パイは小さな秘密を運ぶ の商品レビュー
何者かの手でコシギの死体が戸口に置かれたことを発端に、フレーヴィアの父の周辺からは、次々と過去に絡む不穏な出来事が露見していく。殺人事件に挑む探偵役は、利発で行動的で愛らしく、ちょっと小生意気な11歳の女の子。時々(無謀で、そのうえ歯止めがきかなくて!)危なっかしいけれど、化学と...
何者かの手でコシギの死体が戸口に置かれたことを発端に、フレーヴィアの父の周辺からは、次々と過去に絡む不穏な出来事が露見していく。殺人事件に挑む探偵役は、利発で行動的で愛らしく、ちょっと小生意気な11歳の女の子。時々(無謀で、そのうえ歯止めがきかなくて!)危なっかしいけれど、化学と毒物には非常に造詣が深く、なかなか侮れないのです。読んでいると、しみじみ警部補さんの気持ちが分かるような気がします(笑)。
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気難しい父親と、少し年の離れた姉2人と一緒に古い館に住んでいる11歳のフレーヴィア。姉たちは男の子にピアノ、それに文学に夢中ですが彼女が好きなのは化学。とりわけ毒物には興味があり亡き母親の部屋だったという実験室で植物から毒を蒸留したりしています。ある朝キュウリ畑で男が倒れているの...
気難しい父親と、少し年の離れた姉2人と一緒に古い館に住んでいる11歳のフレーヴィア。姉たちは男の子にピアノ、それに文学に夢中ですが彼女が好きなのは化学。とりわけ毒物には興味があり亡き母親の部屋だったという実験室で植物から毒を蒸留したりしています。ある朝キュウリ畑で男が倒れているのを見つけ近寄ると「ワーレ!」と謎の言葉を発して死んでしまったのですが、前の晩に口論をしていたからと父親が逮捕されてしまい、、、。11歳のちょっと変わった女の子が事件解決のために奮闘するお話です。殺人事件解決と同じ熱心さでイジワルな姉たちに仕返ししようとするあたりが楽しく、続編が楽しみです。
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化学が大好きな11歳の少女が、殺人の容疑者として逮捕されてしまった父親を守るために犯人捜しに乗り出す。 主人公のフレーヴィアがとにかく個性的。化学実験が大好きとあって、そこここに科学の知識がちりばめられている。読むのにちょいと邪魔なようにも思うけど、キャラクタ描写としてはいい感...
化学が大好きな11歳の少女が、殺人の容疑者として逮捕されてしまった父親を守るために犯人捜しに乗り出す。 主人公のフレーヴィアがとにかく個性的。化学実験が大好きとあって、そこここに科学の知識がちりばめられている。読むのにちょいと邪魔なようにも思うけど、キャラクタ描写としてはいい感じだ。 この少女の目を通して事件を見ていくのだけれど、きちんとミステリになっているのに不自然ではなくって、フレーヴィアの驚き、戸惑い、興奮、喜びなんかがリアルに伝わってくる。 そしてかなり突飛ではあるものの、非常に魅力的な少女になっている。 この話を書いたのが70歳の作者というあたり本当にすごいなぁ。別の話を書いている最中にたまたま作ったフレーヴィアのキャラクターに引きずられるようにこの話を書いたそうだと訳者のあとがきにあったけれど、こんな少女がいたら彼女の話を書かずにはいられないよなぁ。それはよくわかる。 フレーヴィアを書くためにあと5冊の刊行を考えているそうだ。 ミステリ部分もきちんと作られていて好感が持てる。続編も大変楽しみ。
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