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でっちあげ の商品レビュー

3.9

149件のお客様レビュー

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2020/05/16

マスメディアによる事実の歪曲・印象操作に恐怖を感じた一冊。数々の冤罪事件でもそうだが一旦加害者とみなされた本人が内側からいくら訴えても大きな権力で圧されてしまう。外側からの第三者の疑惑が罪なき人を救うことに繋がる有効なアプローチなので、何が正確な情報なのか見極める努力を怠らない事...

マスメディアによる事実の歪曲・印象操作に恐怖を感じた一冊。数々の冤罪事件でもそうだが一旦加害者とみなされた本人が内側からいくら訴えても大きな権力で圧されてしまう。外側からの第三者の疑惑が罪なき人を救うことに繋がる有効なアプローチなので、何が正確な情報なのか見極める努力を怠らない事が大切だと感じた。 多くの人は浅川和子(仮名)の現在が気になったことだろう。狂言ともいえる妄想で1人の人間の人生を潰そうとした恐ろしい女。実名も公にされておらず、何の罪にも問われていないなんて信じられない。以前からのモンスターペアレント(ツ)には何らかの策を講じるべきだという考えに一層拍車がかかった。自らの教育が上手くいかないことを教師になすりつけてやろうと粗を探し、下品に喚き立てる。よくもまあ子供が子供を作れたものだと思う。そんな保護者のご機嫌とりすら教師の仕事、能力の見せ所というような暗黙の了解があるから年々教員を志望する人が減っていくのだろうな。 そして本書でも中心となるマスコミの罪。川上先生の噂をハイエナのようにいち早く嗅ぎつけ、あることないこと面白おかしく書き立て、プライバシーを侵害した記者らは何ら罰せられないのか。今回の事件に限らず、無礼な奴らは名誉毀損罪で捕まれと心底思う。というと、表現の自由を偉そうに語るのだがそもそも私人間に憲法の条項を適用しようとすることがおかしい。(話題が逸れるのでこのへんで)本当にそんな仕事を夢見て生きてきたのか問うてみたい。 情報を疑ってかかるという意味では先生がどの程度の体罰をしたのか不明瞭ではあるのだが、もう少し体罰の有無、スキンシップの域を出たのか審議して欲しかった。日本の司法機関は国民性を反映するかのように白黒つけるのが本当に苦手なのだなと感じる。先生の発言を信じるならば、実際にしたことより重い体罰をしたと判決文には認められている。「検討中であります」「適切に対処していくつもりであります」等具体的に明言することを避け、中間をとるというのは本当に裁きの概念に合っているのと言えるのだろうか。

Posted byブクログ

2020/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小説のようなスリリングな展開。無実の方が性格が災いしてとんでもない残酷な教師に仕立て上げられる過程が、きちんと描かれている。大手マスコミの報道を鵜呑みにできないと改めて知る良い本。

Posted byブクログ

2020/03/31

在宅ワーク中のため、読書が進みます。 さて、テーマとしては興味深いのだが、書き方?構成?よく分かりませんが、読みづらかった… 結果として流し読みしちゃいました。 いわゆるモンペアなんでしょうが、ここまで凄いのいるの?私、昭和の人間なんで、そもそもモンペアなんて全く皆無でしたが、...

在宅ワーク中のため、読書が進みます。 さて、テーマとしては興味深いのだが、書き方?構成?よく分かりませんが、読みづらかった… 結果として流し読みしちゃいました。 いわゆるモンペアなんでしょうが、ここまで凄いのいるの?私、昭和の人間なんで、そもそもモンペアなんて全く皆無でしたが、ちょっとキチガイですね。 その後よく知りませんが、この夫婦はのうのうと生活してるんでしょうか…

Posted byブクログ

2020/03/21

ノンフィクションの事件ものの書き方は著者によってマチマチ。主観を結構押し付けてくる人や客観情報のみに基づき極力主観を押し付けない人、客観タイプでも、裁判資料や報道記事を元に時系列で網羅的にまとめているスタイルから事件を追っていくスタイルまで様々。それで言うと、本書は、客観的ではあ...

ノンフィクションの事件ものの書き方は著者によってマチマチ。主観を結構押し付けてくる人や客観情報のみに基づき極力主観を押し付けない人、客観タイプでも、裁判資料や報道記事を元に時系列で網羅的にまとめているスタイルから事件を追っていくスタイルまで様々。それで言うと、本書は、客観的ではあるが、裁判資料から明らかになった情報を事細かに再現していくスタイルで、詳細を知りたい人にはおすすめだが、文章の面白さに欠け、結構読み進めるのが辛かった。

Posted byブクログ

2020/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かったです。 どっちの立場に立つかで物の見方は変わってくる。 当初の報道は全て児童側の立場に立った報道。あまりにも面白おかしく教師側のイメージを作り上げすぎた。 一方でこの本の著者は教師側の立場で書かれている。 この先生にとって、この本は命を救う程の物とも言えるでしょう。 ただ、ほほをつねるだけでも、大人は弱くやっているつもりでも、 子供は意外と痛みを感じているようです。(わが子との経験。わが子ごめん。) 裁判等で明らかになっていく児童側の両親の異常性は疑いようもなく、ターゲットとなってしまったこの先生は気の毒としか言いようがないものの、子供経ちに全く何も無かったと主張するのはまた違うような気もする。 いろいろ考えさせられるということがこの本やルポの意味でもあるのだろう。 なんにせよ、自分がこの教師の立場だったら、と考えると、下手なホラーより怖い。 追記で後日談もわかり、今のタイミングで読んでよかったです。

Posted byブクログ

2020/01/25

2003年に起きた福岡市「教師によるいじめ」事件の顛末を追ったドキュメント。 でっちあげられた「教師によるいじめ」により「史上最悪の殺人教師」とまで呼ばれた担当教諭を軸に事件の実像が書かれています。 担当教諭がでっちあげられたいじめにより追い込まれる様子は、著者の言うとおり「寝...

