リア王(訳:斎藤勇) の商品レビュー
ケントのリア王に対す…
ケントのリア王に対する思いが泣かせます。有名な話ですし、読んでおいて損はありません。
文庫OFF
シェイクスピア四大悲…
シェイクスピア四大悲劇の一つ。古代ブリテン史のひとこまに材をとった、シェイクスピアの作品中もっとも壮大にして残酷な悲劇。父親って・・・。
文庫OFF
シェイクスピア四大悲…
シェイクスピア四大悲劇の一つ。読んどきましょう。
文庫OFF
とても残酷です。。。…
とても残酷です。。。。かなり重い。。。。
文庫OFF
戯作調なので読むのは…
戯作調なので読むのは大変です。結局もっと簡単にした子供向け全集でようやく話が分かった作品。話自体は家族の勝手と悲哀を書いているので読んでいて同情したり腹が立ったり、でも人間っていつの時代も変わらないなーと思ってしまいます。
文庫OFF
350P ウィリアム・シェイクスピア イングランドの劇作家・詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、もっとも優れているとされる英文学の作家。また彼の残した膨大な著作は、初期近代英語の実態を知るうえでの貴重な言語...
350P ウィリアム・シェイクスピア イングランドの劇作家・詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、もっとも優れているとされる英文学の作家。また彼の残した膨大な著作は、初期近代英語の実態を知るうえでの貴重な言語学的資料ともなっている。 リア王 by シェイクスピア、大山俊一 【エドマンド】 正しいことをしていながら 悔やまなければならないとは、私の運命は何と意地悪なのでしょう! これが父の手紙です。これで父がフランス側の利便をはかるスパイであることがわかります。おお天よ! こんな 謀叛 があろうとは! しかもその発見者がこの私であろうとは! 【オールバニ】 おおゴナリル! 君は荒々しい風が君の顔に吹きつける 塵 ほどの 価値もない。わたしは君という人間の人柄が恐ろしい。 生みの親、 大本 を ないがしろ にするような性格は、 それ自身の枠内にとどめておくことは大変にむずかしい。 自分の 生命 を養っている樹液の本、大木の幹から 自分を引き裂き、切り離せば、枝葉は枯れ 萎むに決まっている。 かくして 薪 になり、 果 は 焚かるるなり。 【オールバニ】 英知も美徳も心 悪しき者には 悪しざまに見える。 汚れた人間は汚れた味しかわからない。君らは何ということをやったのだ! 虎だ、娘ではない、君らは何ということをしでかしたのだ! 父親を、心の優しい老人を……首根っこの 鎖 で引き回される熊でさえ、 手を 舐めて大いに敬意を表するだろうこの老人を…… 何たる野蛮、何たる極道! その年寄りを気違いにしてしまった。 わが弟のコーンウォルがそのようなことを黙認したとは考えられない。 老王にあれほどの大恩ある男として、王侯貴族として! もし天がこれら非道の 罪人 どもを 非道 い目にあわせるために、 しかと目に見える形で天使たちをすみやかにお 遣わしにならないようなら 必ずや起こる、 すべての人類が 獰猛 な動物となり、互いに相手を食い合うようなことが。 ちょうど深海の怪物のように。 【ゴナリル】 グロスター、 謀られたのです。 戦いの定めによれば、あなたは名も知れぬ 輩 などを 相手にする必要は毛頭なかったのです。あなたは負けたのではありません、 ペテンにかけられたのです、 騙されたのです。 ある。『リア王』は王リアの「自己発見の歴史」と見る批評家もいる。簡単なものから複雑なものまで実に千差万別である。そして言えることは、これらの見方のいずれもが、たしかに『リア王』の一側面を捕え得ているということである。さらに大まかな言い方をすれば、『リア王』はこれら多くの問題点、視点のすべてを含んだ巨大な複合体というようにも言い得るかもしれない。そういう意味では、『リア王』のような大作では、いかなる批評、解説も不当な単純化にすぎず、『リア王』という巨大なエネルギーの 坩堝 に投げこまれる一要素にすぎないといえるかもしれない。 『マクベス』のパラドックスは門番のいう「ぼかし屋」の論理であり(二幕三場七行)、『マクベス』の悲劇はこれに悪乗りした男の悲劇である。『マクベス』あたりになるとジェイムズ王朝も相当に板に付いたという感じだ。しかしジェイムズ王朝人としての作家シェイクスピアの最も重要なポイントは、シェイクスピア自身はこの「ひねり」に悪乗りするようなことは決してなかったということだ。エリザベス朝人シェイクスピアだろうが、ジェイムズ王朝人シェイクスピアだろうが、彼にはいつも 人間性 の背骨が一本しっかりと通っていた。そのことが同時代の数多くの作家たちとシェイクスピアとをはっきりと区別していた。
Posted by
シェイクスピア作品を読んでみたくて手に取った一冊目。 何か壮大なものを感じながらも、自分の読解力では情景をイメージしにくく、ピンとこなかった。 悲劇というか、リア王も因果応報だろうなと思い、特に共感もできませんでした。
Posted by
今まで読んだシェイクスピアの戯曲の中では、ダイナミックで波瀾万丈。深い。でも戯曲は読みにくい。人物一覧を繰り返し参照しながら読み進む。
Posted by
リア王は立派な王だと思って読んでみたが、少しも立派ではなかった。いわゆる一人の父親であり、遺産を娘たちに分与する資産家に過ぎなかった。 リア王以外に立派な人がいたかは難しい。遺産を拒んだコーディーリアか、王に苦言申し上げたケント伯だろうか。でも、結局、いなかったのかもしれない。...
