カラーひよことコーヒー豆 の商品レビュー
ダイジョウブ! あなたのことを見ていてくれる人がきっといます-。作家・小川洋子による、泣きたいほど優しい気持になれる、愛に充ちたエッセイ集。『Domani』連載に書下ろしを加えて書籍化。 優しい気持ちになれる本。 私もなかなか大人になれない…。
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雑誌「Domani」に連載していたエッセイ集で、大人の女性や働く女性に対するお話も多い。 小川さんの人柄が好きになり、その作品に触れたくなった一冊。 小川さんは、道行く様々な人の背後にある暮らしや仕事、人生を想像し、尊敬と愛情の目で世の中を眺めている。小川さんの手にかかれば、...
雑誌「Domani」に連載していたエッセイ集で、大人の女性や働く女性に対するお話も多い。 小川さんの人柄が好きになり、その作品に触れたくなった一冊。 小川さんは、道行く様々な人の背後にある暮らしや仕事、人生を想像し、尊敬と愛情の目で世の中を眺めている。小川さんの手にかかれば、どんな人生もどんなに慎ましい暮らしも、掛け替えのない物語に溢れた素晴らしい人生に思える。 小川さんの小説の源泉はこういう愛情溢れる心なんだなと思って尊敬するばかり。 毎日新聞からのエッセイ「とにかく散歩いたしましょう」を読んだ時にも感じたけれど、話中で紹介される本が、今回も自分の好きな本ばかりで嬉しくなる。枕草子や錦繍や思い出トランプや…名作ばかりだから一致して当たり前かも知れないけれど、またしても小川さんと気が合うような気がした。しかもタイガースファンだし。 書き留めておきたい一節は「ただごとではない人生」という話から。 ”若い時は大いばりで生きていればいい。少しずつ、(人生が)ただごとでないのが分かってくる。何の前触れもなく、静かに試練はその人の背中に舞い降りてくる。仕事で取り返しのつかない失敗もするだろう。大事な人を失うこともあるだろう。でも慌てる必要などない。必ず救いの道は用意されていて、それを探すことこそが、生きることなのだから。”
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※このレビューにはネタバレを含みます
センター試験演習でカラーひよこが出る小説を読み、それを探していたので「もしやこれは!」と思って手に取ったが、(案の定)違った。あぁでも小川洋子か、『博士の愛した数式』何年前に読んだんだろうとノスタルジアもあり、図書館からお持ち帰り。 エッセイって、書く人と自分の相性が合わないと面白く読めないと思うのだけど、小川さんはドンピシャに合っていた。 のほほんとしたイメージを勝手に抱いていたのだが、力強い文体、そしてこの人は私のフェミニズムを体現しているなぁと様々な要素が重なる。寝る前に3,4編ずつ読んでいただけだが、読了して、一気にぶわぁっと重みが来た。爽やかだけど、重量がある感じ。少なくとも私にとっては。私の中の何かと呼応し、また私の一部となっていく。そんな本と出会えたようだ。手元に置いておきたいと思いつつ、貸出期限が切れ(しーっ!)、今日返却しにいく。でも、なんだか長い付き合いになりそうだ。
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小川洋子さんのエッセイ「カラーひよことコーヒー豆」、2009.12発行です。29編のエッセイが収録されてます。小川洋子さん、エッセイにも「キレ」があります!29番目のエッセイは「理想の一日」です。小川洋子さんの理想の一日は、小説を書き、犬と散歩し、タイガースを応援することだそうで...
