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球体の蛇 の商品レビュー

3.4

184件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

    83

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

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2013/01/20

人間の暗い部分を徹底的に描いているからかえって共感できる。 些細な過ちや嘘や欺瞞が積み重なって、深い悲しみや後悔、罪悪感に変わっていく様がとても恐ろしく切なく感じられた。 それでもこの作品は救いの物語なんだと思う。 道尾さんの作品の中で一番好きなのだが、いまいち評価されていないの...

人間の暗い部分を徹底的に描いているからかえって共感できる。 些細な過ちや嘘や欺瞞が積み重なって、深い悲しみや後悔、罪悪感に変わっていく様がとても恐ろしく切なく感じられた。 それでもこの作品は救いの物語なんだと思う。 道尾さんの作品の中で一番好きなのだが、いまいち評価されていないのがちょっぴり不満だったりもしてる。

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2013/01/11

何の巡り合わせか、こんなにも繋がるなんて!!と、やられた感満載♡途中暗く沈んで読みにくいかもと思ったけど、最後の最後でほっこりした感が味わえた(○´∀`○)

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2013/01/04

悲しい勘違いが悲しい出来事を引き起こす。一つの勘違いがまた新たな誤解を生んで、結局みんな悲しいだけだ。誰かが素直になっていれば防げたのかな。すごい悲しい。正直でありたい、正直に生きたいって思う。まあ難しいんだろうけどね。

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2013/01/03

道尾作品の中では特別印象的な作品ではなかったかも。 一人称が「私」だから、例え大人になった友彦の語りだとしても、これはきっと友彦に見せかけたトリックだ!と、穿った見方をしてしまった。 この作品に限ってはもっと素直に読めば良かったなぁと思いました。 ただラストは全体的に丸く収まっ...

道尾作品の中では特別印象的な作品ではなかったかも。 一人称が「私」だから、例え大人になった友彦の語りだとしても、これはきっと友彦に見せかけたトリックだ!と、穿った見方をしてしまった。 この作品に限ってはもっと素直に読めば良かったなぁと思いました。 ただラストは全体的に丸く収まって個人的にはハッピーエンドだと思うので読了感は悪くないです。 智子に関してもナオの嘘だったとあたしは解釈してるので、これからの友彦とナオが幸せであれば良いなぁと。 あたしが女だからかもしれないけど、智子がそれほど魅力的な女性に見えなかったのがちょっと残念かな。

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2012/12/30

面白い。 感想としては、よくできた話だな~って。 最後に「あの人」の影を見るところ、生死がはっきりしてないが、読者は必ずハッピーエンドを考えてしまうはず。 切ない話

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2012/12/14

大どんでん返しの痛快ミステリーかと思いきや。 むしろ純文学的なノリの暗さ! 両親に愛されず、隣人に育てられる主人公友彦君の屈折人生の始まり始まり~。 隣人家族は父親乙太郎さん&母親(のち死亡)&サヨ・ナオ姉妹で構成。 姉のサヨは少女の喉に割り箸刺したり、 テントの中で花火をやろ...

大どんでん返しの痛快ミステリーかと思いきや。 むしろ純文学的なノリの暗さ! 両親に愛されず、隣人に育てられる主人公友彦君の屈折人生の始まり始まり~。 隣人家族は父親乙太郎さん&母親(のち死亡)&サヨ・ナオ姉妹で構成。 姉のサヨは少女の喉に割り箸刺したり、 テントの中で花火をやろうとして火事になったり。 (その後サヨは首吊り自殺) 友彦君は気になる女性・智子さんの性行為を盗み聞きするために、 民家の軒下に忍び込んだり、 養父の乙太郎さんと智子さんの最中に遭遇しちゃったり。 結局意中の智子さんともくっつきかけてダメになるし。 トラウマになりそうな屈折した青春時代を過ごす訳ですが、 さすが道尾秀介。落しどころというか、物語の着地点はくやしいが上手い。 そもそもタイトル「球体の蛇」とは、 サン・テグチュべリ作の「星の王子様」に登場する、 ”象を飲みこんだウワバミ(蛇)”からきていて、 人間も色々な嘘を飲み込んで生きていることを例えていますが、 妹ナオのついた嘘、それが彼女の妊婦のお腹と重なって、 友彦の空想で終わらない、本当に嘘だったのかどうか、 答えを読者に委ねる物語となり、 それを最後の最後に提示するあたりはお見事。 最後のワンフレーズも前向きであるはずなのに、切なさを感じるから不思議です。

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2012/11/22

2012.11.21読了。友彦、乙太郎、ナオ、智子。 姉が死んだのは誰のせいだ。繋がる繋がるっておもしろくなってきた。ハッピーエンドなんだろうか。

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2013/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(102) 道尾氏の本はタイトルや装丁が見事なものが多いが、 その中でも秀逸! 朝靄の中を延々と歩き続けるような薄暗い世界観の中に、 淡々と綴られる嘘か真実かわからない記憶。 いくつか「?」と首をかしげる記述もあるけれど、それは私の読解力が低いということで。 文体の美しさ、子供から大人へと変わる心情描写や隠喩は相変わらずお見事です。 事件だったり、臨場感溢れる派手な小説ではなくとても静かな作品でしたが、私は改めて道尾秀介という作家が好きだなーとしみじみ思いました。 でも、やっぱり変態ですよね?道尾さんってば。 スノードームとか、ウワバミとか、見事な例えだな。 私もきっと、時には中から、そして時には外から眺める自分の何かが、 そして吐き出せずに飲み込む何かを抱えながら生きているのだろう。

Posted byブクログ

2012/11/06

道尾秀介らしい静かな暗さの中に、覗きたくない恥ずかしさがある。最後までそのままだったな。微かな救いがあるような無いようなあやふや感も魅力。しかし床下に忍び込んでた日々は主人公の中で思い返すとぎゃーっとなる恥ずかしい過去になってない事が怖い。

Posted byブクログ

2012/10/16

私は、隣家の乙太郎さんとナオと、家族のように暮らしていた。母は家を出ていき、父と暮らすことを拒否した私を、乙太郎さんが受け入れたのだ。乙太郎さんの妻も、ナオの姉のサヨも、死んでしまってもういない。 17歳の私は、乙太郎さんの仕事の手伝いで、サヨによく似た女性に出会う。私は、その女...

私は、隣家の乙太郎さんとナオと、家族のように暮らしていた。母は家を出ていき、父と暮らすことを拒否した私を、乙太郎さんが受け入れたのだ。乙太郎さんの妻も、ナオの姉のサヨも、死んでしまってもういない。 17歳の私は、乙太郎さんの仕事の手伝いで、サヨによく似た女性に出会う。私は、その女性にひどく惹かれていくのであった。 相変わらずえぐくて暗い。 全部私のせいだっていう思い込み?罪悪感?はいかにもそれくらいの歳の子が持ちそうな感情で、その後の行動も、私じゃなくても同じようにしただろうなぁ。 その歪みをじっくり書いているので、読んでいると哀しくなる。 救いようがないけど、そろそろ引きずるのをやめて、少しでも幸せになっていたらいいなぁと思う。

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