TRIP TRAP の商品レビュー
少女から大人へと変化していく過程での、それぞれの今。 物語の中の10年間、色々なことを経験しそれなりに変化があるようで根っこの部分は変わっていない。単なる成長物語で終わらせない人間臭さが、喩え自分の足で歩いているように見えなくても地に足がついてるというか、人間そのものの気がしてく...
少女から大人へと変化していく過程での、それぞれの今。 物語の中の10年間、色々なことを経験しそれなりに変化があるようで根っこの部分は変わっていない。単なる成長物語で終わらせない人間臭さが、喩え自分の足で歩いているように見えなくても地に足がついてるというか、人間そのものの気がしてくる。 いつまで経っても途上にある人間は、それぞれの今に悩み躊躇いながらも寝れば明日がやって来る。そういう美しくない歩き方に共感し、明日の自分を想うことが出来た。
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短編集が繋がってるパターン好きです。 女!って感じの彼氏にべったりな感じが子供出来たことで、あんなにも関係性が変わるんやー 子供に夢持ってたけど、そんな簡単な事じゃなさそ。 彼氏にべったりしないタイプは子供出来たらどーなるん?
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王様のブランチで本人のインタビュー見てから読んだので、コドモが出てくる最後の2編は『今』の金原ひとみが映し出されてるんだなーと感じた。 今後どんな作風に変化していくか期待したい。
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これまで、その毒気を嫌って読まずにいた作家。年末の新聞の書評欄で絶賛されたいたので、ついつい読んでしまった。結局のところ、中学生の頃からラリッてた少女は、大人になってもフラフラしてるってこと? 6編の短編・中編からなる小説集だけれど、「野性時代」に発表されたものを、主人公の成長過...
これまで、その毒気を嫌って読まずにいた作家。年末の新聞の書評欄で絶賛されたいたので、ついつい読んでしまった。結局のところ、中学生の頃からラリッてた少女は、大人になってもフラフラしてるってこと? 6編の短編・中編からなる小説集だけれど、「野性時代」に発表されたものを、主人公の成長過程に沿って並べ変えてある。男に囲われていたヤク中の中学生時代から、高校をドロップアウトしていた時代などなど、、、それぞれ別々に読んでいる内には見えてこない一人の女の子の成長が映し出されてくる。 予想していたほど過激なシーンはないものの、あまりの価値観の違いに少しクラクラ。結局、男に映る自分の姿を確認しながら生きているところは、この主人公、成長しても変わらないんだなあと思った。はたしてこれが絶賛される程の作品なのか疑問なのだが、2010年の第27回織田作之助賞も受賞している。評論家殿は無頼で(?)過激な若い女の毒気に弱いのかな。 他人の評価を信じて読んじゃいけないという、今さらながらの教訓を得たところ。
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久しぶりに純文学で面白いと思った。一人の女性と「旅」との関わり合いの中で視点や考え方がくるくると変わるのが面白い。初めは青春小説の短編集かと思ったが、もっと視野の広い連作短編集だった。私小説なのだろうか? 『蛇にピアス』も読んでみようかと思う。
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彼女の描く狂気的な女性象が大好きでたまらない。 女性ならだれしもが多かれ少なかれ心の奥深くでは持ち合わせているであろう嫉妬やエゴを表現しているあたりがとってもいい! 今回は"旅"をテーマにした短編だけど、あたしもバカンスに出かけたくなりました。笑
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女は人生のうちで 幾度となく旅に出る。 計画された楽しみな旅もあれば 行き当たりばったりの軽い旅や 仕事のために義務感でいく旅もある。 その非日常は女たちに様々な感情を思い知らせる。 グロくてメンタル的にえぐい描写の多い金原さんにしては 落ち着いた作品でした。 ママになったん...
女は人生のうちで 幾度となく旅に出る。 計画された楽しみな旅もあれば 行き当たりばったりの軽い旅や 仕事のために義務感でいく旅もある。 その非日常は女たちに様々な感情を思い知らせる。 グロくてメンタル的にえぐい描写の多い金原さんにしては 落ち着いた作品でした。 ママになったんだってね、金原さん。 私の好きなけだるい言葉遊びみたいな 感情の吐露がないので、評価低め。 好きなのは、“アロハ”かな。 この彼女の気持ちは分かる。 醒めていく人を見ると悲しくなるよね。 あと、“沼津”の女の子みたいな生き方をしてみたかったw 私と正反対の生き方。 でも、彼女の片鱗が私の中にもあることを最近知って愕然としている。 笑い事じゃないな。ほんとに。 少なくともあらゆるものを捨て去って、女は母になる。
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金原ひとみの書く女の狂気は、身近でありながらオーバーで、ちゃんとエンターテイメントしてて、面白い。 いつもエッセイかと思うような作品ばかりなのでこのまま洗練されていくだけの作家だと思ってた。 それが面白いから金原ひとみに新しさは求めてなかったんだけど、新しい金原ひとみを読んでちょ...
金原ひとみの書く女の狂気は、身近でありながらオーバーで、ちゃんとエンターテイメントしてて、面白い。 いつもエッセイかと思うような作品ばかりなのでこのまま洗練されていくだけの作家だと思ってた。 それが面白いから金原ひとみに新しさは求めてなかったんだけど、新しい金原ひとみを読んでちょっと意外に思った。 何かを得た時の諦めとか、幸せとか、そんなものが金原作品で読めるとは思わなかった。 そんな日常を得たとしても、赤ん坊に対しても、ふっと「ああ、彼女だ」っていう瞬間があった。 こうやって、金原ひとみの書く作品でこういう女の人生がずっと続いていくのかと思ったら次にどんな作品が書かれるのか興味がある。
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「ねえ、何しに来たの? 海に」 逃避だよ――。日常から逸脱した旅の果てにあるものとは? 研ぎ澄まされた描写が光る、著者新境地の最新作!
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図書館にて。 この作者はとても正直な人なんだろうと思う。そんなに真摯に自分の気持ちと向き合って辛くないんだろうか。この人の作品はだいたい読んでいるけれど、より現実の生活に近くなってきている気がする。より読むのにきつくなった気はするが、こういう変化は嫌いじゃない。
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