小川洋子さんのエッセイ「カラーひよことコーヒー豆」、2009.12発行です。29編のエッセイが収録されてます。小川洋子さん、エッセイにも「キレ」があります!29番目のエッセイは「理想の一日」です。小川洋子さんの理想の一日は、小説を書き、犬と散歩し、タイガースを応援することだそうです。この3つさえあれば十分、他には大した望みはないとのこと。小説をウォーキングに、犬が猫に、タイガースがカープに・・・、私の一日に~(^-
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エッセイ集。2006.10~2008.9『Domani』掲載。 美しい日本語と、的確な言葉で綴られる日常。 読んでいると、陽だまりで休んでいるような穏やかな気持ちなれる。
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小川さんの日常を綴ったエッセイ とても控えめなお人柄が伺えます 書下ろしの「ジュウシマツの芸術」がお気に入り 鳥には興味がなかった小川さんがジュウシマツの生態に感銘を受ける件がいい 小川さんの「芸術」に対する考え方が伺える ジュウシマツは求愛のために歌の練習をし本番に挑む 練習と本番では遺伝子の発現パターンが異なるらしい さらに、究極の歌をうたうオスが出現する、そのオスは メスには求愛せず、自分の歌に聞きほれ満足する 「求愛という目的が消え去り、ただうたうためだけの歌、つまり芸術がここに誕生する。(中略)孤独を愛し、より繊細な美を追い求め、いつしかそれを芸術にまで高めることのできる彼ら。誰に自慢するでもなく、ひっそりとその美に酔いしれる彼らに対し、尊敬の念さえ湧いてくる。」
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犬好きでタイガースの熱狂的なファン、どこにでもいそうなどちらかといえば垢抜けないおばさん。 レジに並ぶときはもたもたして後ろの人に舌打ちされないように万全と小銭の準備をし友達と食事した後に喋りすぎたのでは?と不安になる。 なるべく世間の端っこで生きるよう努力しながらおこがましい気...
犬好きでタイガースの熱狂的なファン、どこにでもいそうなどちらかといえば垢抜けないおばさん。 レジに並ぶときはもたもたして後ろの人に舌打ちされないように万全と小銭の準備をし友達と食事した後に喋りすぎたのでは?と不安になる。 なるべく世間の端っこで生きるよう努力しながらおこがましい気持ちで小説を書いている。 でもね小川さん、神様はあなたの小説の才能に特別な計らいをされているのですよ、多くの人が感動するカレンの歌声のようにあなたの本を読むことは私たちにとって至福の喜びなのです。 いつか阪急電車でお会いしたらお礼を言おうと密かに思ったりしています
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毎日の中でスルリと零れてしまいそうなひとコマを 大切に丁寧に書かれたエッセイたち。 不平不満をこぼさず、たくさんのことを じっと我慢して超えてこられたお料理の先生の 謙虚な笑顔と誠実な人柄のお話。 大好きな須賀敦子さん、堀江敏幸さん、 柴田元幸さんの話もうれしく、 「枕草子」...
毎日の中でスルリと零れてしまいそうなひとコマを 大切に丁寧に書かれたエッセイたち。 不平不満をこぼさず、たくさんのことを じっと我慢して超えてこられたお料理の先生の 謙虚な笑顔と誠実な人柄のお話。 大好きな須賀敦子さん、堀江敏幸さん、 柴田元幸さんの話もうれしく、 「枕草子」に対する想いに、そうそう!と うれしくなったり。 人を結びつける本の話もとても素敵だった。 同じ本を読んでいるだけで、とても話が弾んだり 言葉にできない深い繋がりを感じたりする。 読書ツールでの出会いも然り。 たかが1冊、されど。 人との縁、結びつき、大切にすること、 丁寧に続けていくこと、楽しむこと。 たくさんの優しさに心が柔らかくなる読後でした。
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なんでいままで小川洋子さんの本を読まなかったんやろうと後悔。 どのエッセイからも小川さんの優しさと知的さが伝わってきて、ホッとできます。 いまごろですが『博士の愛した数式』も読んでいて、なんでいままで読まなかったんやーと、さらに後悔。すっかり小川洋子ファンです。
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日常にそっと暖かみをくれる、そんなエッセイ。悪口も言ったりするようなことも書いてありましたが、悪ぶってもそんなの可愛いものです。著者のふんわりしたあったかいイメージは変わりません。微笑ましいだけではなく新しい視点を与えてくれるのは、やはり人生の先輩。思わずうなってしまうお話もあり...
日常にそっと暖かみをくれる、そんなエッセイ。悪口も言ったりするようなことも書いてありましたが、悪ぶってもそんなの可愛いものです。著者のふんわりしたあったかいイメージは変わりません。微笑ましいだけではなく新しい視点を与えてくれるのは、やはり人生の先輩。思わずうなってしまうお話もあり、味わい深いエッセイでした。
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