がはじまるとき』を先に手に取ったけれど、折角なので『夕暮れを過ぎて』も揃えます。 いろいろと乗り越えて来た作家だからこそだろう、過酷な状況でも忘れることの無いユーモアが、ホラーの中で必要不可欠な温かみになっていて絶望的な読書感にならないのも流石。 読みやすくて、深みもあって。 それが中毒性のもとなのかしら。 ☆3.4
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短編集。 『N』はわかったような、わかんないような。 他は、まあそこそこ楽しめた。 なかでも、色々な意味ですごいのが『どんづまりの窮地』。すごいというか、気色悪いというか、ゲンナリというか。 こんな小説を書けるのは、キングしかいないだろう。まさに面目躍如。
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原著2008年刊行、比較的新しいスティーヴン・キングの短編集。収録された6編ともホラー・オカルトの系譜に属する(ファンタジーっぽいものもある)。 この中では「N」「魔性の猫」「どんづまりの窮地」が印象的だった。 巻頭の「N」は強迫性障害の症例報告のスタイルで、いつもとは違うメモ書...
原著2008年刊行、比較的新しいスティーヴン・キングの短編集。収録された6編ともホラー・オカルトの系譜に属する(ファンタジーっぽいものもある)。 この中では「N」「魔性の猫」「どんづまりの窮地」が印象的だった。 巻頭の「N」は強迫性障害の症例報告のスタイルで、いつもとは違うメモ書きの文体で始まるために違和感があったが、最後の部分でいつもの、主体のモノローグを組み込んだ生々しい文体に戻る。内容はちょっとラヴクラフト風かもしれない。 最後の「どんづまりの窮地」はなかなかスカトロな光景がおぞましく描かれるので、上品な方は読まない方が良いかもしれない。 いったいに、キングは『ペット・セメタリー』辺りを頂点として、後は下り坂というか、少なくとも自分にとってはあまり満足できないような作風に変貌してゆくのだが、作家の力量としては充実しており、その余裕からこの短編集のような多彩さを醸成することができるのだろう。 視点となる作中人物のモノローグを混合させ、緊迫した読書時間をもっと体感したいのならば、やはり長篇の方が読み応えがあるのかもしれない。
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