夜想 の商品レビュー
『こんなふうに思ったんです。悲しみってのは絶対に乗り越えなきゃいけないものなのか、と。悲しければ悲しいままでいてもいいんじゃないか、とね。 悲しいことや辛いことには、立ち向かっていかなかなければいけないように考えてしまうじゃないですか。それを克服して心の奥底にしまい込まなければ...
『こんなふうに思ったんです。悲しみってのは絶対に乗り越えなきゃいけないものなのか、と。悲しければ悲しいままでいてもいいんじゃないか、とね。 悲しいことや辛いことには、立ち向かっていかなかなければいけないように考えてしまうじゃないですか。それを克服して心の奥底にしまい込まなければいけないと、義務のように感じてしまいますよね。でも本当はそんな必要ないと思うんです。 どうしても乗り越えられない悲しみもあるんですよ。だったら、無理に乗り越える必要はない。乗り越えられないことを恥に感じる必要なんてないと、私は思うんですよね。』 最後の3章がすごい。 みんなが世界を見たいように見ているから、すこしずつ世界はずれていく。そのずれを直すことは非常に難しい。そんなことを考えさせられる作品。
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貫井さんが得意な宗教モノです。 心に深い傷を負うと何かに縋り付きたくなるんですかね~。 周りが何も見えなくなってしまった主人公の行動が痛々しいです。それよりもっと痛々しいのは、あのおばさんなんですが。。。
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うーん、宗教の話? 人は弱った時に何かに頼りたくなるもの。人から言葉をもらって生きる自信をもつのは悪い事でないけど、結局、自分が前に進もうという気力がないと何も始まらない、って感じかなあ。 貫井作品の中ではあまり好みではなかったかも。
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家族を突然の事故で失った雪藤は、その絶望の中から救ってくれた不思議な能力を持つ女子大生、遥を中心に教団をつくり上げる。どの様にして新興宗教、カルト教団などが発生するのか参考になる。専門的な解説は期待できないが、切っ掛けとしては十分である。続編として、小さな集団から巨大宗教に成長...
家族を突然の事故で失った雪藤は、その絶望の中から救ってくれた不思議な能力を持つ女子大生、遥を中心に教団をつくり上げる。どの様にして新興宗教、カルト教団などが発生するのか参考になる。専門的な解説は期待できないが、切っ掛けとしては十分である。続編として、小さな集団から巨大宗教に成長するストーリーを期待したい。
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相変わらず、テーマの豊富な作家。これも、今までにない 分野。辛い、苦しい境遇から、人はどのように立ち上がるのか?読んでいてもきついものがあるが、最後で読者も救われる。読後感は良し。
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人はみな誰かに依存して生きている。 誰かに救われたいと願っている。 でも自分を救えるのは自分だけなのだ。 そう教えてくれる本です。 悩んだときにまた読みたいです。
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人の心は弱いんだなぁ、と再認識を繰り返しながら読み進んだ。 登場人物の誰もが、他人に依存している。 新興宗教に群がった人たちなので仕方ないといえば仕方ない。 出て行った娘、亜由美を支配し続けようとする母親の身勝手さに、彼女登場する度に辟易した。 北條メンタルクリニックは衝撃の結末だったが、貫井さんの本を読んだ満足感を一番色濃く味わえた瞬間でもあった。
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事故で妻子を失い、生きる希望を見出せなくなった男が、ある特殊な能力を持った一人の少女との出会いにより、生きがいとなる団体設立へと向かう。 新興宗教って、こんな風に出来上がり、膨れ上がり、空中分解していくんだな・・。
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ロマンチックな話を想像していたのに、 内容は人の悩みと苦悩と苦しみからの脱出の話だった。 交通事故で妻と娘を亡くし自分一人だけが生き残った男、雪藤は、妻子を助けられなかったという自責の念から逃れられず、日々地獄の中にいるような生活を送っていた。 そんな中で知り合った女子大生・天...
ロマンチックな話を想像していたのに、 内容は人の悩みと苦悩と苦しみからの脱出の話だった。 交通事故で妻と娘を亡くし自分一人だけが生き残った男、雪藤は、妻子を助けられなかったという自責の念から逃れられず、日々地獄の中にいるような生活を送っていた。 そんな中で知り合った女子大生・天美遥は、その人の持ち物に触れただけで、それまでのいきさつや持ち主の気持ちがわかるという特殊能力の持ち主だった。 彼女と話すだけでそれまでの苦しみが、ウソのように楽になった雪藤は、無欲な彼女を励まし、もっと多くの人の苦しみを解いてあげようとするようになる。 やがて娘が東京に出たまま行方知れずだという女性が現れて、なぜか真実がわからないと答える遥に対して不信感を持つようになり、恐ろしい事件へと発展する・・・。 詳しい経緯と人間描写は、以前にあめん坊さんが書かれているので、 私はサラリと述べておいた。 新興宗教というものはこんな形でできていくのかとまずは驚き、 次に特殊能力など無い方がいいと単純に思った。 どうしょうもないほど苦しい悩みを持った時、人は誰かに救ってもらいたいと思うものなのだろう。だから、教祖ともいうべき誰かの元には、人が集まるようになってくる。 だが、教祖も一人の人間であった。 この作品では、教祖である遥自身も自分の力をどこまで人に使えるのか、悩んでいるところが描かれている。 神から選ばれて特殊な能力を授けられたのなら、それを人のために使うのか、金銭目的に使うのか。無欲に人のためにだけ使いたいのに、ビジネスにしようと企む人も遥の周りに集まってくるのだ。 人が集まればどうしても金銭トラブルや人間関係で又地獄を見ることになるのだろう。これもみな人間であることの証なのだろうか。 新興宗教が人の苦しみを救うところに意義があるのなら、人が自分たちでまくトラブルは余計なものだ。苦しみを話して救ってくれる人が自分の近くにいるのなら、誰にも知らせずに、独占しておきたいと思った。
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2012.11.15読了。 事故で妻と子を同時になくした男が、物に触れるとその気持ちを読み取ってしまう能力を持った女のコと出会い、その子を他の人にも知ってもらおうと奮闘する新宗教の興隆記?
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