2003年に起きた福岡市「教師によるいじめ」事件の顛末を追ったドキュメント。 でっちあげられた「教師によるいじめ」により「史上最悪の殺人教師」とまで呼ばれた担当教諭を軸に事件の実像が書かれています。 担当教諭がでっちあげられたいじめにより追い込まれる様子は、著者の言うとおり「寝覚めの悪いホラー」です。 でっちあげで周囲を混乱させるモンスターペアレント。事なかれ主義どころか、自己保身に走り出す教育現場。芯のない性格が災いして周囲に迎合した結果、さらに悪い状況に追い込まれる担当教諭。でっちあげられた「物語」を鵜呑みにして「己が正義」を果たそうとするマスコミや弁護士たち。 本書に描かれていることは特殊なことではありません。明日は私たちが巻き込まれる可能性は十分にあるのです。巻き込まれないためには、本書を読んで、どうすべきかを自分で考えるのが一番です。

Posted byブクログ

2020/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

教師によるいじめで息子が重度のPTSDになったと両親が訴えた事件。報道では自殺も強要していたとされ、「殺人教師」とまで呼ばれる。その事件の真相が、民事裁判で明らかになってゆく。 虚偽の申告を鵜呑みにする小学校校長、教育委員会、息子をPTSDと診断した医者、弁護人550人…。 「ヤバイ」親の言うことを信じて、権威や教養もあるだろう人間たちが手中に嵌められてしまうのは、なぜなんだろう。 マスコミのメディアリンチもひどい。事実を公平に報道する立場より、世論から注目されそうなネタ、事実はなんだっていい。スキャンダル性が高い、よりショッキングなネタを垂れ流す。そんな姿勢が伺える。 私もどこかの会社だったり、局だったりの元配信されるニュースは話半分で聞いておかないとと思う。誰かの主観が入った時点でニュースというより断罪ありきの報告書だと思う。

Posted byブクログ

2019/12/15

親から、「先生がうちの子をいじめた!」と訴えられて、適切な対応ができなかったために、泥沼にハマっていった恐ろしい事件の真相をまとめたルポ。 「担任の先生が児童に暴言を浴びせ、不登校においやっていた!」と、新聞・テレビが騒ぎ立て、学校は大変なことになる。当事者の担任は、殺人教師呼ば...

親から、「先生がうちの子をいじめた!」と訴えられて、適切な対応ができなかったために、泥沼にハマっていった恐ろしい事件の真相をまとめたルポ。 「担任の先生が児童に暴言を浴びせ、不登校においやっていた!」と、新聞・テレビが騒ぎ立て、学校は大変なことになる。当事者の担任は、殺人教師呼ばわりされる。 よく読んでみると、そんな単純な話ではないし、ここに書いてあることが本当なら、担任の先生は「いいえ、私は絶対にそんなことはしていません!」と最初にきちんと断言できなかったのが間違っていただけで、全然悪い先生はないけど、とにかくマスコミとモンスターペアレントの餌食にされて大変なことになる。 教員としては、子どもや親から「それは体罰だ」「暴言だ」と受け取られかねないことは、指導の一環であってもぜったいにやってはいけないという教訓になる。一市民としては、「マスコミがセンセーショナルに騒ぎ立てることはほぼ嘘だ」という教訓になる。 殺人教師とまで言われた先生が、裁判の末、名誉が回復できたことは良かったとは思うが、現実として非常に残念なのは、「本当はそんな先生じゃないはず」「あの保護者は大げさだし、いつも嘘ばっかり言ってる」と周りの保護者の多くが思っているのに、みんな、そのオカシイ人からの報復を恐れて何も言わなかったということ。ほとんどの人が、「かかわりたくない」「わが子が大事」と思って沈黙を貫いている。正しいことを正しい、おかしいことをおかしい、と言えない、言わないのは間違っていると思う。でも、もし自分でもまず一番に「かかわりたくない」と思うだろう。 だからこそ、マスコミには正しい報道をしてほしい。個人を特定するような形で面白おかしく大げさに報じたり、保護者と学校のトラブルを、だいたい常に学校を悪者にしたてて報じるのは本当に気を付けてほしい。

Posted byブクログ

2019/10/03

ミッキーマウスなどの名称の体罰のインパクトが強く、報道された当時の事は覚えていたが、両親、子の虚言によるものだったとは知らなかった。 裏付け調査を怠ったマスコミの一方的な報道も怖い。 教師の家族が信じ、家庭崩壊にならなかったのが救い。

Posted byブクログ

2019/09/18

福岡市の小学校で起きた、教師による児童へのいじめと報道された事件が、実は児童の母親の虚言だったという事件の真相に迫った本。 この事件は報道された2003年当時自分は福岡に住んでいたので、この事件は報道で見聞きしているはずだが実は全く記憶になかった。 この本を知ったのは、「武田...

福岡市の小学校で起きた、教師による児童へのいじめと報道された事件が、実は児童の母親の虚言だったという事件の真相に迫った本。 この事件は報道された2003年当時自分は福岡に住んでいたので、この事件は報道で見聞きしているはずだが実は全く記憶になかった。 この本を知ったのは、「武田鉄矢の3枚おろし」をポットキャストで効いて興味を持ったので図書館で借りた

Posted byブクログ