球体の蛇 の商品レビュー
1992年秋。17歳だった私・友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。主人の乙太郎さんと娘のナオ。奥さんと姉娘サヨは7年前、キャンプ場の火事が原因で亡くなっていた。どこか冷たくて強いサヨに私は小さい頃から憧れていた。そして、彼女が死んだ本当の理由も、誰にも言えずに胸に仕...
1992年秋。17歳だった私・友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。主人の乙太郎さんと娘のナオ。奥さんと姉娘サヨは7年前、キャンプ場の火事が原因で亡くなっていた。どこか冷たくて強いサヨに私は小さい頃から憧れていた。そして、彼女が死んだ本当の理由も、誰にも言えずに胸に仕舞い込んだままでいる。乙太郎さんの手伝いとして白蟻駆除に行った屋敷で、私は死んだサヨによく似た女性に出会う。彼女に強く惹かれた私は、夜ごとその屋敷の床下に潜り込み、老主人と彼女の情事を盗み聞きするようになるのだが…。呑み込んだ嘘は、一生吐き出すことは出来ない―。青春のきらめきと痛み、そして人生の光と陰をも浮き彫りにした、極上の物語。 《2009年11月25日 読了》
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文句なく素晴らしい作品です。 自信を持って勧める事が出来ます。 こんなにも切なく、悲しく、やるせなくなるとは。。 ほんとに極上の物語です。 魂を揺さぶる最新最高到達点でした。 最初から道尾秀介ワールド炸裂でした。 読んでいて、あぁこの流れがすきなんだよねぇ。 ...
文句なく素晴らしい作品です。 自信を持って勧める事が出来ます。 こんなにも切なく、悲しく、やるせなくなるとは。。 ほんとに極上の物語です。 魂を揺さぶる最新最高到達点でした。 最初から道尾秀介ワールド炸裂でした。 読んでいて、あぁこの流れがすきなんだよねぇ。 と、たびたび感じて。 これこれこれと心の中で何度叫んだかわからない。 あと道尾秀介は、なんか気持ち悪い事、タブーな事を平気で書くんだよね。 ストーカー的行為だとか、女性を襲うとか。。 龍神の雨がそうだったし、今回もそう。 読んでて不快なんだけど、 なぜだか不快を感じるのに、少しわかる気もする自分が また嫌だったりするし。 「自分にもあるだろ、やったらいけない事をやりたいと思った興奮って。」 って言われているみたいで、読んでる時点で罪悪感があるんすよ。 今回はミステリーではないと聞いていたのだが、 ミステリーっぽい雰囲気がたくさんでした。 叙述的というか、あえて読み手に語らない部分があるのがね。 そこが道尾秀介好きにはたまらない。 まぁ嫌いな人はそこが嫌いなんだろうけどね。 球体の蛇のタイトルが意味する世界 それが読み終わった後で、物凄く感じられました。 相変わらずタイトルの付け方が上手すぎです。 読んでいる途中から、3章の前ぐらいから、 どんどん切なくなって、痛くなって、苦しくなって。 道尾秀介にしては珍しくずっと一人称で語られるから、 なおさら感情が入ってきちゃって、 ほんと嗚咽しそうになったし、大声で泣きたくなった。 たのむから止めてくれよと、そんな展開は辛すぎるよ。 そう願いながら読み進めました。 ほんと、すごい作品です。 最後は道尾秀介らしい終わり方で、 私としては最初から最後まで、 満足です。
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ドロドロしたお話でした。 後味悪い話大好きな私としては良い読後感です(´∀`) 人の悪意も好意もどういう結果に繋がるかわかりませんね! 誰も悪くなかったんだと思うよ。 本当か嘘かわかんないけど知らなくていい事もあるよなぁ。 モヤモヤッ
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悲しみが足元からじわじわと這い上がる。手の指先が震える。人はどうしてこんなにも悲しい生き物なのだろうか…両親の離婚により隣の家に居候することになった友彦。世話になっている乙太郎と娘ナオと友彦には大切な人を失った「事故」の悲しい記憶がある。一枚ずつ薄紙をめくるように、事故の真実が現...
悲しみが足元からじわじわと這い上がる。手の指先が震える。人はどうしてこんなにも悲しい生き物なのだろうか…両親の離婚により隣の家に居候することになった友彦。世話になっている乙太郎と娘ナオと友彦には大切な人を失った「事故」の悲しい記憶がある。一枚ずつ薄紙をめくるように、事故の真実が現れる。誰かを守るために付いた嘘がより一層誰かを絶望へと追い詰める。やっぱ、道尾秀介すごいわ。上手いわ。もう一気に読み終えるしかないわ。ココ最近読んだ中で一番だわ。
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