リア王は立派な王だと思って読んでみたが、少しも立派ではなかった。いわゆる一人の父親であり、遺産を娘たちに分与する資産家に過ぎなかった。 リア王以外に立派な人がいたかは難しい。遺産を拒んだコーディーリアか、王に苦言申し上げたケント伯だろうか。でも、結局、いなかったのかもしれない。立派さに力点をおく作品ではないから。強いて言えば、あの嵐が立派だったのかもしれない。 序盤は話がぶつぶつして煮え切らないのが、グロスター伯の目が潰れた辺りから、急速にまとまっていく展開だった。最後は悲劇ということらしいのだが、そして、誰も居なくなったわけでもないので、喜劇になりそうな気もする。まぁ、リア王にとっては悲劇だとしても。
Posted by
「風よ、吹け、お前の頬ははちきれろ、荒れろ、吹け。("Blow, winds, and crack your cheeks! rage! blow!")」(第三幕第二場) シェイクスピアの四大悲劇の1つ。 その悲劇の内、最も悲壮、最も大規模と言われる。 ブリ...
「風よ、吹け、お前の頬ははちきれろ、荒れろ、吹け。("Blow, winds, and crack your cheeks! rage! blow!")」(第三幕第二場) シェイクスピアの四大悲劇の1つ。 その悲劇の内、最も悲壮、最も大規模と言われる。 ブリテン王リアは年老い、領地を3人の娘らに分配しようとする。 上の2人の娘ゴネリルとリーガンはここぞとばかりにおべっかを使う。末娘で最もかわいがられていたコーディーリアは、深い孝心を持つにも関わらず、姉らのようにふるまうことをよしとせず、そっけない受け答えをする。これに激怒したリアは、姉2人に領地を与えたうえ、末娘を勘当する。彼女の心立てに感銘を受けたフランス王は妃として娶ることにする。 一方、リアはまもなく、姉娘らからひどい仕打ちを受けるようになり、供のものを減らされた上、追放同然に放り出される。 荒野で、リアは暴風雨と闘う。それが冒頭の引用部分。 苦悩に沈むリアは発狂する。 リアの窮状を知ったコーディーリアは、父を救おうとフランス軍を率いてブリテンに向かう。父娘の絆は再び結ばれたが、しかし、武運つたなくフランス軍は敗れ、リアとコーディーリアは捕虜となる。挙句、コーディーリアは絞殺され、リアは息絶えた娘を胸に抱いて絶命する。 何とも救いのない話である。 娘たちも腹黒いのだが、陰に暗躍するものがもう1人いる。 リアの元側近グロスター伯の庶子であるエドマンド。 父伯爵に嫡子エドガーが謀反を企てていると吹き込み、追い払わせる。一方で、既婚者のゴネリル・リーガンの両方を誑かす。グロスター伯はエドマンドの奸計が元で、リーガンの夫コーンウォル伯に両眼をえぐり取られる。 エドマンドは野心家で、どこか『オセロー』のイアーゴも思い出させる。欲得ずくだけではない。彼には明確な悪意がある。単に自身を引き上げるのではない。他を引きずり降ろして自身がその場を占めるのだ。その相手に向けられる、冷ややかな確固とした悪意。 もう何だかどこまでも悲惨である。 最終的にはゴネリルもリーガンも死ぬ。エドマンドもコーンウォル公も非業の死を遂げる。 ゴネリルの夫のオールバニ公だけは心底悪人ではなかったようで、彼がこの後のブリテンを統べていくようである。 何だろう。リアはどこで間違ったのだろう。 頑固で癇癪もちの性格が災いした? 姉たちの甘言を信じて王国を手放してしまったのがよくなかった? かわいがっていた末娘の本心を見抜けなかったのが不運だった? でもコーディーリアも変に意地を張るのもおかしいし、さらには邪だとわかっている姉たちに老父を委ねるのは軽率じゃないか? 本当の孝行娘なら止めるべきだったのでは? つらつら考えているうちに、でも何だかこれは必然だったのかなぁとも思えてくる。必然というか、運命というか。人生、思った通りに進まないことなんかよくあることではないか。 リアは娘に、グロスター伯は息子に、完膚なきまでに打ちのめされる。 正しい心の子どももいたのに。取り立てて愚かでも悪人でもないのに。 子どもの育て方を誤ったといえばそうなのかもしれないが、それにしても手ひどい。 嵐。嵐。嵐が吹き荒れる。 その中にリアは立つ。 負けるとわかっていても。勝てぬとわかっていても。 止める道化の言葉も聞かず。 それが死すべき身の人間に宿るわずかな尊厳だとでもいうように。 痩せた身体が、荒野にそびえ立つ。 *1948年初版、斎藤勇訳版
Posted by